PASSPO☆が結成5周年を記念したベストアルバム「TRACKS」を完成させた。
このアルバムにはメジャーデビュー以降にリリースされたすべてのシングル曲と、クルーによって選出されたPASSPO☆を代表する名曲、そして表題曲の「TRACKS」を含む20曲を収録。また彼女たちの思い出の楽曲でもある1stシングル「少女飛行」が現体制で新録されるなど、グループの集大成的な作品に仕上がっている。
ナタリーではクルーを代表して根岸愛、玉井杏奈にインタビューを実施。2人にはアルバムの魅力だけでなく5年間を振り返って成長したことや、1月1日に行われるツアーファイナルに向けた意気込みなどを聞いた。
またツアーファイナルをもってグループを卒業する奥仲麻琴の卒業記念インタビューもあわせて公開。彼女はなぜPASSPO☆を卒業しソロ活動に専念するという決断に至ったのか。その真意を紐解いていく。
取材・文 / 古川朋久 撮影 / 塚原孝顕
この5年でポジティブになった
──結成からもう5年も経ってるんですね。あっという間な気がするんですが。
玉井杏奈 いやあ、本当にね。もっと長く続けてきたような気がしてます。実は10年くらいやってるんじゃない?みたいな。
根岸愛 きっとPASSPO☆は1年ごとの密度が濃いんでしょうね。だから10年くらい活動してる感覚になっちゃうんだと思います。本当に山あり谷あり、谷あり……。
──谷ばっかりではないと思いますけど(笑)。
根岸 私たち「一難去ってまた一難」という言葉がしっくりきますかね。PASSPO☆はいいことも悪いことも常に起こってる感じで、平凡な日があまりなかったと思います。なんかいつも忙しかった。
玉井 でも個人的にいろいろあって気持ちが落ちちゃっても、1人で悩まずにみんなと支えあってこれたのは本当によかったです。みんなに救われたことは正直何度かありましたから。
──クルーのみんなが精神的にどんどん強くなってきてるな、というのは感じてます。
根岸 そうですね。この5年でみんなポジティブにはなりました。(安斉)奈緒美さんが根っからのポジティブ人間で、個人的に深刻に捉えていることもさらっと受け流すんですよ。奈緒美さんの姿勢にみんな触発されたというか、いい意味であきらめることも必要だなって思うようになって。
玉井 ミスを反省することは大事だと思うんですけど、それをいつまでも考えてても仕方ないですからね。「次、どうするか?」を考える時間を作ることのほうが重要だってみんな気付いたんですよ。
──玉井さん以外はもうみんな20歳を超えてるんですよね。なかなかアイドルグループで全員20歳を超えてるところはないですし、そういう意味でも大人な考え方ができるグループになってきてるのかもしれませんね。
玉井 最近はほかのグループの子とかパッセンジャーから「貫録あるよね」って言われるようになりました(笑)。今でも昔みたいにわちゃわちゃしてますけど、どこか落ち着いてきてるのかなって。
今までとは違うアプローチができるようになった
──ここまで皆さんが培ってきたものがアルバム「TRACKS」には凝縮されていると感じました。
玉井 20曲も入ってるんですよ。自分で聴いてみて「あ、こんなにあるんだ」ってビックリしたくらいで。
──シングル曲のほかに収録されている楽曲はクルーが選出したということですけど、どうやって選んだんでしょう?
玉井 アンケートで入れたい楽曲を1人何曲か選んで投票していきました。
根岸 だから全部お望み通りの曲が入らなかった人もいて。
──完全に民主主義で決められたと。
玉井 正直、入れたい曲はもっとあったんですよ。でもそれを言ったらキリがないですし。CDに収録できるギリギリ限界くらいを目指したら20曲になってしまいました。
──このセレクトに滑り込んできたのが「無題」「くちゃLOVE」「With XXXX」「『I』」。
玉井 「くちゃLOVE」はフライト(ライブ)で欠かせない曲になってますし。「あんたたち『くちゃLOVE』やっときゃ喜ぶんでしょ!」みたいな空気はパッセンジャーからムンムン伝わってきてます(笑)。
──まさか根岸さんからあんなに甘い世界観の歌詞が生まれてくるとは思いませんでしたけど、そのギャップもあって人気ですよね。メンバーが作詞したり振り付けしたりする曲がこの1年で増えたというのも1つのターニングポイントなのかなと。
玉井 単純に持ち曲が増えたっていうことでもないですからね。メンバーが楽曲に直接関わるっていうのは今までとは違うアプローチの仕方ですし。
根岸 私の場合は歌詞を担当することによって自分の中で今までなかった課題や表現が生まれてきて。自分が成長する上ではやっぱり大きい要因の1つでした。
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- ベストアルバム「TRACKS」 / 2014年12月10日発売 / ユニバーサルJ
- ファーストクラス盤 [CD+DVD] / 4000円 / UPCH-9963
- エコノミークラス盤 [CD2枚組] / 3200円 / UPCH-2005~6
- ローコストキャリア盤ピーチ [CD] / 2200円 / UPCH-2007
- ローコストキャリア盤バニラ [CD] / 2200円 / UPCH-2008
CD収録曲(全仕様共通)
- Full Throttle!
- 無題
- TRACKS
- STEP&GO
- 夏空HANABI
- Truly
- WING
- 向日葵
- Growing Up
- Next Flight
- サクラ小町
- Perfect Sky
- 妄想のハワイ
- 君は僕を好きになる
- キャンディー・ルーム
- ViVi夏
- くちゃLOVE
- With XXXX
- 「I」
- 少女飛行(結成5周年記念ver.)
ファーストクラス盤付属CD収録曲
ペンネとアラビアータ機長Presents わがままRemix
- マテリアルGirl
- BEAST IN YOU
- Wish on a star
- Cosmic You
- Love Diary
- ダムダムフリーダム
ファーストクラス盤付属DVD収録内容
ビデオクリップ集
- 少女飛行
- ViVi夏
- キス=スキ
- 君は僕を好きになる
- Next Flight
- 夏空HANABI
- WING
- サクラ小町
- STEP&GO
- キャンディー・ルーム
- Truly
- 妄想のハワイ
- Growing Up
- Perfect Sky
- 向日葵
- TRACKS
Special映像
- 2014年9月28日 奥仲麻琴卒業発表映像@新宿BLAZE
PASSPO☆(パスポ)
2009年結成のガールズロックユニット。メンバーは根岸愛、奥仲麻琴、増井みお、槙田紗子、玉井杏奈、森詩織、安斉奈緒美、岩村捺未、藤本有紀美の9名。「空」と「旅」をコンセプトに、同年11月から「ぱすぽ☆」名義でライブ活動をスタートさせる。フライト(ライブ)を重ねるごとに着実に人気を集め、2010年3月に1stシングル「Let it Go!!」をインディーズからリリース。2011年5月にUNIVERSAL Jからリリースしたメジャーデビューシングル「少女飛行」はオリコン週間ランキングで初登場1位を記録する。2013年1月1日よりグループ名をPASSPO☆に改名。ロック色の強い楽曲とパワフルなパフォーマンスでガールズロックユニットとしての立ち位置を獲得し、2014年3月には「Perfect Sky」で結成当初からの目標であるバンド版PASSPO☆に挑戦する。同年8月にはシングル「向日葵」を発表。12月には結成5周年記念ベストアルバム「TRACKS」をリリースする。