M!LK

M!LK|今の僕らが投げられる“スーパーまっすぐストレート”を君へ

M!LKがビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。結成7周年の記念日である11月24日に、メジャー1stシングル「Ribbon」をリリースした。

活動7年にして、新たなフィールドへと大きな一歩を踏み出したM!LK。そんな彼らが完成させたメジャーデビュー曲「Ribbon」は柔らかな温もりが感じられるまっすぐなラブソングで、愛しい人への思いを歌う歌詞にはM!LKのこれまでの歩み、そしてみ!るきーず(M!LKファンの呼称)へ語りかけるメンバーからのメッセージが重ねられている。

グループの歴史に深く刻まれるであろう節目を前に、5人は何を思うのか。音楽ナタリーではメンバーにインタビューを行い、それぞれの思い、そしてグループとしての今の思いをじっくりと聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ撮影 / YURIE PEPE

行ったことがない場所だからこそ「何が違うんだろう?」って

──夏のツアー「M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~」最終公演でのメジャーデビュー発表には、全み!るきーずが驚いたと思います。「メジャーデビューしたい」という思いは、以前から皆さんの中にあったのでしょうか?(参照:M!LK、ビクターからメジャーデビュー!結成記念日にシングル発売&パシフィコ横浜ワンマン決定

塩﨑太智 正直なかったよね?

佐野勇斗 こういうインタビューで言うことじゃないかもしれないけど、「めちゃくちゃメジャーデビューしたい!」という気持ちは持っていなかったです。デビューが目的じゃないというか。

吉田仁人 どんな場所にいても僕らは僕らだし、逆に言えば前の場所が「何か足りない」というわけでもなかった。これまでメジャーデビューという選択肢を思いついたことがなかったからね。

塩﨑 佐野さんは1人だけ先にこの話を聞いたんだよね?

佐野 そうそう。自分たちのこれからについて気持ちをぶつけたときに、先出しで伝えてくれた感じ。

塩﨑 で、リーダーの仁人が最後ね。

吉田 そうそう。

──スタッフさんから1人ずつ伝えられる形だったんですね。そのときのことは覚えていますか?

曽野舜太 僕は覚悟を聞かれたというか……「これから先、今よりもストイックにやっていけるのか?」みたいなことを言われて。

塩﨑 それ、僕は言われてないんだよなあ。

山中柔太朗 自分も「より一層がんばらなきゃいけないよ」ということは言われたけど、「やれんのか?」みたいな感じじゃなかったかな。

曽野 ……すみません、載せてもらえるようにちょっと盛ってます(笑)。

一同 あはははは!

──(笑)。その話を聞いたとき、率直にどう思いましたか?

曽野 僕は気が引き締まりました。

塩﨑 ワクワクしかなかったです。行ったことがない場所だからこそ「何が違うんだろう?」って。どんな変化が起きるのか、好奇心が湧いちゃって。

佐野 俺も同じかも。

吉田 僕は「やったあ! でも……メジャーデビューっていったい何なんだ?」みたいな感じで考え込んでしまったんですけど(笑)、夏ツアーで自分の気持ちが整理できた感じです。5都市7公演、いろんな場所でみ!るきーず1人ひとりの顔を見ながら、「ああ、僕らは最終日に大きな発表をするんだ」という思いでステージに立って。ビクターのスタッフさんも同行してくれていたし、それまでとは違う環境に「これからもっともっと大きくなって、みんなをもっと喜ばせなきゃいけないな」と思っていましたね。使命感がより強くなりました。

白熱しすぎて帰りの新幹線を遅らせたんです

──メジャーデビューに向けた本格的に動き始めたのはいつ頃だったんですか?

塩﨑 春ツアー(「M!LK SPRING TOUR 2021 "energy"」)の終わりくらいからですね。メジャーデビューの発表ありきになる夏のツアーをどういうものにするか、みんなで話し合ったんです。

山中 そう、めっちゃ話した。めちゃくちゃ言い合った!(笑)

曽野 熱かったよね。やっぱりメジャーデビューって大きな節目だから、その区切りに向けて自分たちをどう見せていきたいかとか、M!LKは今後どんなふうにがんばっていけばいいのか?という話をして。

山中 DIAMOND HALL(愛知)公演のあとに話し合いをしたんですけど、白熱しすぎて帰りに乗る予定だった新幹線の便を遅らせたんですよ。

──新幹線を遅らせたというのはすごいですね。

塩﨑 初めてじゃない? そんなの。

吉田 しかもそこで話はまとまらなかったですから。

曽野 電車なくなる、とりあえず帰ろう!ってね(笑)。

吉田 そういう話し合いの中で会話の端々に出る、みんなの「俺らはこの5人で進んでいくんだ!」っていう熱い気持ちに、俺は「おお」と思ってたよ。

M!LKの第1章最終回

──そういった熱い思いを詰め込んで完成した夏ツアーのタイトルが「M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~」。メジャーデビューのことを知る由もないファンにとっては、少しざわっとするようなタイトルですよね(参照:これまでの僕たちが背中を押してくれる」M!LKが見せた7年間の集大成、涙と笑顔で新たなステージへ)。

吉田 ですよね。「変化しちゃうの?」みたいな。そういう点ではみんなをヒヤッとさせちゃったかもしれないけど。

塩﨑 「今までありがとうございました」と「これからもよろしくお願いします」という意味を込めて、今までのM!LKのすべてを詰め込んだライブにしたかったんです。だからシングル曲もすべてやりましたし、今までライブでたくさん披露してきた人気曲も欠かすことなくセットリストに入れました。曲数すごかったよね? とにかく曲数を詰め込んだんですけど、それが「BEST L!VE」の正解なんだろうなって。

吉田 そうね。衣装でも、もう着ることもないだろうと思っていた制服を着たりね。1曲目が(SDRでリリースされた)1stシングル曲の「コーヒーが飲めません」(2015年)だったので、6年前からの変化を見せるためにそうしたんですけどね。

佐野 僕らの気持ちとしては「M!LKの第1章最終回」みたいな感じだったよね。

一同 そうだね。

──サブタイトルは「My Treasure」の歌詞の一節ですが、この曲が披露された後半パートは1曲1曲に皆さんが伝えたいメッセージが込められているんじゃないかと思えて、心を揺さぶられる感覚がありました。

塩﨑 「コーヒーが飲めません」から始まる最初の盛り上げパートがあって、「MAGIC CARPET」や「May」みたいなカッコいい人気曲を詰め込んだメドレーパートがあって。そのあとの後半パートは「My Treasure」を筆頭に、今までのM!LKの歩みをたどっていくイメージで構成したんです。本編ラストの「まっしろサンライズ」なんかは特に……あの曲は、最初に作ったセットリスト案から変わらずに最後に置いてあって。言っていただいたように、この曲の歌詞が僕らの今とピッタリ重なるんですよ。「足元に並ぶ5つの影は」って、5人の描写が出てくるのもよくて。

吉田 いやあー、「まっしろサンライズ」はめちゃくちゃ思いがこもったというか……。

塩﨑 泣いてたねー!

吉田 初めて会ったときのことから、もう全部思い出しちゃってさ。懐かしんでましたね……。

佐野 (ニヤニヤしながら)舜太と柔太朗は途中加入で思い出少ないけど、どういう気持ちだったの?

曽野山中 おいおいおいおい!(笑)

吉田 お前さあ! このムードをぶち壊すな!(笑)

──勇斗さん、ステージ上では涙を流しながら「年上に必死で付いて来てくれて本当に感謝してる」と、2人に思いを伝えていましたよね……?

曽野 そうそう。感謝伝えてくれてねえ。

山中 ありがとね?(笑)

吉田 もう、ツンデレのバカなんですよ(笑)。でも実際2人はどうだった? 「まっしろサンライズ」をちゃんとやるのも初めてでしょ?

曽野 改めて歌詞の意味を噛み締めた感じがあった。ずっとM!LKを見守ってくれているステージ制作の方が「絶対に最後の曲は『まっしろサンライズ』がいい」と言っていて、「その意味ってなんなんだろうな?」と思っていたんですけど、最終日にその理由がホントの意味でわかったというか。

山中 確かに。

佐野 あのときさ、歌詞がめっちゃ自分の体に染み込んでこなかった?

曽野 そう、めっちゃ入ってきた! もともとある歌詞なのに、自分の感情がそのまま口から出てるみたいな感覚。

塩﨑 「振り返ればあっという間に過ぎていたね 僕らの毎日」。

吉田 そこヤバいよね!! 俺「もうダメだ」と思って、こみ上げてきちゃったから後ろ向いてさ。

曽野 自分が歌った言葉が自分の中に返ってきて、心が揺さぶられて涙が出てきちゃうんです。

佐野 気持ちいい。あれはホントに気持ちよかった。

塩﨑 ライブの最後の曲、これからも全部「まっしろサンライズ」にしようか(笑)。

吉田 とにかく、ツアーファイナルはすごかったです。メンバーにも助けられたし、み!るきーずにも助けられたし。ただそれに浸ることもできず、終演直後に強化合宿に連行されたんで……今ここで、みんなで浸っている状態です。すみません(笑)。

一同 あはははは!

吉田 すごくいいライブだったからこそ、来年2月のパシフィコ横浜でよりよいものを見せたいなという原動力にもなっていて。すごくいい“有終の美”だったと思います。