ももいろクローバーZが5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」をリリースした。
結成11周年の記念日にセルフタイトル作として発売された本作には、昨年8月より連続配信リリースされた5曲に加え、新曲8曲とボーナストラック1曲を収録。ラップで構成されたポップチューン「The Diamond Four」、CHAIが手がけた「MORE WE DO!」、GLIM SPANKYの提供曲「レディ・メイ」、ご当地応援ソング「ももクロのニッポン万歳!」をリメイクした「ももクロの令和ニッポン万歳!」など“ショー”をイメージさせるバラエティ豊かな楽曲を通して、“大人になったももクロ”を感じることができる。音楽ナタリーではアルバムの収録曲の話題を中心に、メンバー4人に話を聞いた。
取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 塚原孝顕
いろんなことがありすぎて、時間軸がわからなくなる
──早いもので、結成10周年を記念したベストアルバム「桃も十、番茶も出花」の発売、東京・東京ドームでのワンマンライブから約1年が経ちました。この期間にもさまざまなことがあったと思いますが、振り返ってみていかがですか?
高城れに 「青春ツアー」(2017年4月から2018年12月まで行われた47都道府県ツアー「ももいろクローバーZ ジャパンツアー『青春』」)を開催している期間は、時間が過ぎるのがホントにあっという間でした。毎週末ライブをやっていたんですけど、すぐに週末が来ちゃって。歳をとるごとに時間が過ぎるのが早くなっている気がします。この間、黒部市でやった「春一」(春の恒例大型ライブ「ももクロ春の一大事」)のときも、「東近江で開催した前回からもう1年経ったんだ!」と驚きました。
佐々木彩夏 この1年でたくさんライブをやったなという印象です。どの月を思い返しても何かしらのライブの思い出があって。ライブを軸に私たちの時間が進んでいると思います。
──夏や冬の恒例の大型ライブ以外にも、初のミュージカルやスターダストの女性アイドルグループが一堂に会する「夏S」などもありました(参照:ももクロ初のミュージカル明日から上演「いつもと違うももクロも観れる」 / ももクロ10周年をみんなでお祝い!スタプラアイドル全12組が輝き放った「夏S」)。
百田夏菜子 あー、「夏S」もこの1年の出来事か!
玉井詩織 8月からは今回のアルバムに向けた新曲の連続配信企画があって、4人としての曲もたくさん増えてきました。モノノフさん(ももクロファンの呼称)も新しく好きな曲ができたと思うし、私たちも曲の感想を聞ける機会も多かったので、楽しくて充実した1年でした。
──百田さんはこの1年を振り返ってみて、何か感じることはありますか?
百田 10周年ということでいろんなことが重なって、ホントにバタバタしていました。節目の年って前後にもいろいろあって、10周年を迎えるまでの期間も、迎えたあともいろんなものとコラボさせていただいて、こんなにいっぱいお祝いしてもらえるんだなと思いました。だから、時間軸がわからなくなる感覚がありましたね。今朝やった仕事が昔のことのように感じることもあるし、1週間だけでもすごく濃いので。1年の中でいろいろなことができるんだなと実感しました。
──高城さんが言っていたように、昔より時間の感覚は早くなりました?
百田 そうですね。
玉井 あっという間に1週間経っちゃう感じ。
佐々木 小学生のときは、「まだ8月かよ!」みたいに思ってたのに(笑)。
高城 ね! 思ってた。学生の頃は曜日感覚があったので自分の中でサイクルができていたけど、高校を卒業してからは余計に今がいつなのかわからない。
和室のときは一緒に泊まろう協定
──今回のアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」は“大人になったももクロ”が1つのテーマになっていると聞きました。メンバー同士で「大人になった」と感じることはありますか?
百田 会話で美容の話題が増えてきましたね。オススメの美容法や、メイク道具、化粧水とか。今までは化粧水を塗るか塗らないかの話だったのに、「どこの化粧水を使ってる?」という会話になったのは、私たちが少し大人になったからなのかなと思います。ちょっとOLさんみたい(笑)。
玉井 どこかに行ったときのお土産もお菓子とか食べものだったのが、メイクのグッズになったり。
佐々木 10代から20代って一番変わる時期じゃないですか、見た目も中身も。お互いに変化しながら、その10年間を一緒に過ごしてきたのはすごく大きいことだと思います。でも、お互いに変わらないところもたくさんあって。
──まだまだ子供っぽいなと思うところも?
玉井 お菓子や食べものに釣られるところですね(笑)。スタッフさんから「タピオカ買ってくるよ」と言われると、みんな「イエーイ!」って(笑)。
佐々木 この間も1日仕事して、疲れて楽屋のドアを開けたらタピオカが置いてあって、「きゃー!」って手を取り合って喜びました(笑)。
百田 「タピオカがあるー!」って(笑)。
高城 遊ぶ内容も子供だよね。最近なぞなぞにハマってたり。なかなか大人同士でなぞなぞをやらないじゃないですか(笑)。
玉井 れにちゃんがラジオのクイズ番組に出たのがきっかけでハマったんです。
百田 あと、この間それぞれ1人部屋に泊まったとき、れにちゃんが怖くなっちゃったみたいで。
高城 和室の部屋だったんですよ……。一切触ってないのに急にテレビの画面が消えて。もともと和室が得意ではないんですけど、余計に怖くなっちゃって、マネージャーさんに電話して部屋まで来てもらって、いろいろ調べてもらったらタイマー設定のせいだったんです。
玉井 それだけで大号泣してたらしいですよ。
高城 パニックになって眠れなくなっちゃって。
百田 “ホテルで寝れない問題”はひさしぶりでした。玉井さんはもう克服済みなので。
玉井 でも、れにちゃんと「和室のときは一緒の部屋に泊まろう」という協定を結びました。私たち、ホラー映画とかを観るのが好きなんですよ。
高城 観たあとに後悔するタイプ。
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見えてきたよね、30歳