歌詞が気になる佐野勇斗
──勇斗さんは、この曲の印象についてはいかがですか?
佐野 僕、何よりもこの曲の歌詞がめちゃくちゃ気になってるんですよ。言葉の使い方や表現が、一度聴いただけでは理解できない深さだよなって……。
一同 確かに。
佐野 作詞した園田(健太郎)さんに1回会って、どういう狙いで書いたのかを聞きたいくらい(笑)。
吉田 特にサビが、そういう表現多めだよね。
佐野 そう。まず「奇跡が空に恋を響かせた」も、ちょっと不思議な表現方法じゃない?
曽野 まず、「奇跡」が主語。で、「空に」は副詞だから取って考えても平気で……「恋を響かせた」。奇跡が、恋を響かせた……?
吉田 いや、「恋を」が主語じゃない? 恋を響かせた。どこに? 空に。何が? 奇跡が。
山中 だから、奇跡さんが……あれ?
一同 あはははは!
山中 確かに、そう考えると気になってくる(笑)。
曽野 それだけ考え甲斐がある歌詞だってことですよ。
塩﨑 声に出して読んだときの語感もすごくきれいだしね。
佐野 語感のきれいさだけでスルーしないで、このちょっと面白い言葉遣いに注目してほしいんですよ、僕は! だまされないぞ!(笑)
──「22°の先 君が微笑んでいる」という表現も気になったんですが、これは……?
塩﨑 これはわかります! 22°っていうのは、ハロ現象の(視半径の)角度なんですよ。
曽野 かつ、エンジェルナンバーの22です!
吉田 あ、エンジェルナンバーは舜太独自の解釈です(笑)。
曽野 エンジェルナンバーっていう“幸せな番号”があるんですけど、その中でも特に強い幸せ感がある番号が22なんです!
吉田 らしいです。
手紙で書いたような。しっかりと“読ませる”感じ
──勇斗さんの感想は理解できるというか、抽象的な表現がふんだんに使われているのがこの曲の特徴ですよね。
佐野 そうなんですよ!
──だからこそ、皆さんがどういうイメージを思い浮かべてこの曲を歌っているんだろう?ということは、すごく気になっていました。
佐野 僕の中でぱっと浮かんだイメージは“ひと夏の恋”なんです。海辺とかで相手に出会って、自分はこの出会いが奇跡だと思っているけど、相手の気持ちはわからない。片思いかもしれないし、両思いかもしれないし。「やっと出会えたね」というセリフパートもあるんですけど、もしかしたら一方通行なのかな?とか考えちゃいますね。
山中 なるほどなあ。
佐野 サウンド感は夏らしいさわやかな雰囲気だけど、歌詞には重みがあるというか、主人公の強い思いがしっかりにじんでいるんですよね。
吉田 勇斗の話を聞いて今思ったんだけどさ、M!LKが歌で表現する“アイドル感”や“王子様感”って、どこかアナログチックな……手紙で書いたような雰囲気があるよね。しっかりと“読ませる”感じというか。瞬発的でデジタル感のある現代的な表現とは、一線を画す感じ。
佐野 確かにそうかもね。そう、だから僕はファンの皆さんがこの曲のストーリーをどう受け止めているのかもめちゃくちゃ気になるんですよ。みんな、どういう捉え方をしているんだろう?って。
曽野 メンバーとはまた違う捉え方をしているかもしれないね。
佐野 そうそう。
塩﨑 それは確かに気になるわ。みんなに聞きたいです!
さすが星星だなと思います
──楽曲はすでにライブでも披露されていますが、パフォーマンスをする中で特に好きだなと感じるパートはありますか?
山中 僕は2番のAメロかな。「穏やかに降りた夏の雫を纏った君に」からの流れを吉田さん、太ちゃん(塩﨑)の順で歌うんですけど、その流れが好きです。2人の声の質が全然違う感じがすごくいいなあと思う。特に、「奇跡より素敵な奇跡」の、太ちゃんの「き」の響く発声がお気に入りです。すごく細かいんですけど(笑)。
吉田 僕は2サビ終わりの「僕の心を君で塗りつぶして」という歌詞が大好きですね。恋をしているときって、相手のことを渇望していると思うんです。全部知りたい。その気持ちをすごくロマンチックに言い換えているなって。振付もみんなでふわっと動く感じなんですけど、そこのフォーメーションも好きなので注目してほしいですね。
曽野 僕は、オーラスの「最初のキスを 君の全ては 僕の全てだから」がめちゃくちゃ好きです。勇ちゃん(佐野)が歌っているパートですけど、最後に持っていくなあ!と思う。そこまではどこか弱々しい部分も見せていたのに、ここできっぱり言い切っているのがすごく好きです。ライブで聴くとより情景が浮かぶし、勇ちゃんの声もマッチしているなあと思います。
塩﨑 僕も佐野さんのパートなんですけど、やっぱり「やっと出会えたね」というセリフパートが本当に好きですね。相手のことをずっと探し求めていたことがわかりますし、佐野さんの声の質がこの決めゼリフに重みを持たせている感じがして。
佐野 ありがとう。僕は舜太の「Always I need your love...」が好きですね。さすが星星だなと思います(曽野は「ZIP!」の「ベラベラ ENGLISH 星星 the Teacher」に出演中。星星は番組内に登場するパンダの名前)。
曽野 俺はパンダじゃないけどね!(笑)
佐野 (笑)。ここ歌うのに、すごい気合い入ってたんで。
曽野 そう、気合い入りました。でも気合いを入れてないように見せるっていうね!
あえて王道を貫くのは、すごく勇気のいること
──全体的な曲調としては、さっき仁人さんが言っていたようにすごく王道感がありますよね。メジャーデビュー曲の「Ribbon」のお話を聞いたとき(参照:M!LK「Ribbon」インタビュー)、仁人さんがこの曲を「今の僕らが投げられる“スーパーまっすぐストレート”」だと表現していたのがすごく心に残っているんですが、その後も皆さんは「HIKARI」、この「奇跡が空に恋を響かせた」と、“ストレート”を投げ続けているよなあと。
吉田 そうなんですよね。それって、すごくチャレンジングなことだなと自分は思うんですよ。今までだったらシングルを出すたびに曲の印象を変えていたと思うんです。そこであえて王道を貫くっていうのは、すごく勇気のいることでもあって。
──なるほど。
吉田 そういうチャレンジをさせてもらえることというか、「M!LKなら歌えるでしょ」と曲を託してもらえることはうれしいなと思います。ファンの皆さんも、こういう王道感のある曲を喜んでくれているなとも感じますし。
曽野 変化球も投げられるけど、あえてストレートを選んでいるのがカッコいいよね!
吉田 舜太、「カッコいいよね!」ってドヤるとカッコ悪くなっちゃうから!(笑)
一同 あはははは!
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みんなが声を出せるようになったとき、絶対ライブでやりたい