ナタリー PowerPush - the generous
壮大なバラードが紡ぐ新たな世界 初の映画主題歌「Heart」リリース
2008年10月にミニアルバム「the generous」でデビューした大型新人、the generous。yoko(Vocal)と大西克巳(Guitar&Compose)による注目のユニットだ。
3月11日にリリースする1stシングル「Heart」は映画「釣りキチ三平」の主題歌として注目を集める壮大なバラード。一聴して耳から離れない、yokoの存在感あふれるボーカルが堪能できる仕上がりになっている。今作の話はもちろん、デビュー後の日々についてなど、じっくりと話を聞かせてもらった。
取材・文/川倉由起子
ライブで獲得したファンは離れないと思う
——昨年10月にミニアルバム「the generous」でデビューされて。そのときの反響っていかがでした?
yoko まずは皆さん、なぜシングルではなくミニアルバムでデビューしたのかっていうことが最初はクエスチョンだったみたいで。
——ああ、言われてみるとそうですよね。
yoko はい。でもthe generousっていうユニットは、そもそもひとつのことにとらわれずいろいろな音楽を届けていきたいっていう想いがあるので。そうなるとシングルよりは5曲入りのミニアルバムという形で、いろいろな楽曲を集めて自己紹介のような感じで聴いていただこうと。
——バラードからアップテンポまで、かなり振り幅の広い1枚でしたもんね。
yoko そうなんです。デビューしてわりとすぐにフリーライブのツアーにも出させてもらったのですが、そこではお客さんの反応を直に感じることもできて。土地柄というか場所によってさまざまだったんですけど、アップのときはノリよく、バラードではしっとり……みたいに、曲調に合わせて聴いてくださったのが嬉しかったですね。
大西 the generousってどんなやつらなんだろう? という感じで見ている人もいれば、ちょっと年配の方もいたりして。
yoko 「ははーん」とか言ってね(笑)。
大西 娘を見守るように(笑)。
——「娘」と言えばデビューのときから、yokoさんはどこで紹介されるときにも「矢沢永吉の娘」というのがついて回ったと思うんですけど、そのせいでかえってやりづらい部分もあったんじゃないですか?
yoko そうですね。でも正直言っちゃうと、それはある程度覚悟してたというか。この先もずっと父の名前は良い意味でも悪い意味でもついて回るものだと思っているので。ただ、私にとってはラッキーだったこともたくさんあって。その話題を通してthe generousに興味を持ってくれた人が大勢いたのも事実だと思うし。
——確かにそうかもしれないですね。
yoko なのでそういう面ではすごく感謝しつつ。でも目標としては、父親のこととは別にthe generousの音楽や私たちに興味を持ってもらいたいと思っています。
——なるほど。
yoko 最初はどう思われるんだろう?とか、七光りみたいに言われるのかなっていうネガティブな気持ちもありました。でも私自身、覚悟を決めた上で歌手という道を選んだので、腹をくくってる部分もありましたね。
——最初は興味本位で見ていた人も多かったのでは?
yoko そうですね。でも興味を持ってもらえること自体が感謝というか。こういうお仕事って興味を持ってもらえなかったらそれでおしまいだと思うので、きっかけは何にせよ、それはありがたいことだと思っていて。作る側としてはよりたくさんの人に聴いてもらいたいわけですから。
——大西さんはいかがですか?
大西 最初は話題性でヒットしたとしても長続きするわけないし、結局は自分たちの実力次第だと思っていて。そういう意味で、地に足をつけて活動していくのが一番いいのかなとは思っています。
yoko だからthe generousとしてはやはりライブを重視したいんです。ライブで感じてもらえたものはずっと残るし、そこで獲得したファンの方って絶対離れないと思うんですよね。
——確かに、そこでしか感じられない“生”の感覚って残りますもんね。
yoko ホントそう思います。
the generous(じぇねらす)
yoko(Vo)と大西克巳(Guitar/Compose)の2人から成るロックユニット。yokoが制作したデモテープをきっかけに大西と出会い、2008年10月にミニアルバム「the generous」でデビュー。世界レベルのボイストレーニングで培われたyokoの日本人離れした歌声と、大西の卓越した音楽的センスが融合。壮大な世界観を持つその音楽性に話題が集まっている。