ナタリー PowerPush - RAM RIDER
アルバム「AUDIO GALAXY」2枚同時リリースで本格再始動
RAM RIDERが、ニューアルバム「AUDIO GALAXY -RAM RIDER vs STARS!!!-」「AUDIO GALAXY -RAM RIDER STRIKES BACK!!!-」を2枚同時にリリースした。
「RAM RIDER vs STARS!!!」は、豪華なボーカリストが多数参加したフィーチャリングアルバム。そして「RAM RIDER STRIKES BACK!!!」は、RAM RIDER自身が全曲ボーカルを務める、正統進化のオリジナル2ndアルバム。
DJやネットラジオ、他アーティストのプロデュース、楽曲提供など、多方面で活躍してきたRAM RIDERだが、本人名義でのアルバムリリースは実に6年半ぶりとなる。長年の沈黙を破り本格的な復活を果たした彼に、じっくりと話を訊いた。
取材・文 / 大山卓也
2006年、アルバム発売中止の理由
──6年半ぶりのアルバムということで。
いやいや、一応7年ぶりって言ってるんですけど! ナタリーだけだよ、そこちゃんと数えてるの(笑)。
──あはは(笑)。じゃあ約7年ぶりということで。まずは、なぜこんなに間が空いたのかというところから聞かせてもらえますか? 前作「PORTABLE DISCO」のリリースが2005年11月でした。
そうですね。で、2006年はツアーとかやりながら次のアルバムを作ってて、当時ほぼ完成してたんです。「PORTABLE DISCO 2」ってタイトルで告知もしていただいてて。
──でもリリースしなかった。
うん。できあがった作品を自分で聴いて「PORTABLE DISCO」を全然超えてないなと思ったから。それでスタッフの方と相談した結果、発売中止にしてもらったんです。当時かかわっていた方々には本当に迷惑をかけました。
──それにしても思いきった決断でしたね。そのあとは?
そこからはリミックスとかプロデュースとか楽曲提供とか、そういうオファーをたくさんいただくようになって、そっちが忙しくなっていくんですよね。
──自分のアルバム制作はいったん止めたんですか?
まあ作ってはいたんだけど、どこから出すかっていう問題も出てきたりして。ライブも1人じゃできないからDJが中心になって。ここ4~5年はそんな感じでしたね。
“自分が歌う”ことへのこだわり
──「PORTABLE DISCO 2」に自分でNGを出したことがきっかけで、作家やプロデュース活動が中心になっていくわけですね。そもそも「PORTABLE DISCO 2」のどこがダメだったんですか?
これはもう理由は明らかで、「PORTABLE DISCO」っていう最初のアルバムは、当時の自分が持ってたエネルギーを全部注いで何年もかけて作ったものだった。で、当時の僕の力では、そこから1年でそれを超えるものを作ることができなかったんです。
──新しいコンセプトが見つからなかったとか、そういうことではなく?
そういうことではなく。単にいい曲が少なかった。本当にそれだけの理由ですね。
──内容は1stアルバム同様、RAMさんが自分で歌うアルバムだったんですよね。
お世話になった方々からは、ゲストボーカルを入れてフィーチャリングアルバムを出さないかって言われたりもしましたけどね。当時m-floがその体制で成功していたっていうのもあったかもしれない。
──フィーチャリングアルバムにしなかった理由は?
僕は当時いろんな外仕事をやってたから、ソロとフィーチャリングは自分の中で分けたかった。それにそもそも……。
──自分が歌うために始めたプロジェクトがRAM RIDERであると。
そうそう。で、僕は小室哲哉さんとか浅田祐介さんみたいな、ほかの人に楽曲提供したりプロデュースをしたりしている人が自分で歌う歌が好きなんです。うまいヘタは直接は関係なくて、その人が作った音楽をその人の声で歌ってるのが好き。RAM RIDERではそれがやりたかったんです。
──豪華なゲストボーカリストを揃えたフィーチャリングアルバムのほうが、レコード会社には喜ばれるんでしょうけど。
うん。でも当時の僕は「それはできないです」って反発してた。今考えれば周りのスタッフもみんなとにかくどうにかして僕を売りたくて、一生懸命考えて言ってくれてたことなのに、僕が若すぎて受け入れられなかったんですよね。今考えると本当に申し訳なく思う。それもあって長い間リリースのない空白期間ができてしまった。
CD収録曲
- HELLO starring ORANGE RANGE
- VOICE -とおくのきみへ- starring 南波志帆
- 非実在ボーイ starring MEG
- ファストラブ starring Bose(スチャダラパー)
- Memory starring フルカワミキ
- ベッドルームディスコ starring 桃井はるこ
- Sun Will Shine starring NAO☆(Addy)
- RAINBOW -なみだのあとで- starring 中川翔子
- 放課後★サスペンス starring バカリズム&藤岡みなみ(PANDA 1/2)
- ユメデアエルヨ starring 野宮真貴
CD収録曲
- chapter#1 "launching"
- GALAXY
- No Continue
- GOOD BYE
- chapter#2 "Beautiful Planet"
- 非実在ガール
- アイデンティティ
- DREAM
- chapter#3 "Sweet Star"
- 催眠
- Memory
- マグネット
- END OF THE PARTY
- chapter#4 "ReturnToTheEarth"
- 君をピンチから救えなかった際の歌(ボーナストラック)
※ローソン・HMV限定販売
RAM RIDER(らむらいだー)
1人で作詞作曲、トラックメイキング、歌唱を手がける男性ソロアーティスト。2003年から本格的な活動を開始。2004年3月に1stシングル「MUSIC」をインディーズでリリースし、2005年6月に「ユメデアエルヨ」でメジャーデビュー。同年11月に発表した1stアルバム「PORTABLE DISCO」がスマッシュヒットを記録し、大型フェスなどにも多数出演する。その後はDJとして人気を集める一方、プロデューサーやリミキサー、作曲家として活躍し、2010年4月からは映像同期型ネットラジオ「オーディオギャラクシー」を開始。同コンセプトのパーティを主宰し、ライブ活動も積極的に行う。2012年4月に約7年ぶりのオリジナルアルバム「AUDIO GALAXY -RAM RIDER vs STARS!!!-」「AUDIO GALAXY -RAM RIDER STRIKES BACK!!!-」を2枚同時リリース。