ナタリー PowerPush - LiSA

“LiSA語録”からその素顔に肉薄! 追跡「best day, best way」への道

2010年、アニメ「Angel Beats!」劇中に登場するバンド「Girls Dead Monster」のボーカリスト・ユイの歌唱パート担当として、アニソンシーンに華々しく登場したLiSA。2011年に自身の名義で活動をスタートさせ、同年リリースの「oath sign」と2012年の「crossing field」がともにオリコン週間シングルランキング5位を記録。さらに今年1月には東京・日本武道館で開催された「リスアニ!LIVE-3」の初日ヘッドライナーに起用されるなど、目覚ましい活躍を続けている。

そんなLiSAが放つ2013年第1弾シングル「best day, best way」は、明るく力強い言葉とサウンドでリスナーと自らの日々を祝福するギターロック。今回のインタビューではそのルーツをひも解くとともに、ポジティブなメッセージを発信し続ける彼女の意外な横顔に迫った。

取材・文 / 成松哲 インタビュー撮影 / 佐藤類

音楽のルーツはピアノとミュージカルとSPEED

LiSA

──今回ナタリー初登場ということで、まずはLiSAさんのプロフィールを追いかけるところから取材を始めたかったんですけど、下調べがてら過去のインタビューを漁ってみたら、膨大な数の記事を掘り当てちゃいまして(笑)。

あはははは(笑)。

──図書館で雑誌検索をしたらアニメ誌、音楽誌の取材を受けているのはもちろん「KERA」でファッションフォトを撮られていることも判明し(笑)。なので、このインタビューはその裏取り。過去の発言の数々をひも解きつつ、ニューシングル「best day, best way」に至るまでのLiSAさんの歴史を振り返らせてください。

わかりました。

──岐阜県出身で、3歳からピアノを習ってたんですよね?

そんなところから振り返るんですか!?

──はい(笑)。で、ピアノを始めたきっかけは?

もともと母が「自分がやっておけばよかった」と思っていたらしくて、私はただそれをやらされただけなんです(笑)。でも、そのおかげで音楽のことがすごく好きになって、ピアノを弾くだけじゃなくて歌も歌ってみたくなったって感じですね。

──じゃあ人前に出るのが好きな子だった?

ぜんぜんダメでした。その頃からディズニー映画が好きで、家で毎日のように「美女と野獣」のビデオを観てヒロインのベルの歌マネなんかをしていたんですけど、保育園ではすごい人見知りで。みんなで体操とかをする日なんかに遅刻すると、その輪に入っていくときどうしても目立っちゃうじゃないですか。それがすごくイヤで「もう保育園行かない!」って言い出すようなタイプの子供でした。そしたら、それを見かねた母が「この子はこのままじゃいけない」「歌うのは好きみたいだからこれならイケるかも」って感じで、保育園の年長さんだった私を地元のミュージカル教室に放り込んじゃって(笑)。

──保育園の友達の輪に入るのにも二の足を踏んでいた子にはけっこう過酷な試練ですよね?

ところがこれがすっごく楽しくて! その頃、ほかにもいろいろ習い事をしてたんですけど、ミュージカルに行くのが一番楽しかったし、それから歌うことが本当に大好きになりました。で、小学校中学年くらいのとき、テレビでSPEEDがカッコよく歌ってカッコよく踊ってる姿を観て「自分もこんなふうになれたらなあ」って憧れるようになったんです。

友達の実家の蔵でロックを体験

──これも過去のインタビューからなんですけど、中学時代から音楽スタジオに出入りしてたんですよね?

小学校から中学校に入ったばっかりくらいまではそのミュージカル教室の延長というか、歌とダンスのレッスンを続けていたんですけど、中学2年生のときかな? バンドをやっていた3年生の先輩たちと一緒にカラオケに行ったら「今度卒業ライブをやるんだけど、ボーカルやってくれない?」って言われたんです。その頃はロックなんてぜんぜん知らなかったんですけど、アヴリル・ラヴィーンを聴かせてもらったら、それがものすごくカッコよくて。

──そしてバンドメンバーと一緒に街の貸しスタジオに通うようになった、と。

LiSA

もっと詳しく言うと、メンバーの1人の家に蔵があって、その中にスタジオみたいな防音室があったから、そこで練習してたんです。そこで「生音で歌うのって楽しいな」と思うようになり、卒業ライブ本番のときもみんながワーッと盛り上がってる中、汗だくになって歌っているのがホントに気持ちよくて。それでロックの世界に飛び込みました。

──卒業ライブではどんな曲をプレイしたんですか?

アヴリル・ラヴィーンのカバーとか、あとLOVE PSYCHEDELICOとか……。

──中学生バンドがプレイするにはけっこうハードルの高い選曲ですよね。

ですね。しかも極めつけって感じでEGO-WRAPPIN'までカバーしてました(笑)。あっ、言ってて気づいた。ジャンル、バラバラだ。

──あはははは(笑)。でも、中学生ながらにそういう選曲をしちゃうトンガった友達と一緒にバンド活動ってすごくカッコいいじゃないですか。しかもリハーサルスタジオがメンバーの実家の蔵っていうのも、まさにガレージロックって感じで楽しそうだし。

ホントにすごく楽しかったんですよ。学校帰りにみんなで防音室に行って、ああでもないこうでもないって言いながら曲を録音してみたり、一緒にライブビデオを観たりとか。で、B'zとかMR.BIGのマネをして、ドリルをウィーンって回しながらギターに近づけてヘンな音を出してみたりして(笑)。

ニューシングル「best day, best way」 / 2013年4月3日発売 / アニプレックス / 完全数量生産限定盤 [CD+DVD+小冊子] / 2940円 / SVWC-7932~4
完全数量生産限定盤
初回限定盤 [CD+DVD] / 1680円 / SVWC-7930~1
初回限定盤
通常盤 [CD] / 1260円 / SVWC-7935
通常盤
CD収録曲
  1. best day, best way
  2. I'm a Rock star
  3. シロイトイキ
  4. best day, best way(Instrumental)
完全数量生産限定盤DVD収録内容
  • I’m a Rock star ミュージッククリップ
初回限定盤DVD収録内容
  • best day, best way ミュージッククリップ
LiSA(りさ)

6月24日生まれ、岐阜県出身。学生時代よりバンド活動を始め、2008年に活動の拠点を東京に移す。2010年春にはテレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。Girls Dead Monsterでの活動が好評を博し、2011年4月にはミニアルバム「Letters to U」でLiSA名義によるソロデビューを果たす。2013年4月3日に3rdシングル「best day,best way」をリリース。