Ken Yokoyama|Ken Bandの15年の歩みとこれから

Descendentsみたいな曲がやりたかった

──今作には新曲が2曲入ってます。

横山 1曲目の「I Fell For You, Fuck You」は、Descendents(1978年に結成されたアメリカのパンクバンドで、西海岸パンクの代表的存在)みたいな曲をやりたいなと思って作った曲。Minamiちゃんが、曲のきっかけを持ってきてくれて、それ聴いて僕の火がついたという感じです。

──バンドの現在形を素直に焼き付けたという感じですか?

Minami どうなんでしょうね?

横山 ちょっと違ったところに行った気がする。

Hidenori Minami(G)

Minami 次のアルバムにこういう曲が入るかっていったら、たぶん入らないと思うんです。コンピ用ってことで、遊び心……じゃないですけど。

横山 うん、そうね。普段アルバムを作るときにはないような思い切りはあるかもしんないですね。アルバムを作るときにはもうちょっと全体像を計算して作るんです。要するに恐る恐る作ってたりするわけですよ、アルバムの曲っていうのは。

──慎重になる。

横山 そう。なので今回は意外と屈託なく作っちゃいましたね。

──そのぶん、やりたいことを素直にやれたと。

横山 うん。そうとも言えます。

──歌詞はどうでしょう。えらく生々しいですが実体験ですか?

横山 うーん……そう……ですねえ。ははははっ!(笑) いや、せっかくDescendentsみたいな曲ができたんだったら、自分のナードな部分を出してもいいのかなと思って。実体験かどうかはまあ置いといて。

Jun わはははは!(笑)

横山 まあ切実な思いは入ってますよね。「自分がもうちょっと背が高かったら」とか(笑)。

「Swap The Flies Over Your Head」は“歌謡ロカビリー”

──もう1曲の新曲「Swap The Flies Over Your Head」はどういう経緯でできた曲ですか?

横山 これはメロディを先に思い付いたんです。外でごはんを食べてるときに突然思い付いて、「ちょっと一服してくるわ」って店を出て、思い付いたメロディを道で口ずさんで録って。それをあとで聞き返してみたら、中森明菜みたいな曲だったんです。歌謡曲みたいで。弱ったなと思ったんですけど、それにロカビリーのビートを当てはめて歌謡ロカビリーみたいにしたらカッコいいんじゃないかと。

──これも「Sentimental Trash」以降でないと作れない曲だったかも。

横山 そうですね、うん。そういう部分もてらいなく出せるようになったということでしょうね。

──歌詞がえらく攻撃的ですが、これは何か明確に対象があるんですか?

横山 あるんですけど、何かっていうのはちょっと言えないです(笑)。

──そういう普段日常的に感じている自分の感情みたいなものは、詞を書くときの大きなきっかけになる?

横山 そうですね。でも50歳前にしてこんな歌詞を書いてる自分に安心しますけどね(笑)。

──年取って物わかりがよくなるだけじゃないと。

横山 そうですね、うん、それは大事だと思います! パンクで育った人間だから。世の中の流れにあまり自分をはめ込みたくない。歳を取ったらこうしなきゃいけないとか、ある程度必要になってくるじゃないですか。でもそうじゃない自分もしっかりいたりして。それを出せるかどうかってけっこう瀬戸際だと思うんですね。すごくささいなことだけど、すごく繊細な難しい問題だと思うんです。

Ken Yokoyama

ゲストボーカリスト・チバユウスケ

──今作にはそのほか3曲の新録音源が入っています。3曲ともカバーなんですが、中でもThe Clashがカバーして有名になったヴィンス・テイラーの「Brand New Cadillac」は、The Birthdayのチバユウスケさんがボーカルで参加しています。

横山 ここ数年The Birthdayと対バンすることが増えて。「Pressure Drop」(Toots & the Maytalsのカバー。「Sentimental Trash」収録)をライブでやるとき、よくチバくんを招き入れてたんですね。

──「Pressure Drop」もThe Clashがカバーして有名になった曲ですね。

横山 なんとなくKen Bandとチバくんの共通項ってThe Clashのような気がしたんです。で、The Clashの曲でほかに何やりたいってチバくんに聞いたら、「Brand New Cadillac」がカッコいいんじゃない?って言うんで、じゃあ録っちゃおうと。

──レコーディングはスタジオに来てもらって?

横山 はい。目の前で歌ってもらいました。すごかったですよ。

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マッチャンの脱退

Ken Yokoyama
「Songs Of The Living Dead」
2018年10月10日発売 / PIZZA OF DEATH RECORDS
Ken Yokoyama「Songs Of The Living Dead」

[CD] 2700円
PZCA-85

Amazon.co.jp

収録曲
  1. I Fell For You, Fuck You
  2. My Shoes
  3. What Kind Of Love
  4. My Day
  5. Nervous
  6. Don't Wanna Know If You Are Lonely
  7. Swap The Flies Over Your Head
  8. If The Kids Are United
  9. You're Not Welcome Anymore
  10. Walk
  11. Sayonara Hotel
  12. Going South
  13. Brand New Cadillac
  14. Dead At Budokan
  15. Hungry Like The Wolf
  16. Nothin' But Sausage
  17. Living After Midnight
  18. A Stupid Fool
  19. A Decade Lived
  20. Soulmate
ツアー情報
Ken Yokoyama「Songs Of The Living Dead Tour」
  • 2018年10月18日(木)神奈川県 CLUB CITTA' 出演者Ken Yokoyama / SHADOWS
  • 2018年10月24日(水)福岡県 DRUM LOGOS 出演者Ken Yokoyama / HEY-SMITH
  • 2018年10月26日(金)鹿児島県 CAPARVO HALL 出演者Ken Yokoyama / BACKSKiD
  • 2018年10月27日(土)熊本県 熊本B.9 V1 出演者Ken Yokoyama / S.M.N.
  • 2018年10月29日(月)広島県 広島CLUB QUATTRO 出演者Ken Yokoyama / サンボマスター
  • 2018年10月30日(火)愛媛県 WStudioRED 出演者Ken Yokoyama / サンボマスター
  • 2018年11月3日(土・祝)秋田県 Club SWINDLE 出演者Ken Yokoyama / UNLIMITS
  • 2018年11月4日(日)青森県 青森Quarter 出演者Ken Yokoyama / UNLIMITS
  • 2018年11月6日(火)宮城県 Rensa 出演者Ken Yokoyama / COUNTRY YARD
  • 2018年11月7日(水)福島県 HIPSHOT JAPAN 出演者Ken Yokoyama / COUNTRY YARD
  • 2018年11月12日(月)群馬県 高崎clubFLEEZ 出演者 Ken Yokoyama / rem time rem time
  • 2018年11月13日(火)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX 出演者 Ken Yokoyama / ENTH
  • 2018年11月15日(木)石川県 金沢EIGHT HALL 出演者 Ken Yokoyama / HAWAIIAN6
  • 2018年11月16日(金)新潟県 NIIGATA LOTS 出演者 Ken Yokoyama / HAWAIIAN6
  • 2018年11月27日(火)大阪府 なんばHatch 出演者 Ken Yokoyama / SiM
  • 2018年11月28日(水)愛知県 DIAMOND HALL 出演者 Ken Yokoyama / SAND
  • 2018年12月6日(木)東京都 新木場STUDIO COAST 出演者 Ken Yokoyama / Dizzy Sunfist
Ken Yokoyama(ケンヨコヤマ)
Ken Yokoyama
Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSのギタリストである横山健が2004年に始動させたバンド。同年2月に1stアルバム「The Cost Of My Freedom」をリリースした後、コリン(G)、サージ(B)、Gunn(Dr)を率いてライブ活動を開始させた。2005年の2ndアルバム「Nothin' But Sausage」をはじめ定期的に作品を発表。2008年1月に初の東京・日本武道館公演を実施した。この公演を最後にコリンが脱退し、新たにHidenori Minami(G)が加入。同年秋にはサージも脱退し、Jun Gray(B)が加入する。その後も作品を精力的に発表し、2010年10月には「DEAD AT BAY AREA」と題したアリーナライブを神戸と幕張で実施した。その後Gunnが脱退し、松浦英治(Dr)が加入。2012年11月に5thアルバム「Best Wishes」をリリースした。2013年11月には横山のドキュメンタリー映画「横山健 -疾風勁草(しっぷうけいそう)編-」が全国60館の劇場にて公開され、2014年9月に「Stop The World」を収めたCDが付属したDVD「横山健 -疾風勁草編-」を発売した。2015年7月には8年4カ月ぶりとなるシングル「I Won't Turn Off My Radio」をリリースし、テレビ朝日系「ミュージックステーション」に初出演。大きな話題を呼んだ。9月にニューアルバム「Sentimental Trash」を発表し、同月より年をまたいだ全国ツアー「Sentimental Trash Tour」を開催した。2016年3月には2度目となる武道館公演を実施。2018年6月にNAMBA69とのスプリットアルバム「Ken Yokoyama VS NAMBA69」を発売し、2組によるスプリットツアーも大成功に収めた。10月コンピレーションアルバムやトリビュートアルバム参加曲などを集めたセルフコンピレーションアルバム「Songs Of The Living Dead」をリリースする。