PASSPO☆が17thシングル「すてんだっぷガールズ！ ～第1話 ダメダメ怪獣にご用心～」を9月27日にリリースした。このシングルは、7人が近年取り組んできたアメリカンロック路線をさらに推し進め、ドライブ感あふれるサウンドとアメコミ仕立ての世界観が交錯する充実のナンバーに仕上げられた。

今回のインタビューで7人は、11月に始まるツアーやグループ結成10周年への意気込みを語り、さらには“卒業”“アイドルと結婚”といったテーマにも言及した。取材時の彼女たちの、女子校の教室のようなワチャワチャ感を楽しんでいただきたい。

取材・文 / 小野田衛　撮影 / moco.（kilioffice）

クレジットを隠してデモを聴いても、みんなが選ぶのはなぜか機長の曲

──まずはニューシングル「すてんだっぷガールズ！ ～第1話 ダメダメ怪獣にご用心～」の聴きどころからお伺いします。最近のPASSPO☆は、シングルではセルフプロデュース的な要素がかなり増えているそうですね。

根岸愛　特に日本クラウンさんに移籍してからはそんな感じです。シングル曲を決めるとき、まずは10曲くらいデモを聴かせてもらうんですよ。そこから「シングルはこの曲がいいと思う」ってメンバーが投票で決める流れになっていて。

安斉奈緒美　普段の7人は好きな音楽のジャンルも全然違うんだけど、面白いことにPASSPO☆のシングルを決めるときはなぜか満場一致なんですよね。

──コンペで集まったシングル候補曲の中から、メンバーが選んで決定するんですか？

一同　そうでーす！

森詩織　もちろんスタッフさんにも相談したうえで決めていますけど。

──7人全員が秋元康先生みたいじゃないですか。

岩村捺未　そうかもしれない（笑）。

藤本有紀美　私たちがデビューした頃からお世話になっているペンネとアラビアータ機長という方がいて、今回のシングルを書いてくれたのもその人なんです。私たちも変に先入観を持ちたくないから、クレジットは隠した状態でデモを聴いているんですね。それぞれの曲に番号だけ振って。だけどメンバーが選ぶのはなぜか、結果的にペンネとアラビアータ機長の曲が多くて。

増井みお　あれは不思議！ なんでなんだろうね。イントロが流れた瞬間、「これだよ！」って7人が言い出すこともあるし。

玉井杏奈　たぶん7人が考える“PASSPO☆らしさ”っていうものが同じなんじゃないかな。で、それがペンネとアラビアータ機長の書く曲にすごくマッチしていてさ。

根岸　そうなんだろうね。曲の世界観がPASSPO☆と相性バッチリだし。例えば候補が2曲あって、それが両方共ペンネとアラビアータ機長の曲だった場合、リクエストを出して2つのいいところをドッキングしてもらうこともあるんですよ。

森　そうそう。今回のシングルも、まさにそのパターンでした。

藤本　PASSPO☆って、昔から曲には自信があるんですよね。今回のカップリング曲「Party like a Rockstar!」も両A面シングルって言ってもいいくらいの自信作だし、アルバムなんて全部がリード曲のつもりでいますから。

岩村　本当に私たちって、自分たちが納得しないと何もできないんです。だって自分たちが好きでもない曲を歌うなんて、超地獄じゃないですか。

ずっと続けていくためには、自分たちの好きなことをやっていかないと

──そういうものですかね。アイドルって、一般的に大人たちに言われたことを素直にこなしていくイメージがありますけど。

森　えーっ!?

安斉　そういうことが素直にできるアイドルはすごいと思います。だけど、私たちは単純に無理（笑）。

玉井　やっぱりずっと続けていきたいですからね。そのためには自分たちの好きなことをやっていかないと。

岩村　その分、手間もめっちゃかかるけどね。

玉井　批判を受けるのも自分たちだしね。言い訳ができないと言うか。

根岸　PASSPO☆は、すごく恵まれた環境にいると思うんですよね。今回のシングルも、ゆっきぃ（藤本）が最初に「ヒーローもののアメコミで流れるオープニング曲みたいな感じでやりたい！」って言い出したんですよ。

藤本　うん、言った言った。

岩村　それで「じゃあ、こういう感じでどう？」ってジャケ写とかミュージックビデオとかのコンセプトが決まっていったんです。

玉井　「～第1話 ダメダメ怪獣にご用心～」っていうサブタイトルも、コミック感を出すために付けたし。

藤本　表記も自分たちで決めましたしね。英語にするか、カタカナにするか、いろんな意見があったんですけど。

安斉　あとはMVもどうやったらアメコミふうになるか、工夫しました。スタッフさんのクレジットがいきなり流れてくるのも、そのニュアンスを出したかったんですよ。

岩村　内容は小ネタ満載！ ゆっきぃはなぜか「ナイトプール 藤本有紀美」っていうスタッフクレジットで紹介されているし（笑）。

──第1話ってことは、今後シリーズ化するんでしょうか？

根岸　いやー、そこはどうだか……皆さんの反応次第かな。マンガ連載でも途中打ち切りってありますからね（笑）。

森　あと「すてんだっぷガールズ！」のポイントは、サビの振付が簡単だから一緒に盛り上がりやすいと思います。デビュー当時からずっと振付してもらっている竹中夏海先生は、どうやったらPASSPO☆がよく見えるのかを熟知しているんですね。

玉井　すでにフライト（PASSPO☆のライブのこと）では何回も披露しているんですけど、そのたびに私たちが丁寧にレクチャーしてるから、今はパッセン（PASSPO☆ファンの呼称）との一体感がものすごくて。

藤本　まさに竹中マジック炸裂ですよ。これが難しい振付だったら、全然違うことになっていたと思う。