M!LK|M!LKに捧げた青春の行方 アニバーサリーソングに込めた僕たちの5年間

過去をなかったことにしない

──「ERA」のミュージックビデオも、M!LKの歩みを振り返る記録映像のような仕上がりですね。

仁人 はい。1stワンマンのときの映像が普通に使われていて「おいおい、出すんかーい!」と(笑)。

一同 あはははは(笑)。

仁人 開始20秒で「出ちゃってるよ!」とビックリしたんですけど、なんだか自分たちの映像なのにめちゃくちゃ引き込まれてしまって。

塩﨑太智

太智 わかる!

仁人 「こんなこともやったなあ」と思い出しながら観ると、映像が終わったときに「すごい5年間だったな」と思えたんですよ。

柔太朗 メンバーだからこその捉え方があるかもしれないね。

太智 4人のM!LKからじゃなく5人の時代の映像も使っているところは、本当にリアルだと思います。

勇斗 それは本当に思う。めちゃくちゃいい映像だよ。

太智 「過去をなかったことにしない」と言いつつもあまり触れない……みたいなところがやっぱり自分たちの中にもあったけどね。今回MVでこういう表現ができたことによって、「あ、いいんだよね」と改めて思えたというか。

柔太朗 あとからM!LKに合流した僕ら3人からしたら、知らないシーンもたくさんあるんです。でも、このグループに入って皆さんに認めてもらって、今こうして7人で活動ができているのは幸せなことだなと、MVを観て改めて感じましたし……「M!LKに入れてよかったな」と、すごく思えたんですよね。

積み重ねた一秒が明日を裏切らなかった

──改めて振り返ると、7人のM!LKのお披露目だった昨年の「EBiDAN THE LIVE」初日の客席の反応は、正直シビアなものでしたからね。

宮世琉弥

琉弥 歓声ではない悲鳴が聞こえたのを覚えています。

太智 泣いている方もいたしね。

仁人 みんな全然ペンライト振れていないな、と思ったよ。

琉弥 しかも、みんなの知らない曲もやったから。

仁人 そう思うとすごく攻めた構成だったよね。

瑞生 「盛り上がらなかったね」って反省してたけど、そりゃそうだわ。誰も知らない曲やってるんだから。

──ただ、そこからは急速に7人のM!LKが形になっていきましたよね。その要因は、どんなところにあると思いますか?

仁人 話し合いとか反省会とか、みんなが意見を言う場をたくさん作ったからかな、とは思います。

勇斗 そうだね。

太智 今はリリイベが終わったら反省会、ライブ終わったら反省会が当たり前なんですよ。

仁人 意見言い合ってメモ帳に書いて……という作業が当たり前になっているから、お互いを理解するスピードが速かったよね。

舜太 あと、感覚的にやっていくことも大事だとは思うんですけど、その一方で実験的にMCをやったりもして。自分たちの中の正解を見つけようとする作業を重ねながら、経験を積んできたと思います。

吉田仁人

仁人 そう、MCも最初は大変だったんですよ。キャラ付けしてみようと試してみたりとか。

太智 琉弥とそのしゅん(舜太)が“爆弾”落とす役、とかね(笑)。

琉弥 そう、僕“爆弾役”って言われた。

舜太 あと、しゃべる・しゃべらないで係を分けてみたりもしました。勇斗くんがしゃべらない側にチーム分けされて、「俺しゃべりたいんだけど!?」って言ってたり。

一同 あはははは!(笑)

勇斗 そうだよ、「ええ、俺しゃべれないの?」って。

仁人 とりあえずやってみるしかなかったんですよ。でも、これは難しいなとなりました(笑)。

柔太朗 で、一度好き勝手やってみようと臨んだライブのMCがすごく盛り上がって「あ、こういうことなんだな」と。そこで手掛かりを得て。

太智 結局今は自由にやる形で落ち着いてるもんね。楽しい。

柔太朗 そう。自由にやることになんの不安もないので、“積み重ねた一秒が明日を裏切らなかった”ってことですね。

琉弥 キレイにまとめた(笑)。

メンバー同士じゃないとできないことは、自分の中ですごくたくさんある

──この5年の間には皆さんそれぞれに、M!LKの活動のほかに俳優としての活動や、学校生活もあったわけで。勇斗さんや瑞生さんの先ほどのお話の中にもありましたが、そこにはM!LKの中にいるときとは違う周囲の声なんかもあるわけじゃないですか。さまざまに活動している中で、自分の中でM!LKというグループはどんな存在になっているのでしょうか?

瑞生 僕は不思議な感じでしたよ。学生時代はM!LKと役者、学校と3足のわらじみたいになっていたから、「どれが自分なんだろう?」と思うこともありました。でも、その中でM!LKのメンバーの存在って……なんて言うんでしょうね。家族とは違うんですよ。家族には甘えてしまうけど、それをメンバー同士でやるのはお互いにとってよくないと思うし。だから、親友を超えた……言葉ではうまく言い表せられないけど、自然と息の合う人たちというか。だって、役者の仕事だけしていたら、これだけ一緒にいる仲間には出会えないと思いますから。それだけお互いのいろんなことを知っているし、メンバー同士じゃないとできないことは、自分の中ですごくたくさんあるな、と思います。

佐野勇斗

勇斗 M!LKの存在は、正直めちゃくちゃデカいですよ。さっき言ったように「まだやってるの?」なんて言われることも多いけど、「ああそっか、じゃあやめようかな」と思ったことは1回もなくて。なんだろう。この活動が好きなんですよね。歌とダンスが得意だって言えるわけじゃないけど、みんなでステージに立ってうまくいったときはうれしいし、お客さんが喜んでくれたら幸せだし。失敗したときは悔しいけど、それを改善していく作業も楽しいと思える。ライブを終えるたびに「M!LK好きだな」と思えるから、僕自身の中ではM!LKの活動ってやっぱりメインにあるんです。芝居の仕事に生きることもすごく多いし! 今舞台をやっているんですけど(主演舞台「里見八犬伝」)、舞台は特にM!LKの活動での経験がすごく生きているので、やっていてよかったなと思います。

太智 僕は今大学にも行っているし、学生生活とM!LKの活動、両方とも自分の軸として考えたいという信念を持ってはいるんですけど、それでもやっぱりM!LKを優先している自分がいる感じです。で、この2つを大事にするために、自分の欲を犠牲にしているなと思うことは多々あって。例えば、のんびりしたいなと思っても、M!LKの活動があって学校に行けないとなると、じゃあ新幹線の中で勉強しよう、とか。逆に学校の都合でM!LKのリハに出られないときには、授業の合間にリハの映像を観たりだとか。それは苦ではないんですけど、自分の自由な時間を犠牲にしていると言えば、そういう見方もできるかなって。まあ、楽しいからいいんですけどね。楽しくなかったら犠牲にしないですしね。