曲に身体を委ねてシャウト

──「Everybody say yeah」はアルバムの中でも異彩を放ってますね。オリジナル曲としては初のロック調です。

これはもう、みんながライブでワーッと盛り上がれるようにっていう気持ちで書きました。最初にデモを聴いたときにギターとかドラムの感じを想像したら……比べていいのかわかんないけど、忌野清志郎さんっぽさがあるなあと思って。新しく吸収できるものがたくさんある気がしました。

──王道のロックンロールという感じがありますよね。

そう、昔ながらの。初めてコーラス隊の方と一緒にレコーディングしたんですけど、同じ部屋で私も含めて5人で一斉に歌ったんです。それがまたかなりテンションが上がって。楽しかったです。別々の部屋で録ってたら、こんな雰囲気はまったく出なかったと思う。

──後半のシャウトは自分からやってみようと思ったんですか？

初めに録ったときはシャウトしてなかったんですけど、やっぱり最後は思いっきりシャウトしたほうがいいよねって話になって。実際私もやりたかったから、「ありったけの愛」（THEATRE BROOKカバー）でシャウトしたときと同じ感覚で、自分の身体を委ねて思うままにやってみました。この曲でワーッと盛り上がったあとにしっとりした「午後3時」につながるのは、聴いてる人の心にスーッと入っていける流れなんじゃないかなと思います。

最近やたらと村八分を聴いてる

──いよいよ高校を卒業されるわけですが、今の心境はいかがですか？

……いろんなことをがんばろうと思います、単純に（笑）。

──もう制服を着なくなる寂しさとかはあります？

制服よりかは、完全に学校っていう枠から出るんだっていうことがすごい……「私どうなるんだろう」っていう感じ。今まで何よりも学校生活が頭の半分以上を占めてたから、それがいきなり消えると思うと不思議。でも、卒業することでついに殻を破るというか、もっと自分を出しやすくなったりもするのかなあと思います。

──詩織さんは学校生活の中で感じたことを曲にしてきましたが、創作の源泉にあたるものがなくなることに対する不安はありますか？

不安よりは楽しみのほうが大きいです、今は。もっといろんな視点で歌詞を書いてみたいなあって思ってるから、それが楽しみ。時間ができるぶん、たくさん曲を作っていきたいと思います。

──わかりました。では最後に、最近気になってるアーティストを教えてください。

えっと……最近やたらと、村八分を聴いてて。

──へえ！ 村八分は何がきっかけで聴き出したんですか？

お父さんが村八分のギターの人をほんとに好きで、「詩織も聴け」ってCDを渡されたんです。それで「あっ、カッコいい！」と思って。なんだか自然に笑えてくるというか、自然に気持ちがパッと晴れるんですよね。