見えてきたよね、30歳
──3月にスターダストのお姉さんユニットである・S★スパイシーのラストライブにサプライズで登場した際、30歳の栗田萌さんに対して百田さんは「30歳になってもアイドルをやってるのカッコいいです」と話していましたね(参照:10周年のS★スパイシー、新曲ありサプライズゲストありの“お祭り騒ぎ”ラストライブ)。このままいくと、今年26歳になる最年長の高城さんを筆頭に、ももクロもリアルにその年齢に近付いていくわけですが。
玉井 見えてきたよね、30歳。
高城 もう4人中、2人がアラサーですから。
百田 いや、私は今年25歳だからまだだよ。
玉井 アラサーって26歳からじゃない? 私はまだ30歳まで6年もある。
高城 みんな都合よすぎでしょ! そんなこと言ってられないよ、実質みんなアラサーだよ!
佐々木 それはないよ!(笑)
──これからはもっと時間の感覚が早くなると思います。正直、歳をとることに対して不安はありますか?
百田 想像していた20代とは違うんですけど、歳をとることは楽しみです。
──20代はもっと大人だと思ってました?
佐々木 噂には聞いてたんですよ。「20代になっても、あまり変わらないよ」って。小さい頃は「早く20歳になりたい」と思ってたけど、なってみたら「ホントに何も変わらないんだな」と思いました。
高城 あの噂はホントだった。
──30歳も変わらないと思いますよ。ももクロの4人は特に。
佐々木 早く40歳になりたい。
──それはどうして?
佐々木 30歳ってリアルすぎて(笑)。ひと波越えたママみたいな存在になりたいです。
百田 私は最近、同い年の友達に「まったく変わらないのはなんで?」って聞かれて(笑)。
高城 こっちが聞きたいくらいだよね。
百田 「全然大人っぽくならないよね?」って。「それはいいことなのかな? 悪いことなのかな?」と思いつつ、友達がそう言うくらいだから、世間の人にとっては昔のももクロのイメージが強いんだろうなって感じています。変わらないように意識しているわけではないんですけど、みんなで一緒にいるとそのままでいられるんです。この調子で30、40歳になりそうで怖いよね。
高城 40歳でこれだったら怖いね、ホントに(笑)。
玉井 れにちゃんはそうだと思う。
高城 いや、みんなも変わらないと思うよ(笑)。
佐々木 もしみんながバラバラの生活をしていたら、3人はそれなりに大人になっているだろうけど、れにちゃんはこのままだと思うよ。
高城 それはイメージだよ!(笑) マダムみたいになるかもしれないよ!
「怪盗少女」と同じ衝撃があった「The Diamond Four」
──ここからは5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」の収録曲について聞かせてください。東京ドーム公演のタイトルにも使われていた「The Diamond Four」というワードを冠したリード曲は、ラップを中心に構成されたポップチューンに仕上がっています。タイトルを見たとき、もっと前のめりで攻撃的な曲を想像していたんですけど、とても明るい雰囲気の曲ですよね。
高城 うちらももっと前のめりな曲になると思ってたよね。いい意味で期待を裏切られたというか。想像していたのと違う曲だったけど、クセになるいい歌だなと思いました。
百田 自分たちの中にも、アルバムのリード曲は前に走っていく楽曲という印象があって。これまでいろんな経験を通して成長してきたからこそ、こういう楽しむ余裕がある曲をリード曲にできたのかなと思います。今までは「付いて来い!」と力強く呼びかける感じだったんですけど、「The Diamond Four」には「いろんな人を巻き込みつつ、一緒に楽しく踊りながら行こうぜ」というほんわかした雰囲気があります。そこが今回の新しい色だと思うので、早くライブでお客さんを巻き込みたいです。
玉井 最初に聴いた感覚としては、「行くぜっ!怪盗少女」のときと似ていました。当時、メジャーデビュー曲と知らされて聴いた「行くぜっ!怪盗少女」が、あまりにも耳に入ってこなかったんですよ。でも、だんだんと頭から離れなくなって。「The Diamond Four」にも同じような衝撃があって、レコーディングに向けて練習したり、ミュージックビデオの撮影で繰り返し聴くうちにメロディが忘れられなくなりました。
──なるほど。
玉井 あと「怪盗少女」とか、歌詞の中に今までのももクロの歴史がちょっとずつダジャレみたいに登場したり、「モノノフ」という歌詞がさり気なく入ってたりするんです。ラップの中に私たちのいろんな要素が盛り込まれているので、隠れミッキー的な感じで探しながら聴くと楽しいと思います。
──ももクロのラップソングはこれまでにも何曲かありましたが、レコーディングはどうでしたか?
高城 私は苦戦しました……。1回のレコーディングじゃ終わらなくて。個人的に一番苦労した分、曲に対する愛情が深くなりました。これが結成して5年目くらいだったらレコーディングを何回やっても終わらなかったと思うし、「The Diamond Four」以外の曲も10年やってきたからこそ歌える曲だと思います。私たちの色をしっかり曲の中に出せているなって。
同世代と一緒に仕事ができる喜び
──アルバムには「The Diamond Four」以外にもバラエティ豊かな楽曲が収録されていますが、それぞれお気に入りの曲や印象深い曲はありますか?
高城 うーん、どれもいい曲だからなあ。でも、特に聴いてほしいのは13曲目の「The Show」かな。英語の曲を日本語に訳してカバーするという、初めてのことに挑戦したんです。私たちが歌うことで曲がどう変化するのか、ももクロらしさを味わえる曲だと思います。
玉井 私は「リバイバル」と「MORE WE DO!」の2曲なんですけど、どちらも曲を作ってくださった方が同世代なんですよ。私たちの年齢が上がってきたことを実感しました。
──「MORE WE DO!」はCHAIが提供したナンバーですね。
玉井 今までは歳の離れた方に曲を作っていただくことが多かったので、なんだか新鮮です。歳が近い分、曲の中に通じるものが多い気がして。周りのスタッフさんや共演者とか、一緒にお仕事する人と歳が近くなってきていて、そういう同世代の方々とものを作れるうれしさがありますね。
──昔は子供であるメンバーと、大人であるスタッフ間のある種の対立構造みたいなものがありましたよね。プロデューサーである川上アキラさんにいろいろと無茶振りされることもあって。でも4人共すっかり子供ではなくなり、これからは歳下の方と仕事をする機会も増えくると思います。
高城 恐ろしいねー。
佐々木 この春からは私と同い年の人が新社会人になるし、びっくりしちゃうよね。
高城 あーりん(佐々木)より歳下と聞くと、「学校行かなくて平気?」って思っちゃいます。
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お腹がよじれるくらい笑った「令和ニッポン万歳!」