羊文学の表現を支えるクリエイターたち
小高真理(malamuteデザイナー)
<「Tour 2021 "Hidden Place"」を終えて>
羊文学の曲は水の中を漂うような心地のよさと、ちょっと肌寒い秋の朝のような鼻の奥がツンとするざわつく感覚が同居するイメージがありました。その曲たちは抗うことなく前に進むための日常に寄り添ってくれます。
シアー素材のブルーのプリーツに、ドレープがたっぷりと入り、演奏するたび衣装に動きが生まれ、プリーツのヒダのゆらゆらと羊文学というバンドから漂う幻想的なイメージがマッチしていてカッコよかったです。
<羊文学との出会い、思い出>
羊文学とは音楽プロデューサーの吉田仁さんの紹介で出会いました。吉田仁さんは羊文学をはじめフリッパーズ・ギターやthe pillowsなどのプロデュースをされていて、malamuteのランウェイショーのオリジナルミュージックをプロデュースしていただきました。そこから羊文学をYouTubeでよく聴くようになり、衣装で携わることになりました。
ライブを初めて見させてもらったリキッドルームでの「1999」が今でもとても印象に残っています。
malamuteマラミュート | knit brand malamute
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Yuki Kawashima(カメラマン)
<「Tour 2021 "Hidden Place"」を終えて>
「Tour 2021 "Hidden Place"」はPAや照明など数多くのチームスタッフが帯同した初めてのツアーでした。
3公演ではありましたが今まで以上によりよい関係性が築けたツアーになったと思います。
ファイナルは最初で最後のスタジオコーストワンマンライブだったので、カメラマンとして、またいちファンとして満員のお客さんと素晴らしい時間を共有できて幸せでした。
個人的に名古屋、大阪公演と動画を回しメイキングムービーを制作できたことがよかったです。
近い関係性ならではの映像が仕上がりました。
5月末からの「Tour 2022 "OOPARTS"」は初の全国7都市を回るツアーなので、スタッフの一員として羊文学の更なる羽ばたきを近くで見届け記録したいです。
<羊文学との出会い、思い出>
羊文学との出会いは2017年、1stEPの「トンネルを抜けたら」を友人のミュージシャンBOMIちゃんから教えてもらったのがきっかけです。
初めて「Step」を聴いた時に撮りたいと思い塩塚にメールをしました。
まだアシスタントで実績もなかったので、信用してもらうために自分なりの努力をしました。
この秘話は長くなるのでまたどこかで。
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kika(ヘアメイク)
<「Tour 2021 "Hidden Place"」を終えて>
メンバーが安心して自信をもってステージに立てるように、いつも通りを心がけています。今日もかわいいよ!という気持ちで舞台袖からいつも送り出します。
下北沢のライブハウスから見てきているので、舞台袖から見える景色がどんどん大きく、お客さまの数も増えて、コーストの舞台袖でひとりでグッときてました。
<羊文学との出会い、思い出>
カメラマンの川島くんが「いいバンドがいるから聴いてみて」と教えてくれてから、今日まで約4年。メンバーとの思い出も曲への思い出もありすぎて、でも全て思い出せるような思い出ばかりです。
メジャーになるまで、ヘアメイクはもちろん、メンバーの衣装も用意していたのは大変だったけどいい思い出です。
佐藤円(照明)
<「Tour 2021 "Hidden Place"」を終えて>
エピソードはドタバタすぎてほぼ作業していたので特にない、かもです……。
感じ方や楽しみ方はそれぞれだと思うのですが、大袈裟でなく会場ごと高揚していく瞬間が少しでもあったらいいなというのと、来場した皆さんが普段曲を聴いている日常と、日常の非日常に少しでもリンクする瞬間があったらいいなと。
<羊文学との出会い、思い出>
関わるきっかけになったのはソニーパークでのモエカさんのソロライブでした。
リハでやっていたアンコール用の曲がすごくよくて、照明を1つ使わずに残しておいたのですが、結局やらなくてそれもいいなとなって。
(その曲は羊文学の曲だとずっと思ってたのですが、違うみたいでした……)
そのあと渋谷QUATTRO ワンマンに誘っていただき、羊文学の曲を聴きました。
ゆりかさんとふっくーは下北のスタジオではじめましてしたと思います。
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ナンシー(PA)
<「Tour 2021 "Hidden Place"」を終えて>
羊文学の皆さんは、ちょうどコロナ禍の真っ最中にメジャーデビューをしていて、
メジャーデビュー以降は無観客の配信ライブが多かったように記憶していますが
「Tour 2021 "Hidden Place"」最終公演はそんな時期を走り抜けてひさびさに、有観客で行われた羊文学の東京でのワンマンライブでした。
声を出さず、人数に制限もある中での、あの日のお客さんの後ろ姿は特に印象的でした。
(PAは、いつも後方からお客様の後ろ姿を見ています)
ツアーが進むにつれどんどん輝きを増す羊文学の音楽を「どんなサウンドなら伝えれるだろうか」頭をフル回転させながら感覚を最大限まで研ぎ澄ませた記憶があります。
羊文学の皆さんにとっての最大規模のワンマンでしたが3人ともとても堂々としていて、あの場所を網羅しているように軽やかに演奏していました。
とってもカッコよかった!
関わってきたスタッフさんたちとも、あの場所で一同に集い作れた感じがあって
本当に宝物のような公演でした。ありがとうございました!
<羊文学との出会い、思い出>
出会いは2016年から
通算だと1stにあたる「トンネルを抜けたら」の録音、ミックスに関わったあたりからです。
初めて、今の3人でのライブを観たとき感じた
どーんと構えた“石”のようで
直感でわかる“火”のような熱い心
時に“水”のように柔軟で、
取り止めのない“風”みたいなバンド
このイメージは今でも変わってなくて
時折、友人のような瞬間もあったりしますが自分にとっては、いつまでも尊敬できる音楽家たちです。
思い出はたくさんあるので、また機会があれば……
溝口紘美 (@nancyllllllll) | Twitter
Hiromi Mizoguchi (@nancyllllllll) | Instagram
NEWSEE(舞台演出)
<「Tour 2021 "Hidden Place"」を終えて>
kimi
世界にコロナが蔓延し、命や暮らしが不確定なものとなり、芸術や音楽が生活に必要か?という問いについて考える場面が幾度もありました。いろいろな立場でのいろいろな考えが世の中にあふれ、苦しいこともありましたが、「Tour 2021 "Hidden Place"」最終公演で2階席から見た、渇望したように音楽を身体に浴び手を伸ばし求める人々の光景を目にして、音楽は命に必要だと再確認できました。とても救われて涙がでました。
「羊文学 Tour 2021 "Hidden Place" Online Live」の時に作った、外の世界から守られる、閉ざされた秘密の温かい三角形の部屋が開かれ、散り散りになった小さい三角の部屋の破片の中に瑞々しく生命力に溢れた植物を添えました。3人を守る結界のような存在でもあり、光溢れる音楽とともに世界に広がっていく希望のようなものもイメージして作りました。
<羊文学との出会い、思い出>
平松
2019年にTOKYO ART BOOK FAIR出品用のZINEのモデルを探していて、友達の写真家・小林真梨子にモエカを紹介してもらったのが初めての出会いでした。僕の職場のGinza Sony Parkに来てもらって撮影したのはいい思い出です。それをきっかけに羊文学の音楽を好んで聴くようになり、「“まばたき” at Shibuya CLUB QUATTRO」で舞台美術のお誘いをいただき、それからはNEWSEEとして素晴らしい舞台を経験させてもらいました。
ライブ情報
羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS"
- 2022年5月29日(日)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
- 2022年6月9日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2022年6月11日(土)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
- 2022年6月16日(木)愛知県 Zepp Nagoya
- 2022年6月24日(金)北海道 Zepp Sapporo
- 2022年6月27日(月)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
- 2022年6月28日(火)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)※追加公演
プロフィール
羊文学(ヒツジブンガク)
塩塚モエカ(Vo, G)、河西ゆりか(B)、フクダヒロア(Dr)の3人からなるオルタナティブロックバンド。2017年に現在の編成となり、同年10月に初の全国流通盤「トンネルを抜けたら」をリリースする。その後は1stアルバム「若者たちへ」や、“対になる作品”として発表された音源集「きらめき」「ざわめき」、全国的ヒットを記録した限定生産シングル「1999 / 人間だった」などコンスタントに作品を発表。2020年8月にソニー・ミュージックレーベルズ内のレーベル・F.C.L.S.からメジャーデビューを果たし、12月にアルバム「POWERS」をリリースした。2021年6月には東京・伊勢丹新宿店でファッション、アート、ライフスタイルなどを表現したイベント「羊文学 presents ○△□」を開催。12月には横浜と大阪のBillboard Livでクリスマスライブ「まほうがつかえる 2021」を開催した。2022年4月にアニメーション映画「岬のマヨイガ」の主題歌「マヨイガ」や、テレビアニメ「平家物語」のオープニングテーマ「光るとき」を収録したメジャー2ndアルバム「our hope」をリリース。
羊文学 (@hitsujibungaku) | Twitter