ナタリー PowerPush - 家入レオ

「この世界に染まりたくない」17歳の決意

痛みを痛みとして叫びたい

──音楽塾に通い始めて、いろんなことが動き出していったんですね。

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そうです。何か面白いことが始まる希望を感じられる場所がそこしかなかったので。

──当時から歌いたいことは明確にあった?

そうですね。痛みを痛みとしてちゃんと叫びたいなと思ってました。

──16歳で単身上京することも相当な覚悟があったと思うんですけど。

東京って、自分の未来に保険をかけずにがんばっている人がたくさんいるじゃないですか。絶対に厳しいことが待ってるけど、本気で音楽と生きていきたいと思ったので。上京して、こんなに素敵な大人もいるんだなって思えたのも大きかったですね。

──上京してから曲や音楽観に変化はあった?

ありました。ロック的なサウンドを求める部分が大きくなったし、ヘビーな曲も増えたんですよね。明るい曲もできるんですけど、その感情の振り幅がさらに激しくなってきて。

──振り幅が激しくなったのはなぜだと思いますか?

言い訳みたいになるのはヤなんですけど、やっぱりまだ私は17歳で。がんばろうと思っても付いていけない子供の自分がいるし、そういう自分を感じてイライラしたりするんですよね。それとは逆に、今まで知らなかった温かい気持ちを覚えて、幸せな曲も書けたし。アルバムに収録されている「キミだけ」や「明日また晴れますように」「ミスター」はそういう曲ですね。

──その3曲は、軽やかさやポップな部分が押し出されている。

そうですね。自分にそういう気持ちがあることを知ってうれしかったし、でも感情の激しい振れ幅の間で揺れる葛藤はまだまだありますね。

おいしく聴ける賞味期限がある

──レオさんはこれまでの人生経験を通して、俯瞰的に自分や周囲を見る視点を養ってきたと思います。だからこそ、17歳である自分の揺らぎも強く実感していて。揺らいでいる今の自分を鋭く対象化できているから、1曲1曲によどみない意思と強い存在感を感じさせるアルバムを作れたのだと思います。

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そうですね。だから、もがいている自分を曲にして、それをそのまま発表させてくれる環境にも感謝しているんです。このアルバムは17歳の私だからこそ歌える曲にこだわって作ったし、変な話、おいしく聴ける賞味期限があると思うんです。17歳の私が歌うからこそ届く曲と、大人になった私が歌うからこそ届く曲があると思うので。だから17歳の内に歌える歌をとにかく詰め込みたかったです。

──僕ね、これからその質問をしようとしていたんです。

そうなんですか。

──ちょっと意地悪な質問かもしれないですけど、という前提で。このアルバムに入ってる曲は17歳のレオさんだからこそ説得力を宿せるもので、これからソングライターとして変わらなきゃいけない部分と、自ずと変わっていく部分があると思います、と。それについてはどう思いますか?って。でも今、先に答えを言ってくれましたね(笑)。

あはははは(笑)。でも、ホントにそう思うんです。ホントは、もっとヘビーな曲やもっと激しいギターソロが入った曲もあって、それを入れたいとも思っていたんですけど。そういう曲は、私がもう少し大人になってからのほうが届くなと思って。

日本人ならではの発想にこだわりたい

──サウンドがすごくバリエーションに富んでますけど、先程の「ロック的なサウンドを求める部分が大きくなった」という言葉があったように、ロックをベースにしていますよね。で、メロディは歌謡曲的な趣があって。

そうなんです。ベースはロックなんですけど、日本人の耳ってロックの要素だけだと入り込みづらいときもあるのかなって思うんです。私はそこに歌謡曲的なメロディがあることで、日本人らしさが出ると思っていて。小さい頃に中森明菜さんやレベッカをよく聴いてたので、自然とその影響が出ていると思います。そこに加えてTHE BEATLESもよく聴いてました。あとは、桑田佳祐さんをすごくリスペクトしていて。桑田さんが作る曲のコード進行って、めちゃくちゃ洋楽的なんだけど、メロディに歌謡曲的なキャッチーさを感じます。

──さらに日本語の歌詞を英語っぽく発音する発明もしましたよね。

そうなんですよね。そうやって日本人ならではの発想、やり方で海外で生まれたロックの要素を取り入れたいなと思っていて。そこは結構こだわってます。

──そういう考えは以前から持っていたんですか?

デビューしてからですね。最初は無自覚に曲を作っていたんですけど、プロデューサーさんに私の個性を導いてもらうことで、自覚的になっていきました。

CD収録曲
  1. サブリナ
  2. Last Stage
  3. Say Goodbye
  4. Shine
  5. 明日また晴れますように
  6. Second Dream
  7. キミだけ
  8. Bless You
  9. Fake Love
  10. Hello
  11. ミスター
  12. Lady Mary
  13. Linda
DVD収録内容
  1. イジワルな神様 [Music Video & Making]
  2. Live from SETSTOCK'12
  3. LEO Files 2011-2012

iTunes Storeにて配信中!

レコチョクにて着うた®、着うたフル®配信中!

LIVE INFORMATION
家入レオ 1st ワンマンツアー“LEO”

2013年1月17日(木)
福岡県 福岡DRUM Be-1

2013年1月19日(土)
大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2013年1月20日(日)
愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2013年1月25日(金)
東京都 渋谷CLUB QUATTRO

家入レオ 1st ワンマンツアー“LEO” 追加公演

2013年3月9日(土)
大阪府 大阪BIG CAT

2013年3月17日(日)
東京都 赤坂BLITZ

家入レオ(いえいりれお)

プロフィール画像

1994年生まれ、福岡県出身の女性シンガーソングライター。幼少時代にピアノを習い始め、小学校時代は合唱部に所属するなど幼い頃から音楽に親しむ。13歳のときに自ら音楽塾ヴォイス福岡校の門を叩き、同塾の主宰者である西尾芳彦に師事する。圧倒的な存在感を放つ透明感あふれる歌声、強い意志を感じさせる詞世界が魅力。2012年2月にシングル「サブリナ」でメジャーデビューを果たし、同年5月に2ndシングル「Shine」、9月に3rdシングル「Bless You」をリリースする。同年10月に1stアルバム「LEO」を発表。