「ここから飛躍して行くぞ」という覚悟のアルバム
──「I will be your love (Sparkle ver.)」は岸田勇気さんのピアノアレンジが美しいですね。
「Boogie Back」より前に、日本武道館のステージで人生で初めて人前で歌わせてもらった楽曲なので、私のスタート地点と言える1曲ですね。私の東京生活はここから始まったと言っても過言ではないと言うか。今までのライブでもこの楽曲を歌わなかったことはないので、今回はよりストレートに楽曲を伝えたいと思い、声とピアノだけのアレンジにしてみました。
──ピアノのみのアレンジにすることで、この曲のメロディ特有のスタンダード性がより浮き彫りになっていますね。ディズニーのアニメの主題歌でも成立しそうと言うか。
そうですね。岸田さんのおかげで、まだまだいろんな可能性を秘めた楽曲なのだということに気付かされました。
──そしてラストの「again」は、「近未来」同様、作詞を井上さんが単独で手がけた曲です。
実はこの楽曲が、14歳の頃、違う歌詞が乗った形で私が初めて制作したオリジナル楽曲です。歌詞は私がアルバムの制作に際して書き直したものですが、テーマは母への思いを込めています。私は思春期の頃、母とあまりうまくいっていなかったことが、ずっと心のしこりになっていたので、それをいつか曲にしたいと思っていました。直接「母」という言葉は使ってはいませんが、母への感謝であり、今まで伝えきれなかった思いを込めた大切な楽曲となりました。
──母という言葉を使っていないから、ラブソングとも巣立ちの曲とも捉えられます。そして「殴った胸の奥」「濁った瞳の奥」というリリックがいい。僭越ながらこれはなかなか書けないぞと思いました。
うれしい! そこは私から湧き出た素直な感情を書き表せた気がしていたので。作詞は苦労しましたけど、その分、たくさんの人に「自分にも当てはまる歌かも?」と感じてもらえたらうれしいですね。
──ちなみに、お母さんにこの曲のことはもう伝えたのですか?
まだです。取材では、今初めて話しました(笑)。
──お母さんのリアクションが楽しみですね(笑)。さて、駆け足でアルバムについてお話しいただきましたが、晴れて1stアルバムをリリースして、今後のビジョンについては?
私の中では、「ここから飛躍して行くぞ」という覚悟のアルバムだと思っています。本当にたくさんの方との出会いで完成した1枚ですし、これからも新しいコラボレーションに挑戦していきたい。最近は作曲も挑戦しているので、出会いを大切にしながら、「強い女」という方向性をベースに、どんどん変わり続けていきたいと思っています。
──リスナーについては自分の中で明確なイメージがありますか?
もちろん男女や世代の区別なく、幅広い方々に聴いていただけたらうれしいですけど、私と同世代の女性には特に聴いてほしいし、男性にも「カッコいい」と言わせたいですね(笑)。
──そのためにはライブも重要ですね?
まず私自身を知ってもらえるように、近い距離感のライブをしていこうと考えています。「Sparkle」を聴いて、ぜひ足を運んでください!
- 井上実優「Sparkle」
- 2018年3月21日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤 [CD+DVD]
3240円 / VIZL-1345 -
通常盤 [CD]
2808円 / VICL-64972
- CD収録曲
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- 近未来
- Boogie Back
- Slave (album ver.)
- この空の果て
- Robin
- Break down
- 消えない
- Shake up
- I will be your love (Sparkle ver.)
- again
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 「この空の果て」Music Video
- 「この空の果て - Behind the Scenes -」
- 井上実優(イノウエミユ)
- 1997年生まれ、福岡県出身の女性シンガー。小学校6年生のときに出場した音楽コンテスト「唐津ジュニア音楽祭」をきっかけに、音楽塾ヴォイス主宰の西尾芳彦に出会う。中学生の頃から作詞作曲と歌唱の研鑽を積み、高校入学を機に本格的に曲作りをスタート。2016年春に上京し、7月には東京・日本武道館で行われたライブイベント「スカパー! Presents『FULL CHORUS ~音楽は、フルコーラス~』 in 日本武道館」に出演し、ステージデビューを果たす。2017年4月にシングル「Boogie Back」でビクターエンタテインメント内のレーベル・ビクターレコーズよりメジャーデビューを飾る。8月に新作CD「Shake up EP」を、ドラマ「科捜研の女」主題歌を収録した2ndシングル「この空の果て」を発表。2018年3月に1stアルバム「Sparkle」をリリースする。