@JAM EXPO 2020-2021|森詩織(総合司会)×FMF(「@JAM」ナビゲーターユニット)「@JAM」スタートから10年 2つの世代が語るアイドルのあれこれ

8月27~29日に神奈川・横浜アリーナでアイドルフェス「@JAM EXPO 2020-2021」が開催される。

ライブイベント「@JAM」シリーズ最大規模のアイドルフェスとして2014年にスタートした「@JAM EXPO」。昨年は横浜アリーナで初の3DAYS開催となる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となり、その代替企画として配信サーキットフェス「@JAM ONLINE FESTIVAL 2020」が行われた。今年の夏もコロナ禍は終わらず、ライブエンタテインメント業界にとって先の見えない厳しい状況が続いているが、昨年実施できなかった企画も盛り込みつつ、感染拡大対策を徹底した中で今度こそ3日間の開催が実現。「@JAM」シリーズが立ち上げ10周年を迎える今年、計170組以上のアイドルによる“真夏の大博覧会”が繰り広げられる。

フェスの開催に向け、音楽ナタリーでは総合司会の1人である森詩織(ex. PASSPO☆)と、「@JAM」の期間限定ナビゲーターユニット・FMFのメンバーである楓フウカ(クマリデパート)、熊澤風花(Task have Fun)、森みはる(26時のマスカレイド)によるクロストークを実施。ともに「@JAM EXPO」を盛り上げる立場であるほか、アイドル界のOGと現役という先輩後輩の関係である彼女たちに「@JAM」にまつわるエピソードからアイドルとしての悩みごとまで、さまざまなことを語り合ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / はぎひさこ

アイドルは年々レベルが高くなってる

森詩織 熊澤風花ちゃんと楓フウカちゃんは、今日がはじめましてだよね。PASSPO☆時代も絡んだことはなかったし。知ってる? 私のこと。

左から森詩織、楓フウカ(クマリデパート)、森みはる(26時のマスカレイド)、熊澤風花(Task have Fun)。

楓フウカ もちろんです! こうやってお話しさせていただく機会があると思っていなかったので、この取材の話を聞いたときはびっくりしました。

熊澤風花 フェスとかですれ違うことはあっても、お話しさせていただく機会はなくて。PASSPO☆さんはステージでキャリーバッグを持っているお姉さんたちっていうイメージです。

森詩織 よかったー、キャリーバッグ持ってて(笑)。大きいステージではなるべくキャリーバッグを持ってパフォーマンスするようにしていたんです。そうしなきゃPASSPO☆だとわかってもらえなかったから。インパクト大事。

 私は2018年にクマリデパートに加入したので、PASSPO☆さんと活動時期がほとんど被っていないんですよ。その前もクマリはほとんどフェスに出ていなかったし、グループとしてほとんど接点がないんじゃないかな……。衣装でデパートガールの帽子を被ったとき、ファンの方から「PASSPO☆みたい」と言われたくらいですね(笑)。

森詩織 あははは(笑)。同じように頭に小さな帽子を着けているほかのグループに、アイドルファンが「PASSPO☆みたい」と言っているのを聞いたことがあって。「うちらってそういうイメージがあるんだ」と気付いて、活動の途中から帽子とスカーフは必須にしたんです。やっぱりそういう目印がある意味は大きくて、直接絡みがない若い世代がPASSPO☆のことを知ってくれているのはうれしいですね。

──森みはるさんとは同じ事務所の先輩後輩という関係ですが、どれくらい接点があるんですか?

森詩織 正直、PASSPO☆時代も今もあまり絡みはないけど、1回ニジマス(26時のマスカレイド)と対バンで一緒になったことがあるよね。

森みはる はい。同じ事務所ですが、私たちは妹分というわけではないし、PASSPO☆さんはなんだか遠い存在というか……。皆さんすごく明るいイメージがあって、元気な先輩たちという感じでした(笑)。

森詩織 ホント? 怖くなかった? 怖いと言われることが多かったから(笑)。対バンでニジマスのパフォーマンスを観たときはすごいと思いました。みんなかわいいし、歌うまいし、「何これ? そりゃ人気出るわ!」って。アイドルがあふれている今の状況でシーンの上にいる子たちってホントにすごいですよね。うちらが活動していた時代もグループの数は少なくはなかったけど、10年前は今ほどアイドルという存在が浸透しきっていなかったら、いろいろと新しいことに挑戦できたんです。それに対して、今は全部やり尽くされてるじゃないですか。

──1周どころか、何周もしてますよね。

森詩織 かわいい子も多いし、年々レベルが高くなってきているなって。自分もアイドルをやっていたからこそそう感じるし、今の世代の子たちを尊敬の目で見ています。かわいくて歌がうまい子ってこんなに世の中にいっぱいいるんだなと驚きますね。そしてみんな活動を続けていることが何よりもすごいです。

左から森詩織、楓フウカ(クマリデパート)、森みはる(26時のマスカレイド)、熊澤風花(Task have Fun)。

1人でグループを背負うプレッシャー

──クマリデパート、Task have Fun、26時のマスカレイドは3組とも2016年に結成されたグループで、この世代のアイドルの顔とも言える存在だと思います。FMFは「@JAM」を盛り上げるべく、その3組の代表となる3人が集まったユニットなわけですが、メンバーに選ばれたときは素直にどう思いましたか?

熊澤 私は2018年に@JAM ALLSTARS(「@JAM EXPO」の出演アーティストによる選抜ユニット)のメンバーに選んでいただいて。まさか今回ナビゲーターユニットのほうにも入れると思っていなかったので、このお話をいただいたときは驚きとうれしさでいっぱいでした。Taskは白岡今日花、里仲菜月、私と3年連続でユニットのメンバーに選ばれていて、毎年重要な役目を任せていただいている光栄な気持ちと同時に、私次第でほかの2グループのファンのTaskへの印象が決まってしまうというプレッシャーも感じています。

 私はまさか自分が選ばれるとは思っていなかったので、LINEで最初にこの話を聞いたときに心臓がバクバクしちゃって。トイレにいたママに慌てて報告しました(笑)。1人でグループを背負って活動するのは初めてですし、ほかのメンバーが熊澤風花ちゃんと森みはるちゃんと聞いてさらにプレッシャーを感じましたが、6人いるクマリデパートの中から自分を選んでいただけてうれしかったです。

森みはる 私も自分がユニットに選ばれると思ってなかったのでびっくりしました。ニジマスにはもっと適任なメンバーがいるんじゃないかって。あと、ユニットのメンバーに熊澤風花ちゃんがいると聞いて、年齢差があるから大丈夫かなと少し不安にもなりました。私のほうが6歳くらい年上なので……。

──3人はFMFで活動を共にするまでほとんど接点がなかったんですか?

左から森詩織、楓フウカ(クマリデパート)、森みはる(26時のマスカレイド)、熊澤風花(Task have Fun)。

 クマリデパートはどちらのグループとも関わりがなかったです。でも、2人は接点があったんだよね?

森みはる Taskさんとは対バンライブで一緒になることが多くて。2年前の「@JAM」の期間限定ユニットではTaskから白岡今日花ちゃん、ニジマスから来栖りんが参加しているし、何かしら縁がありますね。あと、風花ちゃんは、えじ(ニジマスの江嶋綾恵梨)とごはん行ったことがあるんだよね。えじがとにかくコミュ力が高くて交友関係が広いんです。でも、私は人見知りなのでメンバーみんなでわちゃわちゃいる状態じゃないとうまく話せなくて……。

熊澤 FMFで活動してきて、けっこう話すようにはなったよね。

 でも、FMFとしてのライブや仕事の期間が空くと関係がリセットされちゃう(笑)。

──森詩織さんも同じようにPASSPO☆を代表して1人で外仕事をすることが多かったんじゃないですか?

森詩織 それこそ私も@JAM ALLSTARSに選んでいただきましたし、それとは別にほかのアイドルとコラボして、私がセンターで歌ったときはかなりのプレッシャーでした。「ここでPASSPO☆が評価されちゃう、怖いな」と思って。期間限定ユニットは1回のステージに重みがあって、そこで失敗したら終わりじゃないですか。プレッシャーをかけるわけじゃないですが、FMFにもぜひがんばってほしいですね。