原因は自分にある。「虚像と実像」インタビュー|げんじぶとは何者なのか?2ndアルバムが浮き彫りにする“虚像と実像” (2/4)

げんじぶでこういう曲が歌えるんだ

──3曲目の「豪雨」は、げんじぶが初めて担当したドラマのエンディングテーマ(テレビ東京系「じゃない方の彼女」)として制作された楽曲です。楽曲発表のとき、空人さんは「“情景の浮かぶ歌詞で分からない言葉がない”という、原因は自分にある。としてはストレートな曲」とコメントしていました。

大倉 げんじぶの曲はタイトルの時点で難解で、読み解こうと思って聴くともっとわかりにくくなるという形がおなじみだと思うけど(笑)、「豪雨」はホントにストレートな曲なんです。

吉澤 「柘榴」(アルバム「多世界解釈」収録曲)って言われてもどんな曲かイメージできないけど、「豪雨」って言われたら悲しいバラードを連想するしね。

大倉 歌詞にはわかりやすい言葉が並んでいて、さらに重めのバラードだから、言葉がしっかりと伝わりやすくて。だからこそ、僕らの表現力が試されるなと思いました。雰囲気に流されず、いつもよりさらに感情を乗せることを意識して歌わないとって。

──今まで難解な曲ばかり歌われてきたぶん逆に難しい、みたいなことはありました?

一同 はい。

長野 ありましたね(笑)。

杢代 この曲を書いた久下(真音)さんがレコーディングのディレクションをしてくれたんですけど、久下さんも「いつも難解な歌詞を書いているから、ストレートな歌詞を書くのが難しかった」と言っていました(笑)。普段の曲だと、僕たちは難しい歌詞を読み解くことを意識しすぎず、曲調に合うような歌い方をしているんですけど、「豪雨」は思い切り感情が乗る歌詞だから。ほかのアーティストさんが普通にやっていることに僕らは注力してこなかったので、最初は違和感みたいなものがあったと思います。

桜木 僕はこういう静かめな曲を普段よく聴いているので、正直やりやすかったです。あと、歌っていて楽しかった。「げんじぶでこういう曲が歌えるんだ」と思って、ワクワクしちゃいました。

桜木雅哉

桜木雅哉

桜木雅哉

桜木雅哉

こんな状況、誰も経験したことないから

──10月に先行配信された「半分相逢傘」についても聞かせてください。曖昧な関係性の男女の一夜の駆け引きを歌う曲ですが、生々しい肌触りのあるリリックに、ファンの皆さんはザワっとしたのでは……?

杢代 もう、ザワっとどころの話じゃなかったです。“大ザワ”ですよ! 「豪雨」に続けて配信リリースしたんですけど、浮気心や禁断の恋をテーマにした「豪雨」と連続になってしまったので、僕らのファンの皆さんに「げんじぶ、こういう方向性になったのかな?」と思われてしまうくらい(笑)。

大倉 報われない恋を歌うグループに(笑)。

杢代 そんな不安を抱かせちゃったかもしれないけど(笑)、でも僕、この曲大好きなんです。歌詞だけを読むとけっこう生々しいけど、メロディにはポップさがあるから、僕らが歌っても違和感がないというか。間奏では光咲が女の人と会話するパートがあるんですけど、それもボーイズグループの曲ではあまりない表現だと思うんです。僕たちだからできる、攻めた曲を出せたなと思って。

──ほかの皆さんがこの曲に出会ったときの印象も知りたいです。

武藤 「大丈夫かな」って思ったよね……?(笑)

小泉 歌詞を先に読んだので「どうしよう」とは思ったんですけど、曲を聴いたら僕らの年代でも違和感なく表現できる感じだったので、少し安心した部分がありました(笑)。

──どこか浮世離れした世界観の曲が多いげんじぶですけど、男女のリアルなやりとりを描写したこういう曲を歌うことは想像していましたか?

長野 していないですね(笑)。だから抵抗みたいなものはありましたよ。

大倉 歌詞の中にあるこんな状況、誰も経験したことないからね。そういうところで「どうすればいいんだろう?」みたいな難しさがあって。てか、要人とかどうなの? 「これでどっちも悪いね」なんて、すごい決定的なセリフ言ってますけど。

吉澤 そうですね、そのセリフパートは僕が言っているんですけど……こんなセリフを言うことなんてないですし、この先もい、言わない人生がいいんですけど、あの……(急にモゴモゴしだす)。

武藤 どうした?(笑)

小泉 何言ってんの?

一同 あはははは!

大倉 1人でモゴモゴしてる(笑)。

吉澤 いや、でも僕が苦戦したのは。「これでどっちも」の「れでど」の部分の滑舌が難しかったです。けっこうなテイクを重ねた記憶があります。

武藤 そういう苦戦の仕方かい(笑)。

大倉 ライブで噛まないでね?(笑)

武藤 ここ噛んだらサビ入りにくいよー。

吉澤 ちょっとプレッシャーですね……(笑)。

──(笑)。でも、要人さんの深みのある声をここまで生かせるパートもないんじゃないかな?というくらいハマっていると思います。

大倉 ね、素敵ですよね。

吉澤 1つ考えているのは、ここのセリフ、ライブでは僕だけじゃなくていろんな人のバージョンを聞きたいなって。

一同 おおー。

大倉 (最年少の)雅哉のとか気になるよね。「学校で先生に怒られる前の話かな?」とか思っちゃう。

桜木 うん、そういう感じになっちゃうでしょ(笑)。

──先ほど和人さんも触れていた「ねえ、俺のこと好き?」から始まる光咲さんのセリフもよかったですよね。

小泉 がんばりました。アドリブだったんですよ。

──え、アドリブなんですか?

小泉 レコーディングの現場でいきなり「じゃあ、間奏でなんか言おうか」と提案されて。みんなでいろいろ考えてやってみたんですけど、自分が考えて言ったセリフが入りました。

小泉光咲

小泉光咲

小泉光咲

小泉光咲

桜木 おめでとう!

小泉 歌詞の意味自体は理解しているつもりでレコーディングには臨んだんですけど、もっと理解しないとなと思って現場でもう一度考えて考えて、このセリフが出てきました。まあでも、レコーディングのときはニヤニヤしながら言って……。

杢代 待って、その情報急に要らなくない?

大倉 セクシーな感じで声入れしたと思ってたのに(笑)。

小泉 いや、「ホントに大丈夫かな?」っていう気持ちもあったから。声は真面目に聞こえるけど、表情はニヤニヤしていたと思います(笑)。

──歌い出しやサビを担っている潤さんは、歌っていてどうでしたか?

武藤 僕、この曲を最初に聴いたとき、SMAPさんの昔の曲をイメージしたんですよ。「青いイナズマ」のような世界観。なので、Aメロは完全に木村拓哉さんにリスペクトを捧げて歌わせていただきました。

杢代 そうなんだ!

大倉 ダンスについては今まさに振り入れ中なんですけど(取材は11月下旬に実施)、難しいです。ポップな曲調に合わせた振りの中で歌詞の世界観をどう表現していくかは、年末のツアーに向けての課題でもあります。

杢代 この曲は(ストリートファッションブランドの)9090さんとのコラボ曲でもあるので、振りもヒップホップ寄りで、けっこう踊る感じなんです。フォーメーションダンスもしっかりあるので、かなり見応えのある感じになると思いますよ!

杢代和人

杢代和人

杢代和人

杢代和人

──せっかくですからこの曲の世界観に入り込んで、聴く人をドキドキさせてほしいなと期待します。

杢代 ファンの皆さんからしたら、毎回ライブでやるのが楽しみな曲になるんじゃないかな?とも思うんですよね。今の僕らじゃモノにしきれない曲かもしれないけど、げんじぶが大人になるにつれて表現力が増していったときに、この曲が様になっていく姿も一緒に楽しんでもらえるんじゃないかなと思う。今の僕たちが歌って深みを持たせられたら逆におかしいと思いますし(笑)、ファンの皆さんにはこれからのことも楽しみにしていてほしいです。