ナタリー PowerPush - 摩天楼オペラ
苦難を乗り越え到達した新境地「喝采と激情のグロリア」第1章
白い衣装でバンドの再始動を表現
──実は今回の最新ビジュアルを観てびっくりしたんですよ。ここ何作かは黒を基調にしたビジュアルでしたが、今回はメンバー全員白い衣装を着用していて。この変化には何か意図したものがあるんですか?
苑 「GLORIA」は明るい曲調で、歌詞も先へ向かう光を表現しているので、全体的に白をイメージしたんです。あとは新しいイメージでバンドを再始動させるというか。今まで本当に黒い衣装ばかりだったので、今回「喝采と激情のグロリア」っていうテーマを掲げて白い衣装を着るというのはインパクトがあっていいなと思って。
彩雨 このコンセプトが決まる前にも、白い衣装でもやってみたいよねっていう話はメンバーの中で出ていて。それが今回のテーマとちょうど合致したっていうのもあります。だからすごくいいタイミングでした。
──でも確かにこのタイミングで白い衣装というのは、リセット感やリスタート感を強く感じます。既にタイトルが発表されてる次のシングル「Innovational Symphonia」もすごく気になるんですけど、こちらも「喝采と激情のグロリア」というこのテーマに沿って制作されていると。
苑 そうです。「GLORIA」は「喝采と激情のグロリア」のうちの「喝采」の部分、栄光をイメージしました。次の「Innovational Symphonia」は「激情」の部分、つまり栄光の反対側にある影を表現してるんです。こちらも楽しみにしていてください。
5カ月って長いようであっという間
──そしてシングル発売直後の10月5日からは、早くもライブツアー「GLORIA TOUR -scene I-」がスタートします。
悠 ツアー初日はこの5人で演るライブとしては5カ月ぶりで。
苑 そうだね。「eyes of Justice Tour」の赤坂BLITZ(2012年5月4日)以来か。
──そう考えるとずいぶんと時間が経ってるんですね。
苑 ファンのみんなは多分長く感じてるんでしょうけど、僕らは地下作業をずっとしていたのであっという間に過ぎましたね。
燿 表向きには動いてないように見えたかもしれないけど、特に活動休止してたわけでもないし。
彩雨 でも5カ月ってやっぱり、長いようであっという間だなっていう気もしましたよ。僕らも例えば知り合って半年ぐらいの仲だったら5カ月ライブが空くだけでちょっと不安になるかもしれないですけど、結構付き合いが長いので久々にライブやってバタバタするようなことってあんまりないんじゃないかなって思ってます。
Anzi まあツアー初日は多分すごく緊張するだろうけどね。
彩雨 始まれば大丈夫。
苑 そうだね。
──ライブの準備は既に始まってる?
苑 レコーディングと並行してやってますね。このインタビューが掲載されるのは……。
──あ、「GLORIA」のリリース直前です。
苑 ちょうど今はセットリストを練っていて、1回組み直したりとか本当にこの曲たちでやっていくのかとか、話し合いつつ決めてます。
初冠番組はほかのメンバーが誰も観てなかった
──そういえば9月からニコニコ生放送で初の冠番組「摩天楼オペラdeナイト」が始まりましたね。
苑 本当にフリーな感じで、台本に「ここでこれを喋る」といった指示があんまりないんですよね。だからこそあのユルい感じが出て良かったのかなって、終わってみて思いました。
Anzi 自分たちの冠番組持つなんてこと今までなかったですし、生放送をやるっていうのは大分怖いものがあって。僕と苑で番組をやったんですけど、ほかのメンバーが観てると思ったら誰も観てなかったです(笑)。
悠 俺は元から観れないよって言ってたから。
彩雨 そうそう、僕は普通にカラオケにいた。頭にはあったんだけど忘れてた(笑)。
燿 俺、放送開始15分前に寝たわ(笑)。
Anzi ああ……ひどいよなあ。まあ多分自分にしか興味ないんですよ、みんな。自分が映ってないなら観ないっていう(笑)。
──Anziさんはゲストギタリストとギターバトルをするコーナー「Anziの頂バトル」がありますね。
Anzi あれは僕のアイデアというよりスタッフさんから「こういうことをやってみたら面白いんじゃないか?」っていうアイデアをもらって乗っかった感じなんですけど(笑)。やってみたらなかなか面白いですね。
──今後もゲストギタリストは募集していくんですよね?
Anzi そうですね。募集もかけますし、こっちからプロのギタリストに出演をオファーしたり。せっかくなので異なるジャンルで活躍している人に出てもらえたら、面白いコラボレーションになるんじゃないかな。
収録曲
- GLORIA
- Psychic Paradise
- CAMEL
- 初恋は永遠に
摩天楼オペラ(まてんろうおぺら)
2007年に結成されたヴィジュアル系ロックバンド。2008年に苑(Vo)、Anzi(G)、燿(B)、悠(Dr)、彩雨(Key)という現在の編成になる。叙情的な歌詞とシンフォニックメタルからの影響が強いサウンドが特徴で、国内のみならず海外でもCDリリースやライブ活動を展開。2010年5月に初のホールワンマンライブを渋谷公会堂(当時・渋谷C.C.Lemonホール)で実施した。同年12月にはミニアルバム「Abyss」でメジャーデビュー。2011年7月にリリースしたメジャー1stシングル「Helios」は、オリコンウィークリーチャート初登場16位を記録した。同年10月にはメジャー2ndシングル「落とし穴の底はこんな世界」を発表。同月にさいたまスーパーアリーナで行われた「V-ROCK FESTIVAL '11」にも出演し、大きな注目を集めた。2012年3月、メジャー1stフルアルバム「Justice」を発売。4月からは全国ツアー「eyes of Justice Tour」をスタートさせ、ツアーファイナルでは東京・赤坂BLITZでワンマンライブを行う。10月にメジャー3rdシングル「GLORIA」をリリースする。