ナタリー PowerPush - 乃木坂46
西野七瀬&秋元真夏「真夏、おかえり」で縮んだ2人の距離
センターになるべくしてなったのに謙虚すぎる
──西野さんはこのタイミングで初めてセンターになりましたよね。それによってみんなを引っ張らなきゃいけないといった意識の変化があって、秋元さんとの関係を見つめ直そうと考えたところもあるんでしょうか?
西野 うーん……ちょっとはあったかもしれない。でも私はもともと人をまとめたり引っ張ったりするタイプじゃないし、いまだにセンターになったっていう実感はあまりなくて(笑)。それに乃木坂って毎回センターが変わるんで、この曲では自分の立ち位置が真ん中になったっていう、本当にただそれだけです。
──いやいや、次も西野さんがセンターに立つ可能性だってあるわけですよ?
西野 いやあ、本当に一度きりだと思ってやってるんで。一度きりでいいんですよ。ほかの子も順番でやったほうがいいと思ってるし。
秋元 そう、なーちゃんはずっと「一度きり」だって言ってるんです。私はなーちゃんがセンターになるべくしてなってると思ってるので、そんなに謙虚すぎなくてもいいのになって。
西野 いやいやいや……でも最近自分でも思うんですよ。センターになってから人前で話す機会が増えて、そのたびにマイナスな発言ばかりしていて、自分でもだんだんと「自分、なんなんだ?」って思い始めていて(笑)。ちょっとは変わらなきゃなって考えるようになりました。かといってどう変わればいいのか……急に自信を持ち始めるのも違うし。
秋元 でもそういうところがなーちゃんの魅力なんですよね。
──その意識の変化は、先日の「乃木どこ」でのバンジージャンプにも表れてるんでしょうね。(注:西野は3月放送のテレビ東京系「乃木坂って、どこ?」で、新曲ヒット祈願で香港・マカオタワーからのバンジージャンプに挑戦した)
秋元 私はお母さんと一緒に泣きながら番組を観ました。
西野 ほかのメンバーも番組を観て泣いたって言ってくれました。うれしいんですけど……その涙はちょっと申し訳ないなって。
──あはははは(笑)。そこでも謙虚なんですか!
西野 ブログのコメントでも「勇気をもらいました」って言葉がすごくうれしくて、それを観て飛んでよかったなってすごく思いました。でも……もうイヤですけど(笑)。
初センターで「表題曲がいつもより気になった」
──ニューシングル「気づいたら片想い」についても話を聞かせてください。西野さんは自分がセンターに初めて立つ曲を最初に聴いたとき、どう思いましたか?
西野 すごくいい曲だなって。でも最初に聴いたときは自分に合ってないんじゃないかなと思ってしまったんです。どちらかというと、ななみん(橋本奈々未)、まいやん(白石麻衣)のイメージに合った大人っぽい曲で、しかもめっちゃ恋愛がテーマの歌詞だし。だからちゃんとこの曲のイメージに合うようにがんばっていこうと思いました。
──この曲はPVも印象的な内容で西野さんが死んでしまうというストーリーですが、曲が持つ失恋の切なさとはまた違った切なさがありますよね。
西野 ライブシーンを撮る前に「自分はこのあと死ぬんだ」と気持ちを作り込んで臨みました。実はあのシーンは最初に撮影したんですよ。だからまず「死にたくない……」っていう気持ちを作ってから本番に入ったんですけど、ほかのメンバーも気持ちが入っていてパフォーマンスしながら泣いてるんです。死んじゃう役だからあまり喜んだらいけないのかもしれないけど、演技とはいえ自分のために泣いてもらえるのは本当にうれしかったです。
秋元 なーちゃんの役への入り込み方は本当にすごくて、なーちゃんが倒れてみんなが駆け寄っていくシーンが続くと、「本当になーちゃんは具合が悪くて、もうすぐ死んでしまう」と勘違いしそうになるんです。だから楽屋にいるときも「本当に死んでしまうんじゃ?」と心配になっちゃうんですよ(笑)。
西野 いやいやいや。普通にごはんいっぱい食べてたけど(笑)。
秋元 そこまでの入り込み方があったから、すごく切ないPVになったのかなと思います。
なーちゃんに片思いしてたんですね、私
──西野さんは以前のインタビューで演技をするのもPVを撮影するのも好きだと言ってましたが、そういう意味では今回の撮影はすごくやりがいのあるものだったんじゃないですか?
西野 そうですね。体力的にしんどいこともあったんですけど、すごく楽しかったです。ただ、これは言っておきたいんですけど……今回のPVで、私ばっかり映ってるのがすごく申し訳なくて。
秋元 ほら、こういうことばかり言うんですよ(笑)。
西野 いやいや、本当に言っておきたくて。だって、(和田)まあやとかひなちま(樋口日奈)とかきいちゃん(北野日奈子)とか初めて選抜入りした子のファンの人は、「俺の推しが選抜入りしたから、以前よりもいっぱい映る!」と思ってPVを観るわけじゃないですか。なのに「なんで西野ばっかりなんだよ!」って絶対に思ってるんじゃないかなって……別に誰も悪いわけではないんですけど、今回はたまたまこういうPVだったというのもあって。個人のリップシーン(アップの歌唱シーン)もないし、それがすごく申し訳なく感じてます。しかも、もう1本のPV(「ロマンスのスタート」)もソロショットがなかったので、せめてこっちは1人ひとりワンショットで映すのをやってほしかったなって。これは本当にいろんな人に謝りたいです。
秋元 ……本当にいい子ですよ、なーちゃん。こういうふうに考えてるってことを見てくれてる人はわかってるから、みんな応援してるんだと思います。
──西野さんは本当にすごい人ですね。こういう考え方のセンターって今までにないと思いますよ。
西野 すごくないですよ。自分がセンターじゃなくて3列目だったとしたら、「自分、全然映ってないな」とか思っちゃうんです。1列目も2列目も3列目も全部経験してきたから、今は常に後ろも意識して「ちゃんと見えてる?」ってなるべく聞くようにしてます。
秋元 本当にそうなんです。よくなーちゃんが後ろを向いて言ってるの、見ますし。負けず嫌いなのに、そうやって他人のことを考えられるっていうのが本当にすごいと思います。
──こうやっていろいろ話を聞いて、ふと思ったんですけど……秋元さんが西野さんに対して距離を縮めようといろいろしてたことって、「気づいたら片想い」っていう曲のテーマにすごく一致するなと(笑)。
秋元 あーっ、確かに! じゃあなーちゃんに片思いしてたんですね、私(笑)。
- ニューシングル「気づいたら片想い」 / 2014年4月2日発売 / Sony Music Labels
- Type-A [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8450~1
- Type-B [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8452~3
- Type-C [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8454~5
- 通常盤 [CD] / 1050円 / SRCL-8456
Type-A CD収録曲
- 気づいたら片想い
- ロマンスのスタート
- 吐息のメソッド
- 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
- ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
- 吐息のメソッド ~off vocal ver.~
Type-B CD収録曲
- 気づいたら片想い
- ロマンスのスタート
- 孤独兄弟
- 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
- ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
- 孤独兄弟 ~off vocal ver.~
Type-C CD収録曲
- 気づいたら片想い
- ロマンスのスタート
- 生まれたままで
- 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
- ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
- 生まれたままで ~off vocal ver.~
通常盤 CD収録曲
- 気づいたら片想い
- ロマンスのスタート
- ダンケシェーン
- 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
- ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
- ダンケシェーン ~off vocal ver.~
乃木坂46 (のぎざかふぉーてぃしっくす)
2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から7thシングル「バレッタ」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。2013年5月には2期生が加入し、2014年3月末現在計42名で活動している。また2013年10月には国立代々木競技場第一体育館、同年12月には日本武道館、翌2014年2月には横浜アリーナで単独ライブを行い、大成功を収めた。同年4月に8thシングル「気づいたら片想い」をリリースする。
2014年4月1日更新