音楽ナタリー Power Push - コブクロ
10年分の感謝の思いと、10年先への夢を込めて
自分たちはまだこんなライブができるんだなって感動した
──前作からの2年半を振り返ると、14年6月に台湾で初の海外ライブを経験したことは大きなトピックだったように思うんですよ。ちょっと前の話になってしまいますけど、改めて感想を聞かせていただければなと。
黒田 いやあ、あの経験はホンマに大きかったですよ。ライブ自体は日本でやってることとまったく一緒だったんやけど、あんなにテンション上がったのは初めてっていうくらいすごい盛り上がり方をして。
小渕 初海外やからウキウキ気分で行ったわけじゃないんですよ。逆にすっごくハードルの高いことだと思っていたから、ずっとヤバいヤバいって思ってた。でもね、そんな心配を超える熱狂的な盛り上がり方をしてくれたんですよね。
黒田 ホンマに大ゴケしてもいいからまた海外でライブがやりたい。毎ツアー1公演でいいから海外でやりたいですね。で、けちょんけちょんにされたい(笑)。日本だと何やってもそこそこ結果が出たり、みんな喜んでくれる状況があるけど、海外ではものすごくシビアな目で見られてる気がしたもんな。
小渕 うん。今までやってきた経験から、自分たちのライブのイメージが固まってたところもあったと思うんですよ。でも、自分たちはまだこんなライブができるんだなってすごく思えて感動したし、ある意味、初心に帰れたところがあったんで。
──短くはないキャリアの中でもたらされた新たな刺激は、未来に向けた大きな力にもなりますよね。今回のアルバムには“夢”というキーワードが随所に提示されている印象もありましたし。
小渕 そうですね。結成から17、18年やっていると、なんとなくみんながコブクロという名前を覚えてくれたみたいな感覚になることもあるんですよ。でも、それは違うと。まだまだコブクロのコの字も知らない人が日本にだって山のようにいるんですよね。だからこそ僕らは全国でくまなくライブをして、新たな人たちに出会いたいっていう夢があるんです。そうすればね、台湾で経験したように、あんなにテンションが上がるライブをすることが今でもできるんだからって。
何年かぶりに2人でカラオケに行ったんですよ
──そういった気持ちはアルバムのラストに収録されている「STAGE」という曲にしっかり反映されていますね。
小渕 ファンの皆さんと自分たちのつながりを歌ったこの曲は、けっこう今回の肝になってるんじゃないかな。僕らを支えてくれている人たちのみに対して歌った曲は、今までにほとんどないんですよ。イメージとしては、ギターを弾き始めたばかりの自分が作った曲みたいにしたいなと思ったんです。だからコードもシンプルに、誰でも押さえられるG、D、Em、Cっていう4つだけを使いました。
──過去を振り返りつつ“10年先も”という言葉が使われているのがいいですよね。
小渕 そう。ここのところ“10年前”っていうワードがよく出てきていたので、この曲で“10年先も”って言葉を書けてホッとした感じがありましたね。懐古してるだけじゃなくて、遠くにある夢みたいなものが改めて見えたなって。黒田の歌もビックリするくらいいいですしね。
黒田 この曲の歌録りのちょっと前に、たまたまいろんな偶然が重なって何年かぶりに小渕とカラオケに行ったんですよ(笑)。僕はカラオケってホンマに行かないんですけど、ひさしぶりに行ったらね、めっちゃ気持ちよく歌えて。窓ガラスがビリビリなるくらいデカい声で歌いましたからね。そこで「俺、うまいな。もっと自信持っていいな」って思っちゃったんで(笑)、それがこの曲のレコーディングに反映されました。
小渕 黒田がカラオケで歌ってる姿が面白すぎて、僕はずっと動画録ってましたけどね。珍しいなあ、みたいな(笑)。まあでも、それがあっていい歌が録れたんでホントによかったなと。
──では最後に、8月からスタートする全国ツアーについてもひと言いただけますか。
黒田 「NAMELESS WORLD」から「TIMELESS WORLD」への流れをどうライブで見せていこうかっていうことを絶賛いろいろ考えているところです。今回のアルバムで言えば、「SUNRISE」や「未来」、「STAGE」が絶対肝になっていくだろなって気はしていますね。
──10月24、25日には約5年ぶりの日本武道館もありますね。
小渕 5年ぶりかあ。武道館ってホントに予約が取れないんですよ。
黒田 有名な寿司屋くらい取られないもんな(笑)。
小渕 会場的にもステータスがありますし、初めて立ったときの感動も記憶しているので、今回もホントに楽しみですね。
- ニューアルバム「TIMELESS WORLD」2016年6月15日発売 / Warner Music Japan
- 「TIMELESS WORLD」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 4860円 / WPZL-31195~6
- 通常盤 [CD] 3240円 / WPCL-12389
CD収録曲
- SUNRISE
- 未来試聴
- 何故、旅をするのだろう
- tOKi meki
- SNIFF OUT!
- サイ(レ)ン
- hana試聴
- 星が綺麗な夜でした
- Twilight
- Tearless
- 陽だまりの道
- 42.195km
- 奇跡試聴
- NO PAIN, NO GAIN feat. 布袋寅泰
- STAGE
初回限定盤DVD収録内容
- 慶應義塾大学第57回三田祭前夜祭ライブ映像
ツアー情報
KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD”supported by Ghana
- 2016年8月27日(土)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
- 2016年8月28日(日)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
- 2016年9月10日(土)広島県 広島グリーンアリーナ
- 2016年9月11日(日)広島県 広島グリーンアリーナ
- 2016年9月21日(水)愛知県 日本ガイシホール
- 2016年9月22日(木・祝)愛知県 日本ガイシホール
- 2016年10月1日(土)愛知県 日本ガイシホール
- 2016年10月2日(日)愛知県 日本ガイシホール
- 2016年10月8日(土)愛媛県 ひめぎんホール
- 2016年10月9日(日)愛媛県 ひめぎんホール
- 2016年10月24日(月)東京都 日本武道館
- 2016年10月25日(火)東京都 日本武道館
- 2016年11月2日(水)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2016年11月3日(木・祝)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2016年11月9日(水)新潟県 新潟県民会館
- 2016年11月10日(木)新潟県 新潟県民会館
- 2016年11月19日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
- 2016年11月20日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
- 2016年11月26日(土)福岡県 マリンメッセ福岡
- 2016年11月27日(日)福岡県 マリンメッセ福岡
- 2016年12月5日(月)宮崎県 宮崎市民文化ホール
- 2016年12月6日(火)宮崎県 宮崎市民文化ホール
- 2016年12月17日(土)大阪府 京セラドーム大阪
- 2016年12月18日(日)大阪府 京セラドーム大阪
コブクロ
1998年、路上ライブをしていた小渕健太郎と黒田俊介が出会い結成。2000年3月に梅田バナナホールで初ワンマンライブを敢行し、2001年シングル「YELL~エール~」でメジャーデビュー。2005年に発売したシングル「ここにしか咲かない花」「桜」がロングヒットを記録する。2006年5月には初の日本武道館公演を大成功に収め、続いてリリースしたシングルコレクションアルバム「ALL SINGLES BEST」は300万枚を超える大ヒットに。その後も数々のヒット曲やコラボ作を発表し、活動の幅をさらに拡大させるが、2011年8月に小渕が発声時頸部ジストニアを患っていること、黒田も持病の腰痛や喉の疲労が悪化したことから、療養期間に入る。そして2012年4月に活動再開を発表。2015年12月発売のシングル「未来」は映画「orange -オレンジ-」の主題歌として話題になった。2016年6月には約2年半ぶりのアルバム「TIMELESS WORLD」をリリース。