音楽ナタリー Power Push - 井上実優
音楽塾ヴォイス出身の19歳、メジャーデビュー
井上実優がメジャーデビューシングル「Boogie Back」を、4月19日にビクターエンタテインメント内のレーベル・ビクターレコーズよりリリースする。彼女は数多くの有名アーティストを輩出したことで知られる福岡の名門・音楽塾ヴォイスの出身で、中学生の頃からポップミュージックの総合的なレッスンを積み重ねてきた、19歳のシンガーである。パンチ力のあるボーカルを武器に、昨年春に上京すると、7月にはデビュー前にも関わらず人生初のステージを東京・日本武道館で経験したことで話題を呼んだ。音楽ナタリー初登場となる今回のインタビューでは、内向的だったという幼少期のエピソードからデビューを迎えた今日までの歩みをじっくりと語ってもらった。
取材・文 / 内田正樹 撮影 / 草場雄介
子供の頃は“内気の極み”だった
──音楽関係の媒体では今回がほぼ初めてのインタビューということですが、ぶっちゃけ、今緊張されていますよね?
いや……してますね、はい(笑)。
──緊張している感じがひしひしと伝わってきます。
すみません……(笑)。
──いえいえ(笑)。プロフィールを拝見すると「小学校6年生のときに出場した“唐津ジュニア音楽祭”というイベントがきっかけで音楽塾ヴォイス主宰の西尾芳彦氏と出会う」とありますが、今回はデビューに際してのインタビューということで、それ以前からのお話も少し伺っていこうと思います。そもそも小さい頃はどんなお子さんでしたか?
性格は内気の極みでした。いつもすぐに顔が真っ赤になってしまうので、授業中に手を1回も挙げたことはありませんでした。挙げること自体がもう恥ずかしかったので。
──勉強ができる、できないではなく、ともかく人前でしゃべりたくない?
はい。問題の答えがわかっていても、先生から何を言われても「私はけっこうです」など言ってしまう感じでした(笑)。周りからは本当につまらない人だと思われていたと思います。
──そうすると友達もどちらかというと絞られますよね。
そうですね……(笑)。幼稚園の頃からの親友が1人いるくらいでした。小学生のときは、ずっと1人で絵を描いている時間が多かったし、アクティブに動くことも好きじゃなかった。どちらかというと放っておいてほしいという空気を発していたと思います。
お父さんが綿密な計画を練っていた
──その当時の音楽との関わり合いは?
小4の頃はmihimaru GTさんとかSuperflyさんが流行っていたので、よく聴いていました。それから父の薦めで聴いた福原美穂さんにハマって。ものすごく憧れて、熱中して聴きました。歌い方は福原さんの影響を受けていると思います。今でも大好きです。
──お父さんが音楽好きだったのですか?
昔アマチュアでバンドもやっていた音楽好きで、洋楽も邦楽もいろいろと聴かせてくれました。サザンオールスターズさんとかMr.Childrenさんといったベテランのアーティストも、父が車の中でひと通り聴かせてくれて。うちは4人家族なのですが全員音楽好きで。母もaikoさんとか松田聖子さんが好きで、週に1度は一家でカラオケに通っていました(笑)。
──学校では内向的でも家族の前だと難なく歌えた?
身内だからか、そこは不思議と大丈夫でした。
──それから小6になって、「唐津ジュニア音楽祭」に出場するわけですね。
地元の福岡県の隣、佐賀県にある唐津市の音楽祭だったのですが、お父さんが「もう応募しといたから」みたいな感じで、勝手に応募して。音楽に関してはお父さんがほとんど勝手に決めていましたね(笑)。
──つまりお父さんなりに娘を英才教育して機を伺っていたわけだ?
どうやら父の中では綿密な計画が練られていたみたいで(笑)。正直、私は、低学年まではかなり音痴でした。それが小4くらいから急に音が取れるようになって、カラオケでも「なんかうまくなってきたね」と褒められるようになって。小6になった頃、父が賭けに出始めた感じを私もなんとなく察知して(笑)。そもそも音楽に限らず、可能性のあることはなんでもやらせようとしてくれた家でしたが、こと音楽については私より熱心でしたね。
──楽しいご両親ですね。
本当にそう思います。今はとても感謝しています。
──音楽祭のステージは緊張しなかったんですか?
それが不思議とあまり緊張しませんでした。
──で、その音楽祭で審査委員長をされていた西尾氏から最優秀賞をもらえると、彼が主催している音楽塾ヴォイスに入塾できる資格がありますよ、という流れで、見事そうなったと。
はい。とにかく一生懸命歌っただけでしたけど(笑)。
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- デビューシングル「Boogie Back」2017年4月19日発売 / ビクターレコーズ
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / VIZL-1146
- アニメ盤 [CD] 1080円 / VICL-37263
- 通常盤 [CD] 1296円 / VICL-37262
通常盤 / 初回限定盤CD収録曲
- Boogie Back
- Slave
- I will be your love
- Boogie Back(instrumental)
- Slave(instrumental)
- I will be your love(instrumental)
アニメ盤CD収録曲
- Boogie Back
- I will be your love
- Boogie Back(TV version)
- Boogie Back(instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- Boogie Back Music Video
- I will be your love 20160729
井上実優(イノウエミユ)
1997年生まれ、福岡県出身の女性シンガー。小学校6年生のときに出場した音楽コンテスト「唐津ジュニア音楽祭」をきっかけに、音楽塾ヴォイス主宰の西尾芳彦に出会う。中学生の頃から作詞作曲と歌唱の研鑽を積み、高校入学を機に本格的に曲作りをスタート。2016年春に上京し、7月には東京・日本武道館で行われたライブイベント「スカパー! Presents『FULL CHORUS ~音楽は、フルコーラス~』 in 日本武道館」に出演し、ステージデビューを果たす。2017年4月にシングル「Boogie Back」でビクターエンタテインメント内のレーベル・ビクターレコーズよりメジャーデビューする。