ナタリー PowerPush - 新山詩織

「前に進みたい」卒業前の素直な気持ち

初めての一発OK

──詩織さん版の「ピアノ」は、アコギの音色が入ることでオリジナルよりも柔らかいイメージになりましたね。

この曲をやると決まったとき、エレキ主体のバンドでやるのもいいけど、自分の声質的にも雰囲気的にもアコギが入ったほうがいいんじゃないかっていうお話があって。それで今回アコースティック風のアレンジになりました。原曲とはまた違ったカッコよさが出たと思うので、(The Birthdayの)ファンの人にも新しい気持ちで聴いてもらえたらいいなあと思います。

──アコギを弾いているのは詩織さん?

そうです。ライブではきっとギターソロも弾きます。今ひたすら練習してるんですけど、この前家のアンプが壊れちゃったから、お年玉で買いました(笑)。

──そうなんですね(笑)。ところで、チバさんが歌う曲は彼のボーカルが重要な要素を担っていると思うのですが、カバーすることへのプレッシャーはなかったですか?

最初はいちファンとして「どうなってしまうんだろう」っていう不安はあったけど、歌うときにはむしろその逆で、「今まで聴いてきた歌がどう生まれ変わるんだろう」っていう今までにないワクワク感に変わりました。レコーディングではほんと天に捧げるじゃないけど、その一心で歌ったら一発目でOKが出て。1テイクで決まるのは初めてだったので、かなり集中してたんだと思います。

──原曲ファンの反応は気になりますか?

うーん……。The Birthdayのファンにとっても「ピアノ」は大切な曲だと思うし、しかもアコギメインのアレンジで男性じゃなくて女性が歌うっていうのもあるから、きっといい意味でも悪い意味でも引っかかる人はたくさんいるんじゃないかなあとは思うけど。でもどうしてもこの曲を歌いたかったから、何を言われてもいいです。この曲を通して、自分の大好きなチバユウスケさんっていう人物を新たに知る人もたくさんいると思うし。自分はチバさんと出会ったことで、チバさんのルーツを掘っていっていろんな音楽を知れたから、同じようにこの曲を聴いた人もいろいろ音楽を掘っていってもらえたらいいなと思います。

学生じゃない新山詩織を観てもらいたい

──昨年末の新潟でのワンマンライブはいかがでした?

お客さんも運営スタッフさんもみんなあったかく迎えてくれて、ライブの雰囲気もすごいよかったです。「イージュー★ライダー」のカバーはここで初めてやりました。あと、クリスマスが近かったので「赤鼻のトナカイ」を英語バージョンで。タンバリン持って(笑)。フェスとかイベントでは2、30分っていう短い時間だけどワンマンだと2時間くらいあるので、どうやったらお客さんをもっと楽しませられるか、引き込めるかを考えるきっかけになったライブだったと思います。4月のワンマンライブに向けてすごく大きな経験になりました。

──学ぶことの多いライブだったんですね。

そうですね。それに4月のワンマンではもう高校を卒業して学生じゃない私がいるから、そのときにはちゃんと“新山詩織”っていう1人のシンガーとして観てもらえるようにがんばりたいっていうのが、課題としても目標としても出てきました。

──今まで「女子高生シンガーソングライター」というふうに紹介されることが多かったと思うんですが、そういったワードに反応してただ好奇心で見てる人もいるんじゃないかっていう気持ちがあるということですか?

うん……。やっぱり少しはあります。今まではたぶん、高校生っていう面で興味を持ってくれた人もたくさんいたと思う。

──ある意味定着していたそのイメージがなくなるというのは、けっこう大きなターニングポイントになりそうですね。

卒業したからといって何かが今までと大きく変わるとかそういうことはないけど、気分一新というか、新しい気持ちにはなると思います。でも初心も忘れずに、今までやってきた経験を無駄にしないように全部自分のものにして、それを曲として出していきたいです。ゆっくりでも前に進んでいこうと思います。

──大学に進学するかどうかで迷ったりしませんでした?

あ、それはもうはっきり、私は(大学に)行かないって決めてて。親ともちゃんと話しました。先生には大学を勧められてはいたんですけど、たぶん学びたいこととか目標もなく曖昧なままで入っても、すぐ前と同じように「学校に行きたくない」ってなるだろうなあと思って。目標がないと何もできないほうだから、進学はしないっていうふうに決めました。それに今までできなかったこととか、やってみたいこととかもいっぱいあるから。

──やってみたいことって?

曲作りとか作詞の面で、いろいろ挑戦してみたい。やっぱり学校と音楽活動の両立は限界があったけど、片方はぽっかり空くと思うので。ここで新たに1から見直してみたいと思います。

──卒業後が楽しみですね。

そうですね。きっと卒業まであっという間なんだろうな(笑)。

ニューシングル「今 ここにいる」 / 2014年2月12日発売 / ビーイング
初回限定盤 [CD+DVD] / 1365円 / JBCZ-6005
通常盤 [CD] / 1050円 / JBCZ-6006
CD収録曲
  1. 今 ここにいる
  2. ピアノ
  3. 今 ここにいる -instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
  • 「今 ここにいる」MUSIC CLIP
1stライブツアー「しおりごと」
2014年4月20日(日)大阪府 Shangri-La
OPEN 17:00 / START 17:30
2014年4月26日(土)東京都 WWW
OPEN 17:30 / START 18:00
イベント出演情報
Melody of You
2014年2月16日(日)東京都 TSUTAYA O-WEST
OPEN 17:30 / START 18:00
つしまみれ×FLiP×新山詩織
2014年3月15日(土)福岡県 Queblick
OPEN 17:30 / START 18:00
HAPPY JACK 2014
2014年3月16日(日)熊本県 熊本市内
※新山詩織の出演時間、会場は後日発表。
MbS×I ♡ RADIO 786「SANUKI ROCK COLOSSEUM」 ~BUSTA CUP 5th round~
2014年3月21日(金・祝)香川県 高松市内
※新山詩織の出演時間、会場は後日発表。
新山詩織(にいやましおり)

1996年生まれのシンガーソングライター。幼少期より父親の影響でブルース、パンク、ロックを聴いて育つ。2012年、ビーイング主催の新人発掘オーディション「Treasure Hunt ~ビーイングオーディション2012~」に「詩織」名義で出場。オリジナル曲「だからさ」と椎名林檎「丸の内サディスティック」を弾き語りで披露してグランプリを獲得する。同年12月、新山詩織としてアーティストデビュー。2013年4月に笹路正徳をサウンドプロデューサーに迎えたメジャー1stシングル「ゆれるユレル」をリリースし、7月には映画「絶叫学級」の主題歌として書き下ろした「Don't Cry」を2ndシングルとして発表した。2014年2月、女子スキージャンプの髙梨沙羅が出演する株式会社クラレの企業CMソングに採用された4thシングル「今 ここにいる」をリリースする。