音楽ナタリー PowerPush - ムック
「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」強敵と戦い続けた半年の軌跡
今年3月から開幕したムック企画のライブシリーズ「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」が、来月でいよいよファイナルを迎える。計6本のツアーと、唯一のアリーナ会場となる東京・国立代々木競技場第一体育館公演で構成されるこのシリーズは、バンドのキャリア史上もっともハードかつ多彩なライブ企画だ。
今回ナタリーではメンバー4人にインタビューを実施し、これまでの「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」の日々を振り返ってもらうとともに、ファイナルを飾る「THE END」への思いを明かしてもらった。
取材・文 / 中野明子
“強敵”を倒さないと代々木には立てない
──今年の3月から始まったライブシリーズ「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」も残すところわずかですが、そもそもどうしてこのような企画ライブを行うことになったんですか?
YUKKE(B) 一昨年、結成15周年のときに幕張メッセでやったあとずっと代々木(※国立代々木競技場第一体育館)でライブをしたいとは話してて。で、まず今年の9月に会場が確保できたんですね。幕張のときは直前のライブの本数を減らしてたんですけど、今回は逆にものすごい数のライブをやるのはどう? それも長期間にわたってツアーをやって、そのファイナルで代々木でやるのがいいねってメンバー間でなって。いろいろアイデアを出していった結果、コンセプトの違うツアーを6個、計55本のライブをやることになったんです。それは自分たちが飽きないためでもあるし、お客さんに楽しんでもらうためでもあるし。最初は本当にこの本数をできるのかなって思ったんですけど、それくらいの“強敵”を倒さないと代々木には立てない気がして。
──具体的にはいつからツアーに向けて動き出したんですか?
逹瑯(Vo) 去年の秋ぐらいか? だから半年間のツアーやろうって決めたのに、スタートまで半年切ってるような状況だったんですよね。そこから小屋押さえたりして。だから今回のツアーはところどころで無茶な移動行程もあるんですよ。思い付きと瞬発力でやるような内容じゃないですよ、本当は(笑)。
Episode 1ムッP LIVES
──さて、ここからは各ツアーを振り返っていきたいんですが、Episode 1は皆さんがそれぞれプロデュースする公演が2日ずつありましたね。
逹瑯 当然のことですけど、メンバーのキャラクターが色濃く出ましたね。俺の場合は歌モノを中心に考えてセットリストを作って。ただ3月って一番大変な時期で。新作のレコーディングもやってたからリハの時間も限られてて、しかも全員違うセットリストを考えるから演奏した曲数が多くて練習が大変だった。ただEpisode 1のために、過去の曲から最近の曲までバーっとおさらいしたから、そのあとに応用が利いたというか。Episode 2以降が楽でしたね。
YUKKE Episode 1は“今、ムックがやるべきセットリストでライブをする”ということは意識せず、それぞれ自由に考えて作ったから偏ってて。そのかけ離れた感じが面白かったな。自分のときは映像を入れてみたり、最近やってない曲を混ぜ込んだり。結果的に自分で作った曲やベース始まりの曲が多くなりましたね。
ミヤ(G) 俺は自分のプロデュースした日はあんま印象に残ってなくて。ほかの3人の公演のほうが大変でした。各メンバーの公演で思ったことなんですけど、やっぱね“締まらない”んですよ。1人ひとりのアイデアだけでライブを作っていくと、要素としてどこか足らない。それを楽しむ企画だったと思います。
SATOち(Dr) 俺のプロデュースの日は、風船が楽しかったですね(笑)。お客さんとメンバーでわいわい遊んで。
逹瑯 言っときますけど、風船ってでっかい風船ですよ。LIQUIDROOMに放つにはありえない大きさの。
SATOち それを放てて楽しかったです。セットリストは激しい感じで。
YUKKE SATOちはそうでしたね。あまり起承転結がなかった。
ミヤ 俺は起承転結がないライブはライブじゃないって思ってるんだけど、SATOちは起承転結を作らないことがテーマだった。それは普段のムックのライブだったら絶対やらないし。そういった意味ではEpisode 1はコアファン向けの要素が強かったんですよ。普段やらなそうなことをやってお客さんに楽しんでもらうツアーでしたね。
YUKKE まあツアーの序盤にしかできないですよね。Episode 3とかでやったら唐突だし、流れも変わっちゃうし。「これからいってきます」的な挨拶のようなツアーでした。
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- SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Final Episode「THE END」
- 2014年9月23日(火・祝)
東京都 国立代々木競技場第一体育館
OPEN 16:00 / START 17:00
- ニューシングル「故に、摩天楼」 / 2014年9月10日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1620円 / AICL-2724~5
- 通常盤 [CD] / 1296円 / AICL-2726
- ニューアルバム「THE END OF THE WORLD」 / 2014年6月25日発売 / Sony Music Associated Records
- ニューアルバム「THE END OF THE WORLD」初回限定盤
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3900円 / AICL-2683~4
- 通常盤 [CD] / 3100円 / AICL-2685
ムック
1997年に茨城で結成された4人組ロックバンド。日本語にこだわった文学性の強い歌詞と、従来のヴィジュアル系サウンドに欧米ヘヴィ / ラウドロックからの影響をミックスした独自の音楽性が高く評価されている 。海外でもライブ活動を行っており、2008年には海外バンドと北米、ヨーロッパ、日本を回る大規模なツアー「Rockstar Taste Of Chaos 2008」に参加した。2012年6月に幕張メッセで結成15周年ライブ「MUCC vs ムック vs MUCC」を開催。2013年に入ってからは「HALO」「World's End」という2枚のシングルをリリースした。2014年5月にはシングル「ENDER ENDER」を、6月にはアルバム「THE END OF THE WORLD」を発表。また2014年3月より7カ月にわたる大規模なライブシリーズ「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」を開催している。