音楽ナタリー Power Push - コブクロ

10年分の感謝の思いと、10年先への夢を込めて

戎橋でのストリートライブの記憶が忘れらなかった

──本作は、2005年にリリースされたアルバム「NAMELESS WORLD」とタイトルやジャケットのアートワークがリンクする内容になっていますよね。

コブクロ「NAMELESS WORLD」ジャケット
「TIMELESS WORLD」の初回限定盤に封入されるフィルムを「NAMELESS WORLD」のジャケットに重ねたイメージ図。

小渕 はい。そもそもは映画「orange -オレンジ-」の主題歌として書き下ろさせていただいた「未来」のジャケットから始まったアイデアで。「orange -オレンジ-」は10年後から手紙が届くというストーリーだったので、僕らが10年前に出した「桜」のジャケットから10年分の未来を描いたジャケットにしたんです。で、じゃあ10年前のアルバムはなんだっけって考えてみると、「NAMELESS WORLD」だったんですよね。そのときのジャケットは“名もなき世界”っていうことで真ん中を丸く開けたものだったから、今回はその丸い部分を何かで埋めて、タイトルも「~LESS WORLD」にして10年前と紐付けるのはどうかなっていう話になったんです。

──10年前に開いていた丸の中は今回、ファンから募った写真を使ったモザイクアートで埋められました。描かれているのは、コブクロがかつてストリートライブをしていた大阪の戎橋です。

黒田 ジャケットのアイデアが決まったあと、“TIMELESS”っていうキーワードが出てきて。そこで自分たちにとってタイムレスなものってなんやろうって考えると、やっぱり聴いてくれる人ちゃうかなって思えたんですよね。

小渕 うん。この10年を振り返ったときに、僕らを支えてくれていたのはファンの皆さんしかいないなって思えた。だから皆さんの写真で埋めようと。で、そこに何を描くかってなると……。

黒田 俺らはストリートから出てきたし、そこで歌ってた感覚は今でも気持ちとして残ってるんで、やっぱり戎橋がいいんじゃないかなって。

小渕 いろんな場所でストリート(ライブ)をやったけど、パッと浮かんだのは戎橋だったんですよ。橋の上だから前にも後ろにも空が広がっていて、なんかもう地球を1周して自分たちに向けて歌ってるんじゃないかっていう感覚になる戎橋での記憶が忘れらなかったから。そういう意味ではホントに2人の強い思いが込められたジャケットになったなって思いますね。

「神社仏閣のような曲」を作るということ

──「TIMELESS WORLD」といタイトルからは、コブクロが紡ぎ、歌っている楽曲たちをタイムレスな存在にしていきたいという決意も感じました。そういった思いってありますか?

黒田 うん。もちろんありますよ。

小渕 ただね、それって結局狙ってやることはできないと思うんですよ。だから僕らは1曲に対して100回、200回と聴き返して、ダメだなと思うところをしつこく直すっていう作業を繰り返すしかないというか。そうやって今まで作ってきた曲は実際長く歌えてますからね。

──時を超えて愛され続ける楽曲を生み出すためには、真摯に音楽と向き合い、徹底して楽曲を磨いていくことしかないと。

黒田 そうですね。その時々でベストを尽くしてるっていう自負はもちろんありますから。でも長く聴き継がれる歌には、それ以外の何かも必要なんやろうなっていうのは思ったりもするんですよ。それってなんなんやろうなって。

小渕健太郎

小渕 僕は最近、強さも必要だなっていうことをよく思うんですよ。単純にいい曲であればいいとか、人に響けばいいってことではなく、たとえ雨ざらしのような環境であっても生き続けられる強さっていうのは楽曲にも必要なんじゃないかなって。タイムレスっていうワードに関して黒田と話しているときに、一番タイムレスなものは神社仏閣やろっていう結論に達して(笑)。

黒田 あははは(笑)。ホンマそうなんですよ。あれが一番、日本に根付いたタイムレスなもんなんですよね。

小渕 建てたときはそう思ってないはずなんですけど、何百年もの時間を超えて今も残ってるわけですからね。

黒田 「だから俺らも神社仏閣になる」ってわけのわからんことを言い出して。「拝まれたい! 賽銭投げられたい!」っつって。あははは(笑)。

小渕 でも神社仏閣のように雨にも負けない、風にも負けない強い曲を作るってことは本当に大事なことだと思いますね。そのためには、時にはぬくもりがあったり、時にはざらついたり、トゲがあったりとどんな形にも化ける木のようなものが必要なんだけど、コブクロにとってそういう存在が黒田の声なんですよ。生命が通った強さを持っている黒田の声が僕らの曲にはやっぱり重要なんだなって、そういうことを最近は改めて感じてますね。

ニューアルバム「TIMELESS WORLD」2016年6月15日発売 / Warner Music Japan
「TIMELESS WORLD」
初回限定盤 [CD+DVD] 4860円 / WPZL-31195~6
通常盤 [CD] 3240円 / WPCL-12389
CD収録曲
  1. SUNRISE
  2. 未来試聴
  3. 何故、旅をするのだろう
  4. tOKi meki
  5. SNIFF OUT!
  6. サイ(レ)ン
  7. hana試聴
  8. 星が綺麗な夜でした
  9. Twilight
  10. Tearless
  11. 陽だまりの道
  12. 42.195km
  13. 奇跡試聴
  14. NO PAIN, NO GAIN feat. 布袋寅泰
  15. STAGE
初回限定盤DVD収録内容
  • 慶應義塾大学第57回三田祭前夜祭ライブ映像
ツアー情報
KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD”supported by Ghana
  • 2016年8月27日(土)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
  • 2016年8月28日(日)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
  • 2016年9月10日(土)広島県 広島グリーンアリーナ
  • 2016年9月11日(日)広島県 広島グリーンアリーナ
  • 2016年9月21日(水)愛知県 日本ガイシホール
  • 2016年9月22日(木・祝)愛知県 日本ガイシホール
  • 2016年10月1日(土)愛知県 日本ガイシホール
  • 2016年10月2日(日)愛知県 日本ガイシホール
  • 2016年10月8日(土)愛媛県 ひめぎんホール
  • 2016年10月9日(日)愛媛県 ひめぎんホール
  • 2016年10月24日(月)東京都 日本武道館
  • 2016年10月25日(火)東京都 日本武道館
  • 2016年11月2日(水)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2016年11月3日(木・祝)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2016年11月9日(水)新潟県 新潟県民会館
  • 2016年11月10日(木)新潟県 新潟県民会館
  • 2016年11月19日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2016年11月20日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2016年11月26日(土)福岡県 マリンメッセ福岡
  • 2016年11月27日(日)福岡県 マリンメッセ福岡
  • 2016年12月5日(月)宮崎県 宮崎市民文化ホール
  • 2016年12月6日(火)宮崎県 宮崎市民文化ホール
  • 2016年12月17日(土)大阪府 京セラドーム大阪
  • 2016年12月18日(日)大阪府 京セラドーム大阪
コブクロ

1998年、路上ライブをしていた小渕健太郎と黒田俊介が出会い結成。2000年3月に梅田バナナホールで初ワンマンライブを敢行し、2001年シングル「YELL~エール~」でメジャーデビュー。2005年に発売したシングル「ここにしか咲かない花」「桜」がロングヒットを記録する。2006年5月には初の日本武道館公演を大成功に収め、続いてリリースしたシングルコレクションアルバム「ALL SINGLES BEST」は300万枚を超える大ヒットに。その後も数々のヒット曲やコラボ作を発表し、活動の幅をさらに拡大させるが、2011年8月に小渕が発声時頸部ジストニアを患っていること、黒田も持病の腰痛や喉の疲労が悪化したことから、療養期間に入る。そして2012年4月に活動再開を発表。2015年12月発売のシングル「未来」は映画「orange -オレンジ-」の主題歌として話題になった。2016年6月には約2年半ぶりのアルバム「TIMELESS WORLD」をリリース。