ラテンはおまかせ!ナオト・インティライミが「ミラベルと魔法だらけの家」の世界を彩っちゃいました (2/2)

自分がミラベルの立場だったら、きっと耐え切れないよ

──今回、制作前には映画本編も参考にされたとのことですが、ナオトさんにとってどんな部分が印象的でしたか?

劇中に使われている音楽はコロンビアの陽気な雰囲気をよく表現していたよね。みんなアコーディオンを弾いて、あんな感じで歌っているんだよ。それから物語全体のテンポのよさはすごかった。ミュージカルということもあるけど、めちゃくちゃあっという間。最初から最後までずーっとハラハラドキドキしてたね。あとは主人公のミラベルを見ていると、胸が痛くなっちゃって……。

「ミラベルと魔法だらけの家」より。

「ミラベルと魔法だらけの家」より。

──「ミラベルと魔法だらけの家」は代々魔法の“ギフト”を授かることができるマドリガル一家の物語ですが、主人公のミラベルは家族の中で唯一魔法が使えない存在です。その苦悩は序盤から描かれていて、観ていて胸をえぐられるものがありましたね。

普通だったらグレてるよね? 絶対逃げ出したくなるだろうし、家族とも疎遠になるだろうし……あんな環境じゃまず耐えられないよ。アルマおばあちゃん(マドリガル家の女家長でミラベルの祖母)にも最初のほうは冷たくされちゃうし。だからこそミラベルの芯の強さ、優しさは人として素晴らしいよね。そのひたむきな姿勢が発揮される終盤は心が震えたよ。

「ミラベルと魔法だらけの家」より。

「ミラベルと魔法だらけの家」より。

──魔法の“ギフト”がない彼女が家族とどのように関わっていくのか、最後まで目が離せませんでした。

現実世界でも新型コロナウイルスが感染拡大して、人と人との心の距離だったり、心を通わせることの大切さを意識させられたからこそ、このテーマは刺さるよね。この作品はコロナ禍前から制作に入っていたと思うけど、こんな状況だからこそ、より一層心のつながりの重要さを感じられました。

──ファンタジックな題材を用いている一方、魔法が使える人と使えない人それぞれの悩み、魔法が使える特殊な一家で引き起こされるいざこざを丁寧にピックアップし、かなり重いテーマに取り組んでいる作品でもあります。ですが各問題に対してどのように立ち向かうか、ポップなテイストを交えて描いているのは絶妙なバランスでした。

ホントにね。家族それぞれの苦悩、それを支え合う絆をしっかりと描いてる。子供が観たらすごく新鮮なテーマに感じられるだろうし、大人が観ても現実の問題と照らし合わせて考えさせられる映画だよね。こういった世代を超えたテーマをうまく用いるのは、まさにディズニー作品の真骨頂だよ。

ナオト・インティライミ

ナオト・インティライミ

ナオト・インティライミ

ナオト・インティライミ

優しさや愛を与えられることが一番の魔法

──本作ではナオトさんも声優として本編に参加していますが、その配役は発表されていませんでした。どのキャラクターを演じているか探しながら鑑賞したのですが、なかなかに難しく……。

あれはなかなか見つからないよ。難易度ちょいムズだね。

──ブルーノに「未来では太る」と予言された人ですかね?

ブブー。

──あとは……ルイーサに「家の傾きを直してほしい」とお願いしていた人?

その人、どんな格好してた?

──そう言えばナオトさんそっくりな帽子をかぶっていたような……。

“ティライミ帽子”をかぶっていた人でしょ。正解! 勝手に“ティライミ帽子”って言っちゃったけど、僕と似た帽子をかぶっていた登場人物がいらっしゃって。ありがたくそのキャラクターの声を担当させていただきました。「ルイーサ、家が傾いているんだ」「オウ……」のわずかふた言だけど(笑)。

──ナオトさんが声優として出演するのはこれが初?

アニメーション映画では今回が初になりますね。でもこれを「デビュー」って盛大に言っちゃ怒られちゃうよね(笑)。プレデビューって感じ。短い登場シーンだけど、彼がルイーサ(ミラベルの次姉)とどんな関係でどんな思いを抱いているのか、どんな状況なのか、しっかり聞いてから演じたんです。まがりなりにもお芝居をしてきた人間だから、「ルイーサ、家が傾いてる……」のひと言に命を注入してきました。

ナオト・インティライミ

ナオト・インティライミ

──これまでナオトさんはドラマや舞台に出演されたこともありましたが、声優はまた違った感覚で取り組むことになったかと思います。体験してみていかがでしたか?

すごく楽しかったよ。これまでのお芝居の経験を生かして演じることができたと思います。映画を観直したとき、すごい馴染んでたから、自分が演じたキャラクターだと気付かなかった(笑)。また機会があれば参加してみたいし、それまで修行しておきます。

──「ミラベルと魔法だらけの家」はタイトル通り“魔法”がキーとなる物語です。それに関連して、もしナオトさんが魔法のギフトが与えられるとしたら、どんなものが欲しいですか?

えー! 超悩むんですけどー!!

──無茶振りでしたかね(笑)。

魔法かー! 「ずっと魔法が使える魔法」じゃダメかな? 魔法っていつか使えなくなっちゃいそうだし。種類は選べないな……でもミラベルのように、優しさとか愛を誰かに与えられることが一番の魔法だよね。僕もそれがいいかも。

「ミラベルと魔法だらけの家」より。

「ミラベルと魔法だらけの家」より。

──素敵ですね。

……でもワンチャンあるとしたら、「ずっと魔法が使える魔法」も一緒に欲しいね(笑)。

プロフィール

ナオト・インティライミ

三重県生まれ、千葉県育ち。これまでに世界60カ国以上を1人で渡り歩き、各地でライブや楽曲制作を実施するなど、世界の音楽と文化を体感しながら活動を行っている。2009年にサポートメンバーとしてMr.Childrenのツアーに同行したのち、2010年4月にナオト・インティライミ名義でのメジャーデビューシングル「カーニバる?」をリリース。同年7月には1stアルバム「Shall we travel??」を発表し、12月には東京・日本武道館公演を開催した。その後「NHK紅白歌合戦」出演や全国アリーナツアー開催を実現し、2017年1月に自分の原点に立ち返るため、世界を回る旅に出ることを宣言。約半年間の旅を経て7月10日開催の「ナオトの日」ライブで日本での活動を復帰させた。2018年12月に7枚目のアルバム「『7』」を発売し、同年には自身初となる全国47都道府県ツアーを完走し、年末には愛知・ナゴヤドームにて3年ぶりのドーム公演も開催した。2019年9月にはジョーイ・モンタナとのコラボ曲「El Japonés」で世界デビューを果たす。2021年には1年間の延期を経て「10周年!アニバーサリーおまっとぅりYEAR」へと突入し、同年9月にベストアルバム「The Best -10th Anniversary-」をリリース。11月には同月公開の映画「ミラベルと魔法だらけの家」の日本版エンドソングを担当した。2022年4月からは16都市21公演で構成される全国ホールツアー「全国LIVEキャラバン2022-春-!ホップ・ステップ・スプリング!みんな引き連れ、おまっとぅり!!」を行う。