ナタリー PowerPush - RAM RIDER
アルバム「AUDIO GALAXY」2枚同時リリースで本格再始動
ボーカリスト、トラックメーカーとしての自分
──それでは、ボーカリストとしての自分についてはどう評価してます?
どうなんだろうね。今の自分の声は好きだから、急にビブラート効かせたり、ボイトレ行ったりとかっていうのは考えてない。音程とリズム感だけは最低限ちゃんとしたいって努力は続けてて、それはライブでも常に心がけてるけど。
──トラックメーカーとしての自分は?
それなりに優秀なんじゃない?(笑) わかんないけど。まあでも若い人も含めて一番ライバルが多い分野だから、勉強と努力を続けなきゃっていうのは思います。
──勉強といっても、それは流行りの音楽をどんどんキャッチアップしていくということではないわけですよね。
無理に取り入れる必要はないと思うけど「この音どうやって出してるのかわかんない」っていうんじゃダメなんですよね。わかっていれば自分の曲に一瞬そのエッセンスを入れたりすることもできるし。
──それで言うと、RAM RIDERのトラックのバランスは絶妙ですよね。「GOOD BYE」のイントロの、ダサくなる一歩手前のギリギリのところでアゲていく感じとか。
それは常に考えてます。「GOOD BYE」は友人のミサイルチューバッカShoesくんがサウンド面で参加してくれてるのも大きいけど、別の曲でも普通はギターソロがなくても成立するっていうところにあえて入れる、とか。その感覚は多分ほかのトラックメーカーの人にはあんまりないところで。ギターソロが入った瞬間、週末の夜中だったのが、一気に夕方くらいの風景に戻ったりするんだよね。
これからの活動
──次はどうするんですか?
次?
──「それまでの自分を全部詰め込んだ」ということで言えば「PORTABLE DISCO」よりも「AUDIO GALAXY」のほうがある意味、濃厚なのかなと思って。
確かに今は「PORTABLE DISCO」出したあとの感じに似てるかも。
──だからこそ次のアクションが気になるところで。
んー、まだなんにも考えてないなあ。少なくともすぐにリリースのために次の作品にとりかかるってことはないと思う。それよりもこの2枚を広めるほうに力を入れたいかな。
──でもRAM RIDERって元々そういうスタンスのアーティストだったのかもしれないですね。
今思えば。
──毎年アルバムを出すっていうタイプではなく。
まあ、次は7年は待たせないと思うけど(笑)。今度はもっと短い間隔で。
──このクオリティの作品を届けてくれるなら、ある程度は待ってもいいですけど(笑)。
逆に言ったらこのクオリティにならなかったら出せないですね。なんか歳取ったせいかわかんないけど、自分が死ぬとき棺桶に何が入るかって考えたら、納得いかないものはもう出せない。売れる売れないに関係なく、自分のスタンスで、やりたいようにやるしかないって思うんだよね。
──個人的なことを言えば、自分はRAM RIDERの古くからのファンでもあるし、友達でもあるわけで。だからRAM RIDERの新作が完成して、聴いたときにいいと思えなかったらどうしようって思ってた。
怖かったでしょ、聴くまで。
──うん。
俺はね、大丈夫だった。絶対好きって言ってもらえる自信あったから。
──うん。だから聴いてうれしかったし、ほっとした。それにこの2枚で出し切って、もう何も残ってないって感じでもないし。
そうだね。今はこの先自分の環境がどう変化しても大丈夫だって思ってる。自分で音楽を作ってさえいれば、どうにでもできるから。
──この「AUDIO GALAXY」が新たな活動の土台になるってことだよね。
うん、このアルバムは誰に聴いてもらっても、人生の10枚に入るくらいの自信があるから。これからはツアーをやって、ライブで新曲を発表しながら、ラジオもやって、次に向かって進んでいく。その途中で、やらせていただけるのであればほかの人のプロデュースもして。常になんか動いてる感じでやっていけたらいいなって思ってます。
CD収録曲
- HELLO starring ORANGE RANGE
- VOICE -とおくのきみへ- starring 南波志帆
- 非実在ボーイ starring MEG
- ファストラブ starring Bose(スチャダラパー)
- Memory starring フルカワミキ
- ベッドルームディスコ starring 桃井はるこ
- Sun Will Shine starring NAO☆(Addy)
- RAINBOW -なみだのあとで- starring 中川翔子
- 放課後★サスペンス starring バカリズム&藤岡みなみ(PANDA 1/2)
- ユメデアエルヨ starring 野宮真貴
CD収録曲
- chapter#1 "launching"
- GALAXY
- No Continue
- GOOD BYE
- chapter#2 "Beautiful Planet"
- 非実在ガール
- アイデンティティ
- DREAM
- chapter#3 "Sweet Star"
- 催眠
- Memory
- マグネット
- END OF THE PARTY
- chapter#4 "ReturnToTheEarth"
- 君をピンチから救えなかった際の歌(ボーナストラック)
※ローソン・HMV限定販売
RAM RIDER(らむらいだー)
1人で作詞作曲、トラックメイキング、歌唱を手がける男性ソロアーティスト。2003年から本格的な活動を開始。2004年3月に1stシングル「MUSIC」をインディーズでリリースし、2005年6月に「ユメデアエルヨ」でメジャーデビュー。同年11月に発表した1stアルバム「PORTABLE DISCO」がスマッシュヒットを記録し、大型フェスなどにも多数出演する。その後はDJとして人気を集める一方、プロデューサーやリミキサー、作曲家として活躍し、2010年4月からは映像同期型ネットラジオ「オーディオギャラクシー」を開始。同コンセプトのパーティを主宰し、ライブ活動も積極的に行う。2012年4月に約7年ぶりのオリジナルアルバム「AUDIO GALAXY -RAM RIDER vs STARS!!!-」「AUDIO GALAXY -RAM RIDER STRIKES BACK!!!-」を2枚同時リリース。