OWVがさらなる進化を遂げた2ndアルバム「JACK POT」を全曲解説、7名のクリエイターのコメントも (3/4)

07. Last scene

──「Last scene」のような大人っぽいラブソングでは、OWVならではの色気のある表現が特に光りますね。

中川 OWVは年齢的にも大人ですしね。

浦野 セクシーな感じ?

中川 うん、そんなイメージなのかなと思っていて。だからこそ「Last scene」は僕らの表現にピタっとハマる感覚でした。アルバムの中で最後に収録が決まった曲なんですよ。

浦野 ラストピースでした。

中川 デモを聴いたときは、もうちょっとさわやかな感じだったんですけど、最終的にちょっと雰囲気が変わった気がする。

佐野 歌ってみるとまた雰囲気が変わったよね。

中川 うん。このリリックが付いて、曲の表情が変わった。ほかにも候補の曲があった中で、「Last scene」は文哉がすごくプッシュしていたんです。

──佐野さん的にはどういったところが引っかかりとなって押していたんですか?

佐野 デモを聴いたときに、これまであんまりやったことのないテイストの楽曲だなと思ったんですよ。最後のトラックを選ぶ段階で、いろんなジャンルが入ったアルバムになることは確定していたので、ここで僕らっぽい曲を選んだところで別にもう取り返せないというか(笑)。

一同 (笑)。

佐野 いろんなジャンルの表現が詰まった作品になってるから、だったら最後の1曲でも新しいテイストにチャレンジしてみようと。

佐野文哉

佐野文哉

中川 しかも「Last scene」の作詞は、はじめましての方にお願いさせてもらったんです。YVES&ADAMSさんという、僕らと年齢が近い方で。「手のひらの Phone オフって」とか表現が今っぽくて、歌詞が自分たちの中に馴染みやすい感じがありました。

──疾走感のあるトラックと、すれ違う恋を描いた切ない歌詞が相まって、1本の映画のような曲になっています。

中川 そうなんですよ。必死に相手を追いかけていくような、強い気持ちをしっかり描いた曲だと思います。トラック自体は重たくなくて疾走感があるので、もたついた感じに聞こえないように意識して歌いました。

──歌詞の語感もいいですよね。

中川 そこもYVES&ADAMSさんの歌詞の魅力だと思います。ところどころで韻を踏んでいて。

──「君がいないなら 君以外なら」とか。

中川 そうそう。

浦野 僕は「⽢ったるい⾔葉 Dipしても」というところが好きです。

中川 ユーモアがあるよね。歌詞の耳馴染みもいいし、リスナーの方々の反応が楽しみな曲です。

08. Weekend

──「Weekend」は1stアルバムの収録曲「PARTY」のアナザーストーリーを描いた楽曲だそうで。アメリカンポップテイストのサウンドも「PARTY」に通ずるものがあります。

中川 兄弟みたいなイメージですね。

浦野 「PARTY」は“ライブで聴きたい楽曲投票”で2位になった人気曲なので、QWVのみんなもアナザーストーリーができたことを喜んでくれるんじゃないかな。

──作詞は「PARTY」と同じく、Risa Horieさんが担当されています。「PARTY」は仲間と一緒に前に進んでいくような曲でしたが、「Weekend」は気になる子をパーティから連れ出したいという恋の歌になっていますね。

中川 大学生っぽい感じの曲ですよね。「ウェーイ!」みたいなノリがあるというか。応援ソングとも言えるかもしれない。

浦野 恋の教科書みたいな感じの曲です。

一同 (笑)。

──確かに「Mission 1 お互いにSelf-introduction」「Mission 2 君をAfter partyにエスコート」と、ユニークな歌詞になっています。

浦野 「Mission 1」「Mission 2」って指し示してくれている。

中川 たどっていけばいいだけだもんね(笑)。

浦野 「Mission 1 お互いにSelf-introduction」というところは本田くんが歌っているんですよ。本田くんは人間味のある人なので、まずはお互いのことを知ったほうがいいだろうし。

本田 (笑)。

浦野 で、そのあとの「Mission 2」のところを歌っている文哉が、“君”をパーティにエスコートするという。

佐野 行動が早いんだよな(笑)。

浦野 でも、文哉はOWVの特攻隊長みたいなところもあるので、リスナーの方々にもスッと入っていく歌詞なんじゃないかな。でも、「はえーよ!」って心の中で思ってくれても全然構わない。

佐野 ライブで「はえーよ!」って掛け声が生まれたらどうしよう(笑)。

浦野 ほかにも1番Aメロの「その瞳にクラクラ」のところで「クラックラー♩」とか、いろいろな掛け声が生まれそうな曲だなと思います。

09. Let Go
(2022年11月発売の7thシングル表題曲)

──「Let Go」は失恋を歌った切ないバラードソングです。

佐野 「Weekend」とのテンションの差がすごいよね。

浦野 たぶん失敗したんだろうな。「Weekend」でのミッションを経て、失恋して、「Let Go」の出だしで「さみしいのは僕だけ?」って……。

佐野 「Weekend」の最後が「今願い込めて 話しかけてみるから」だったのに。

浦野 話しかけにいったんだと思うんですよね。その結果、「Let Go」で「さみしいのは僕だけ? 思い出の街角で Floating」って。たぶんとぼとぼ歩いているんだろうな……。

中川 「思い出の街角」は、きっと「Weekend」で「お互いにSelf-introduction」したところなんだよ。

浦野 でもアルバムを逆から聴けば、「Let Go」で失恋してから「Weekend」で新たな気持ちの切り替えをしたということにもできる。

佐野 失恋しても、やり直せるってことか。

──「Weekend」のようなポップな曲もありつつ、OWVの恋愛ソングは「Let Go」のように基本的には愛が重めで情熱的な印象があります。

中川 あんまり重いやつだとは思われたくないですけど(笑)、そのほうが印象には残る感じがして。

佐野 あとを引く感じがあるよね。

中川 OWVは重めの歌詞のほうが、ラブソングの表現としては合っているのかなと思います。

──「You」あたりからバラード曲をシングル表題曲などで前面に打ち出すようになったと思うのですが、そういうOWVを見ていて、バラードはOWVの1つの武器だと自覚し始めているのかなと感じました。

中川 赤裸々に語ると……。

本田 そうです(笑)。

浦野 バレちゃったか。

中川 バラードのよさに気付いたというのもあって。バラードの失恋ソングって日本人に刺さりやすいというか、共感してもらいやすいと思うんです。「Let Go」のときも、みんなに馴染んでもらえるような表題曲を作りたいという思いで、サビにしっかりメロディラインがあるこの曲を選びました。「Let Go」が皆さんの日常に溶け込んで寄り添うような存在になっていたらうれしいです。

浦野 あと、「Let Go」はRyusei haradaくんが付けてくれたコレオにも注目してほしいです。

本田 Ryuseiくん、すごくいい人なんですよ。

浦野 MVのディレクションまでしてくれて。

中川 そこまでやってくれてびっくりしました。Ryuseiくんは僕らより歳が若いんですけど、すごい人で。そういう意味でも、「Let Go」は得られるものがいっぱいありましたね。

10. Better Day

──アルバムのラストを飾る「Better Day」は、QWVへの思いが込められた、ストレートなメッセージソングです。

本田 最初にデモを聴いたとき、リズムが心地いいなと思ったんですよ。

──リズミカルなピアノの音が印象的ですね。

本田 はい。そういうところで魅力的だなと感じましたし、ライブの最後にぴったりだなと思って選びました。1曲目の「Here&Now」では「これからOWVの道を歩いていくぞ」という思いを提示しているんですけど、「Better Day」は一歩一歩進んでいくイメージがあって。「Here&Now」で未来へと続くページを開いて、「Better Day」を聴きながらQWVとOWVで一緒に道を歩いていけたらいいなという思いがあります。

──「Here&Now」で始まり「Better Day」で終わることで、本当にQWVへの愛を感じるアルバムになっているなと思いました。

中川 それが第一ですね。伝えたい思いとしては。

本田 愛が伝わるアルバムになってほしいですから。

──「Better Day」も歌割りに中川さんが携わっているとのことですが、サビの歌割りを1行ずつ4人で歌い回しているのがいいですね。

中川 「Better Day」に関してはユニゾンのハーモニーのほうが美しいかなと思って、あえてあんまり歌割りを大きく分けませんでした。ライブでQWVに向けて歌うことを想定して作っていきましたね。QWVのみんなに歌ってほしいパートもあるので、そういったリアクションが入ることも意識しました。

OWV

OWV

ボーイズグループ戦国時代に頭角を現していくために

──「JACK POT」は本当にさまざまなジャンルの楽曲が詰まった、挑戦のアルバムになりました。

本田 結成3周年を経てリリースするアルバムということで、今まで触れてこなかったような曲にも挑戦しました。大人の色気を感じる楽曲も多くて。いろんなジャンルの楽曲を、OWVとして表現できたという実感があります。

浦野 1stアルバムには「Slam Dog」というラップ曲がありましたが、今回はスキル的にさらに進化した「DARK STAR」があったり、「PARTY」のアナザーストーリーの「Weekend」があったり。1stアルバムともつながりがありつつ、進化して大きくなった作品だと思います。

佐野 このボーイズグループ戦国時代に頭角を現していくためにも、これからもいろんなジャンルの楽曲を自分たちのものにしていきたいです。僕たちのグループカラーは黒なんですが、黒ってどんな色でも黒に染めることができると思うんです。どんな色の楽曲でも、自分たちのものに昇華できるようなグループになっていきたいです。

中川 今回のアルバムにはさまざまなジャンルの楽曲がありつつ、ファンの皆さんに対する感謝もしっかりと込めさせてもらいました。個人的には今回から制作のディテールの部分に入らせてもらって、思い入れの強い作品になりました。

──歌割りやレコーディングのディレクションなど、今後中川さんが携わる部分が深くなっていくと、より自分たちの色を濃く作品に落とし込んでいけそうですね。

中川 そうですね。メンバーみんなの気持ちを汲んで、より表現しやすくなってくるかなと。これからもスタッフさんと話し合いながら、成長していきたいですし、皆さんにいいものをたくさんお届けできるように努力していきたいです。