音楽ナタリー PowerPush - ムック

「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」強敵と戦い続けた半年の軌跡

Episode 5THE END OF THE WORLD

──Episode 5はアルバム「THE END OF THE WORLD」の楽曲をストイックに披露していくツアーでしたが、対バンツアーのモードから切り替える大変さはありましたか?

ミヤ いや、俺はあんまりありませんでした。ただ「THE END OF THE WORLD」の曲を生で再現していくのに最初は違和感を感じましたね。徐々になじんでいってる感じはありましたけど。

逹瑯 俺は早くアルバムの曲をライブでやりたかったからうれしかった。「やっときた!」っていう。ただ、感覚がつかめてきたところでツアーが終わっちゃった感じはあります。

──消化不良な部分があった?

逹瑯 そうですね。ライブの流れも仕上がって、曲がもう少しで化けそうな気がするってところで終わっちゃったんで。アルバムツアーをまたやってくれって声もありますけど。

YUKKE(B)(撮影:木村泰之)

YUKKE ツアーとしては短かったんですけど、新しい曲をやるのがひさしぶりだったんですごく新鮮な気持ちで回ってましたね。Episode 4までの経験値で、ライブの見せ方とか曲によっての演出とかも以前よりは早くなじんでた気がします。

──それまでのツアーとは一転して、いろんなところで演出が入ってましたよね。オープニングでは紗幕を使ってドラマチックに見せたり。普段ムックはどういう形で演出を作っていくんですか?

ミヤ 曲のイメージに合わせて、演出のアイデアを出すのは俺ですね。

Episode 6ARMAGEDDON

──さて「ARMAGEDDON」は現在進行形ですが、2公演終えてみてどうですか?(取材は8月上旬に実施)

8月9日に新木場STUDIO COASTにて行われたライブシリーズ「SIX NINE WARS-ぼくらの七ヶ月間戦争- Episode 6.『ARMAGEDDON』」の東京公演の様子。(撮影:木村泰之)

ミヤ やっぱり面白いですね。「VS」のときはヴィジュアル系じゃないバンドに絞って、「TRIANGLE」の対バン相手はヴィジュアル系って決めてたんですけど、「ARMAGEDDON」はジャンルは関係ない。ただ自分たちが勝負したいバンドってのが基準なんで。

──「ARMAGEDDON」の場合はそれぞれ持ち時間が70分ずつだそうで、かなりボリュームがありますよね。

ミヤ 俺らの場合、ワンマンってだいたい17曲くらいなんですけど、今回70分で14曲くらいやってるんですよね。相手にもその時間をしっかりやってもらってるし、ガチンコでお客さんも楽しんでもらえる気がしてます。

逹瑯 まあ、強敵ぞろいなんで(笑)。全力でぶつかっていくのが続くので、ここが一番の正念場って気がしてますね。

──ツアー中で唯一の野外会場もありますね(※8月24日の大阪・大阪城野外音楽堂公演。対バン相手はゴールデンボンバー)。野外でやるのと屋内で感覚は違いますか?

逹瑯 外でやるのは気持ちいいですよね。やっぱり開放的だし。ただ雨降るのはイヤですね。雨は雨で雰囲気がいいんですけど、樽美酒(研二)のメイクが心配ですね(笑)。落ちないと思いますけど……。

Final EpisodeTHE END

──Final Episodeのタイトル「THE END」は誰が付けたんですか?

ミヤ 俺ですね。長くやってきたから、その締めくくりの意味もあるし。あと、17年バンドが続いていること自体が奇跡なんですよ。解散っていうか、終わりを意識したほうがいいのかなって思って、それでこのタイトルを付けたのはありますね。

──でもムックは17年以上続いているわけですよね。どうして続いているんだと思いますか?

ミヤ わからないですね。ただ終わるにしても、理由があって終わったほうがいいとは思ってます。誰かが事故で死んだり、病気になったり、終わらなくちゃいけなくなって終わるのだけはイヤですね。自分たちの意志で終わるほうがいい。あと“終わり”っていう意味のタイトルに対して、何を思い浮かべるかっていったらその“次”だと思うんですよ。

──今おっしゃった“次”は9月23日が終わってから見えてくる感じでしょうか。

ミヤ そうですね。終わってみないとって感じですね。3月からずっとやってるし、しっかり終わりたい。年内のワンマンはこれが最後でしょうし。

──最後に代々木公演に向けてひと言ずついただけますか?

逹瑯 いろんなところで言ってるんですけど、迷ってるなら行動したほうがいいよね。行動しないで後悔するより、行動して後悔したほうがいいから。行動して後悔させるようなことはしないんで。

ミヤ なんだかんだで長いツアーをやってきてるんで、何かが壊れてるというか、麻痺してる感覚があるんですよ。それが悪い方向にいかなきゃいいなって。しばらくはライブをやりたくないとか、燃え尽きたとか思いたくないんで。ちゃんと次が見えるような形だといいですね。

YUKKE 2年くらいずっと代々木を意識してやってきたんで、最後をちゃんと締めくくりたいですね。やりがいのある半年だったので、最後にふさわしいライブができるといいなって。

SATOち ずっと走り続けてきたので、最後に思いっきりぶつけられたらいいですね!

8月9日に新木場STUDIO COASTにて行われたライブシリーズ「SIX NINE WARS-ぼくらの七ヶ月間戦争- Episode 6.『ARMAGEDDON』」の東京公演の様子。(撮影:木村泰之)
SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Final Episode「THE END」
2014年9月23日(火・祝)
東京都 国立代々木競技場第一体育館
OPEN 16:00 / START 17:00
ニューシングル「故に、摩天楼」 / 2014年9月10日発売 / Sony Music Associated Records
初回限定盤 [CD+DVD] / 1620円 / AICL-2724~5
通常盤 [CD] / 1296円 / AICL-2726
ニューアルバム「THE END OF THE WORLD」 / 2014年6月25日発売 / Sony Music Associated Records
ニューアルバム「THE END OF THE WORLD」初回限定盤
初回限定盤 [CD+DVD] / 3900円 / AICL-2683~4
通常盤 [CD] / 3100円 / AICL-2685
ムック

ムック

1997年に茨城で結成された4人組ロックバンド。日本語にこだわった文学性の強い歌詞と、従来のヴィジュアル系サウンドに欧米ヘヴィ / ラウドロックからの影響をミックスした独自の音楽性が高く評価されている 。海外でもライブ活動を行っており、2008年には海外バンドと北米、ヨーロッパ、日本を回る大規模なツアー「Rockstar Taste Of Chaos 2008」に参加した。2012年6月に幕張メッセで結成15周年ライブ「MUCC vs ムック vs MUCC」を開催。2013年に入ってからは「HALO」「World's End」という2枚のシングルをリリースした。2014年5月にはシングル「ENDER ENDER」を、6月にはアルバム「THE END OF THE WORLD」を発表。また2014年3月より7カ月にわたる大規模なライブシリーズ「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」を開催している。