音楽ナタリー PowerPush - Perfume

夢を目指すみんなへのメッセージ

タイトルを見たときに「これヤバくない?」

──「Pick Me Up」は「Relax~」とはまた正反対の曲ですね。

かしゆか 最初に聴いたときはここまでのテンションじゃなかったんですけど、完成形はライブで盛り上がる感じになってましたね。

あ~ちゃん 「♪ティンティンティンティン……」って中田さんがノリノリでやってる様子が、目に浮かびます(ヘッドフォンをしてツマミをいじるまねをしながら)。

のっち 3人とも、どうもこういうパーティチューン的なものに気恥ずかしさを覚えるんですけど、MVがとっても感動的な仕上がりになったので、そこからこの曲に対する印象が変わりました。

──2コーラス目の「321」という、まるで悪魔のような声は?

のっち はい、私です!

──「Relax~」の歌詞に「123」があって、こちらは「321」。そこに中田さんの意図を感じたりしましたか?

あ~ちゃん そういえばそうだなあってくらいでした(笑)。

のっち たぶん、中田さん、全然気にしてないんじゃないかな。

かしゆか 何気なくそうなったんだと思います。「Pick~」では、危機感を煽る感じがほしいからカウントダウンで、「Relax~」では、これから始まるよという感じがほしいからカウントアップなのかなとは思いましたけど。

──3曲目の「透明人間」はどんな印象でしたか?

あ~ちゃん タイトル見たときは「これヤバくない?」と思いましたけど、名曲に仕上がりました。

のっち ドラマチックですよね。2コーラス目の「きっと僕はここにいるから」からサビにいかずに間奏にいく構成が好きですね。

悲しい涙、悔しい涙がうれしい涙に変わった

──充実のシングル作品になりました。

完全生産限定盤「Relax Room仕様」箱型パッケージ

かしゆか ひさしぶりのシングルだから、「アルバム!?」ってツッコみたくなるくらいパッケージも凝ってるんですよ(笑)。実は「Cling Cling」のときに、これまでずっとビジュアル面を考えてくれてる関さんが、「おっきいハコの中」という歌詞にちなんで「パッケージをおっきいハコにしよう」というアイデアを出してくれたんですけど、最終的には別の案が採用されたんです。「Relax~」のMVに“ハコのようなおうち”が出てくるので、今回は完全生産限定盤でその思いがかないました。10周年アニバーサリーイヤーにふさわしい気合いの入り方になっています。

──メジャーデビュー10周年、結成15周年が重なる年ですもんね。振り返ってみたときに、パッと思い浮かぶ光景や出来事ってなんでしょうか?

のっち 6年前、 ポルノ(グラフィティ)さんの10周年のドーム公演を観に行った日、「10年続けられるって本当にスゴいな」と心底思っていた自分を思い出します。

──同じ事務所の先輩、後輩という関係もあっての感慨ですね。

のっち 今こうやって、自分たちが10周年を迎えられたことが、なんか信じられないようなヘンな感じです。

かしゆか 私は、アクターズスクールの頃を思い出しますね。あの頃は、ここまでの野望を持ってたわけでもなかったから、人生ってわからないなあと(笑)。戻って伝えられるなら、当時の自分に伝えたい。「未来のあなたはこうなってるよ」って。

あ~ちゃん 私はやっぱり、亀戸サンストリートの光景です。

──その昔、ストリートライブをやっていた場所ですね。

あ~ちゃん はい。とにかく「私たちを見てくれる人なんていない」というのが基本だったから、だからこそ、興味のない人がどうやったら足を止めてくれるのかを必死に勉強しました。もちろん、寂しい思いもしました。自分たちで配ったビラが、手渡したと同時に捨てられたり、衣装がずっと同じだから、臭いもすさまじいし、自分たちで洗濯してやりくりしてました。でも逆に、なんでも自分たちでやらせてもらっていたので、そういう意味では、自分たち次第でその時間をいくらでも有効活用できました。そのときのことが、その後のいろいろに役に立ってると思います。海外でライブをするときも、結局、知らない人たちにどうやって興味を持ってもらうか、好きになってもらうかが大事ですしね。

──亀戸サンストリートでPerfumeの礎が築かれたんですね。

あ~ちゃん 悲しくて涙、寂しくて涙してたのが、悔しくて涙になり、そして、うれしくて涙になった。それからはずっと、信じられないほど、うれしくて涙、うれしくて涙……。本当に貴重な時間を過ごさせてもらったんだなと。だから、忘れられないですね。

ニューシングル「Relax In The City / Pick Me Up」 / 2015年4月29日発売 / UNIVERSAL J
完全生産限定盤 [CD+DVD+ブックレット] / 2600円 / UPCP-9010
初回限定盤 [CD+DVD+ブックレット] / 1900円 / UPCP-9011 / ※初回盤出荷終了後、CDのみの通常盤が面替出荷となります。
完全生産限定盤「Relax Room仕様」箱型パッケージ ・CDを14枚収納できる大きさ・5つの面にそれぞれ異なったジャケットデザイン
CD収録曲
  1. Relax In The City
  2. Pick Me Up
  3. 透明人間
  4. Relax In The City -Original Instrumental-
  5. Pick Me Up -Original Instrumental-
  6. 透明人間 -Original Instrumental-
DVD収録内容
  • Relax In The City -Video Clip-
  • Relax In The City -Teaser-
  • Pick Me Up -Video Clip-
Perfume(パフューム)

Perfume

あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香) 、のっち(大本彩乃)により2000年に広島で結成。2003年に活動拠点を東京に移してからは、プロデューサーにcapsuleの中田ヤスタカを迎え、インディーズレーベルで精力的に活動を開始。2005年にシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たし、近未来的な世界観のサウンドとダンスで耳の肥えた音楽ファンの間でも高い評価を獲得する。2007年に「NHK環境・リサイクルキャンペーン」テレビCMに出演し、CMソング「ポリリズム」が大ヒット。テクノポップブームの火付け役となり、2008年には日本武道館、2010年には東京ドームでのワンマンライブを成功させる。2011年にはピクサー映画「カーズ2」の挿入歌&日本語吹き替え版エンディングテーマに、アメリカのスタッフによる指名で「ポリリズム」が抜擢。2012年にユニバーサルJに移籍してアルバム「JPN」のiTunes Store世界配信を実施し、同年4月に「キリンチューハイ 氷結」のCMソング「Spring of Life」のCDシングルをリリースする。10月にアジア4カ国で行われた初の海外ツアーは大成功のうち終了し、翌2013年にはヨーロッパ3カ国での単独公演を実施。フランス・カンヌで開催された世界最大の広告祭「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に日本人アーティストとして初めてゲストとして招待され、プロジェクションマッピングを駆使したパフォーマンスで喝采を浴びる。同年10月にアルバム「LEVEL3」をリリースし、12月に東京ドーム、大阪・京セラドーム大阪にて計4日間の単独公演を敢行。2015年にはアメリカ・テキサス州オースティンで開催されたの世界最大規模のフェスティバル「SXSW 2015」に出演し、インタラクティブメディアの祭典「SXSW Interactive」のヘッドライナーを務めた。同年4月29日に両A面シングル「Relax In The City / Pick Me Up」をリリース。