ももいろクローバーZ|大人になった今だからこそ歌える14曲

お腹がよじれるくらい笑った「令和ニッポン万歳!」

──佐々木さんにとっての印象深い曲は?

佐々木 私は「Re:Story」です。去年配信リリースした曲なので、何回もライブでやっているし、“新曲感”はあまりないかもしれないですけど、ふと聴きたくなる曲なんです。私たちはリハとかで何回も自分たちの曲を聴くので、移動中にももクロの曲を聴くことはあまりないんですが、「Re:Story」は心を休めたいときに急に頭に流れてきます。今までそういう曲はなかったので、すごく新鮮で好きな曲です。

──百田さんはどうでしょう?

百田夏菜子

百田 じゃあ、私は「ももクロの令和ニッポン万歳!」で! これは「ももクロのニッポン万歳!」をリニューアルした曲なんですが、前回はいただいた曲を一生懸命歌うことに精一杯だったのに対して、今回は打ち合わせから関わらせてもらったんです。各都道府県について私たちが適当に話したことを、前山田さん(ヒャダインこと前山田健一)が全部曲にしてくれて。「青春ツアー」で47都道府県を回ったし、10年間でいろんなところに行った思い出が詰まっています。前は飛行機で各地を移動するという曲だったんですけど、今回は電車や車で全国を回っているんです。地方ごとに担当を分けずに、全部の地域を4人で歌っているのも前回と違うところですね。

──前回の曲の終わりにあった東北パートで始まり、ラストは全国に対する歌詞で締めくくられるというのも粋な構成ですね。

百田 今までの私たちが詰め込まれているので、早くモノノフさんに聴いてもらいたいです。仮歌が届いたとき、お腹がよじれるくらい笑ったんですよ。高城のパートとかほとんどふざけてますからね。高城のパートに当たった地域には申し訳ないくらい。

高城 ホントに申し訳ないと思う(笑)。

百田 まず、広島に謝っておいたほうがいいんじゃない?

高城 そうね。あと沖縄と北海道も(笑)。

──タイトルや歌詞にさっそく「令和」と入っているのも、ももクロらしくていいですね。

百田 もともと入ってなかったんですけど、急遽あとから録り直したんです。うちら、あやかるのは得意なので(笑)。

玉井 でも、ちょっと遅いんだよね(笑)。やっぱりゴールデンボンバーさんみたいに、元号が発表された瞬間に出さないと。

高城 レコーディングのときは、「曲に『令和』って入れるの、うちらが最初なんじゃない?」と思ってたんですよ。甘かったですね(笑)。

ビュッフェみたいなアルバム

──10曲目の「レディ・メイ」はGLIM SPANKYが手がけたナンバーで、CHAIによる「MORE WE DO!」にしろ、ももクロ側に寄せていない提供アーティストの色が全面に出た曲を歌えるようになったのも、4人が大人になった証だと思います。

ももいろクローバーZ

玉井 全曲に“ショー”というキーワードが共通しているんですけど、今までのアルバムみたいに強いコンセプトが設けられているわけじゃないんです。だからこそ、これまでとは違ういろんな楽曲に挑戦できたのかなと思います。

佐々木 1曲1曲の個性がすごくしっかりしているよね。

百田 ももクロらしいアルバムだよね。「全部集めちゃいました!」っていう。

玉井 ビュッフェみたいな(笑)。

高城 ライブで披露するのがすごく楽しみです。

──劇的に曲が展開されていく8曲目の「華麗なる復讐」など、ライブだとどう表現されるんでしょうか。

高城 あー、楽しみですねー!

百田 ヤバそう(笑)。

佐々木 想像が付かないね。

高城 でも、カッコよくなるんじゃないかな。

玉井 今までも「この曲ライブでできるのかな……?」っていう曲ばかりだったもんね。

高城 今となってはそういう曲がライブで盛り上がる曲になっているので、「華麗なる復讐」もみんなにとって大事な曲になったらいいなと思います。

11年間のももクロの物語が詰め込まれている

──アルバムの初回限定盤Bの特典CDには、新たにレコーディング、ミックスした既存曲の「ZZ ver.」が計10曲収録されます。初期から歌っている曲を改めてレコーディングするのはどんな気分でしたか?

玉井詩織

玉井 歌い慣れているはずなんですけど、改めてレコーディングブースに入ると緊張しちゃう(笑)。

高城 わかるー。

百田 新曲より難しかったです。

──それはどうしてだと思います?

百田 うーん、今もなんですけど、昔はもっと歌が苦手で。わけがわからないまま歌ってたとき、とにかく歌うだけで必死だった時期の曲って何回歌っても難しいんです。今は昔よりもらった曲について理解できているし、もしこの10曲が新曲だったらまた違うと思うんですよ。ずっとライブで歌ってきた経験があるからこそ、改めてレコーディングするのは難しかったです。

──ほかの皆さんもそうでした?

佐々木 どうしても昔の歌い方になっちゃうんですよ。

高城 ライブで歌うのに慣れちゃっているので、レコーディングブースに入って自分の声を聴きながら歌うのはすごく変な気持ちでした。ライブ中の自分を思い浮かべながら録りました。

──歌で魅せることをテーマにした昨年の「ももいろクリスマス」で、玉井さんは歌について「今も楽しいなと思う反面、やっぱりコンプレックスなところがある」と語っていました(参照:ももクロ、DIAMOND PHILHARMONY迎え歌で魅せた平成最後の「ももクリ」)。ももクロの歌に対する挑戦はこの先も続いていくと思うのですが、そのことについてはどう捉えていますか?

佐々木 やっぱり、それはずっと付いて回るものなんじゃないですかね(笑)。

玉井 でも、歌を楽しいと思えるようにはなってきたよね。カラオケに行きたいと思うようになったし(笑)。

佐々木 昔はホントにレコーディングが憂鬱だったもんね。私も昔より歌が好きになりました。

──では、最後に高城さんから読者にアルバムのアピールをお願いします。

高城 中身はこんなだし、楽屋では相変わらずな私たちですけど、成長するところは成長して、大人になっている私たちが形になった1枚だと思います。11年間のももクロの物語が詰め込まれているし、聴いている人もそれぞれが人生の主役だということを実感してもらって、1曲1曲を好きになってもらえばいいなと思います。歌詞にたくさん注目してください!

ももいろクローバーZ