音楽ナタリー Power Push - LEGO BIG MORL

10周年迎えた4人が描く新たな景色

「Lovers, Birthday, Music」思い出の1曲
  • カナタタケヒロ(Vo, G)「knock to me」僕としてはこれがベストテイク

    カナタタケヒロ(Vo, G)
    「knock to me」ジャケット

    この曲を作った頃(2012年)が一番苦しんでたんですよね。LEGO BIG MORLはどういう音を鳴らすべきかすごく考え込んでいた時期で、メンバーとも「どういう曲を作る?」とか「どんな言葉を鳴らす?」とか「やっぱり、お前らしくやればいいんじゃない?」みたいな話をずっとしていて。「knock to me」は自分たちの原点を想像して作った曲なんですけど、できた瞬間に「めっちゃいいな」って思えたし、今までレコーディングしたすべての曲の中で、僕としてはこれがベストテイクなんです。ほかの曲は「もうちょっと、こんなふうに歌ったほうがよかったかな」っていろいろ考えることがあるんですけど、この曲に関しては「これ以上はないな」と思えるというか。ライブでやってもすごく一体感があったんですよ。「自分の扉を開ける」というメッセージも込められているし、今もライブで歌うと感情的になります。

  • タナカヒロキ(G)「大きな木」今でも「よく書けたな」って思います

    タナカヒロキ(G)
    「Mother ship」ジャケット

    歌詞を書く上でいろんなテーマを探したり、普段気付いたことをメモしたりしてるんですけど、「大きな木」に関しては、キンタが「おおきな木」という絵本を持ってきて、「すごくいい絵本だから、これをモチーフに歌詞を作ってみない?」って言ってきたんです。読んだみたら確かにすごくよくて。でも、あまりにも話が深いから、最初は「そのまま感じたことを歌詞にしても、この絵本には勝てない」と思ってしまったんですよね。本が「愛は与えられるものではなく、与えるもの」というのが大きなテーマになってて。その頃は25歳くらいだったし、「愛ってなんやねん?」っていう感じだったんですけど、絵本を読むことで何か大きなものを教えてもらた気がしたというか。歌詞を書くときはすごく悩みましたけど、すごくいい曲になったという手応えを持てたんですよね。ちゃんとLEGO BIG MORLの曲として成立しているし、安っぽくならず、しっかり深い関係もあって。どんぴしゃの着地点を見つけられたし、今でも「よく書けたな」って思います。

  • ヤマモトシンタロウ(B)「ワープ」この曲で初めて世に出た

    ヤマモトシンタロウ(B)
    「ワープ」ジャケット

    初期の代表作だし、この曲で初めて世に出たという感覚もあるんですよね。初めてミュージックビデオを作ったり、ラジオのパワープッシュに選んでもらったり、TSUTAYAで無料レンタルにしてもらったりしたことで、バンドの名前が広がり始めたというか。この曲が自分たちをJ-ROCKシーンに連れていってくれたんだなって思いますね。それまではライブハウスでCDを手売りしてたんですけど、この曲をきっかけに、知らない人が会場に来てくれるようになったんですよ。その延長線上にメジャーデビューがあったんだなって、今になると思いますね。そういえば僕、TSUTAYAでCDをレンタルしてくれる人を見たくて、小1時間くらい待ってたことがあったんですよ。それで借りてくれた人を見たときは、ホントにうれしかったですね。そういう気持ちはずっとあると思います。

  • アサカワヒロ(Dr)「Wait?」新しくここから進んでいく感じ

    アサカワヒロ(Dr)
    「Wait?」ジャケット

    ヒロキのケガから復活一発目のシングルだったんですけど、LEGO BIG MORLが始まった頃の雰囲気と「新しくここから進んでいく」という感じが融合した曲だと思っていて。あとはやっぱり復活のライブですよね。ヒロキが戻ってきて、この曲を演奏したときに、彼が真ん中でギターを弾いている光景は今も目に焼き付いているので。会場はLIQUIDROOMだったんですけど、ライブが終わったあと初めて大勢の人の前で泣いてしまったんです。それくらいグッとくるものがあったし、今もライブでやるときはテンションが上がりますね。

ベストアルバム「Lovers, Birthday, Music」 / 2016年6月22日発売 / A-Sketch
初回限定盤 [CD+DVD+フォトブック] 3888円 / AZZS-46
通常盤 [CD] 3024円 / AZCS-1058
CD収録曲
  1. ワープ
  2. ユリとカナリア
  3. Ray
  4. テキーラグッバイ
  5. 溢れる
  6. バランス
  7. 大きな木
  8. 正常な狂気
  9. Re:Union
  10. knock to me
  11. Wait?
  12. RAINBOW
  13. Spark in the end
  14. Strike a Bell
  15. Blue Birds Story
  16. 乱反射
初回限定盤DVD収録内容
  • dim
  • Strike a Bell
  • Ray
  • UNIVERSE Sta.
  • end-end
  • RAINBOW
  • Blue Birds Story
LEGO BIG MORL「Thanks Giving vol.7」

2016年7月1日(金)東京都 LIQUIDROOM

<出演者>
LEGO BIG MORL / BIGMAMA

LEGO BIG MORL(レゴビッグモール)

高校の同級生だったカナタタケヒロ(Vo, G)、タナカヒロキ(G)、ヤマモトシンタロウ(B)の3人と、アサカワヒロ(Dr)によって2006年に結成。地元大阪を拠点に全国各地でライブを行いながら、2008年6月に初のミニアルバム「Tuesday and Thursday」をリリースする。同年12月に発売された1stシングル「Ray」はドラマ&映画「赤い糸」の挿入歌に起用され話題を集める。2009年には1stフルアルバム「Quartette Parade」をリリースすると同時に初のワンマンツアーを開催した。2013年にタナカが事故で右手首を骨折したことを受けてバンドは一時活動休止状態に。タナカの復帰後の2014年1月にA-Sketchに移籍し、同年4月にシングル「RAINBOW」、10月にアルバム「NEW WORLD」をリリースした。2016年3月に結成10周年を迎え、6月に初のベストアルバム「Lovers, Birthday, Music」を発表。ツインギターならではの凝ったアレンジや、メロディアスなサウンドに定評がある。