GARNiDELiA|ダンスミュージックに振り切り 自信を持って打ち出すセルフタイトル作

異なるタイプのラブソングで提示したガルニデっぽさ

──9曲目の「Love Swing」は、GARNiDELiAとしては初のジャズチューンです。

メイリア 私は十代のときにジャズを歌うグループにいたことがあって、今思えばそれが自分の歌唱法の土台になってるなって。つまりメイリアのルーツになっている音楽として、このアルバムにジャズ曲は入れたかったんです。でも、tokuってあんまりジャズのイメージないじゃないですか。だから「ジャズを書いて」って自分で言いながら「書けるのかな?」って思ったんですけど、お聴きの通り、立派なジャズができまして。

toku ジャズって、定型っぽいコード進行が多いじゃないですか。なので、アレンジ上は特に難しいことはなくて。主にメロディラインに留意したと言うか、例えば跳躍が多かったり、メロディにガルニデっぽさを入れ込むことを意識して作った感じですね。

──この演奏って生ですよね?

toku はい。メイリアもバンドのメンバーも一緒に、「せーの」で録りました。ホーンセクションは、「NEON NIGHT」(アルバム「Violet Cry」に収録)でもご一緒したカルメラのメンバーにお願いして。

メイリア いつもは別々に録ることが多いけど、やっぱりみんなで一緒に合わせると「音楽してるぜ!」って感じがあるよね。スタジオレコーディングだけど、そんなライブ感を味わってもらえたらなと。

──で、こちらの歌詞がですね……。

メイリア 何か、ありました?

──控えめに言って過激ですよね。いわゆるワンナイトラブにおける、刹那的な快楽に身を委ねる女性の歌。

メイリア はい(笑)。「Love Swing」はたぶんライブで振りも付けるので、ジャズダンスをするならセクシーな歌詞が合うんじゃないかなと思って。もう私も26歳になったのでね、アダルトな恋愛を歌ってもいいんじゃないかと、アダルトな女性を演じる気持ちで書きました。

──「過激」とは言いましたが、下品な言葉は使われていませんね。

メイリア なおかつ、その恋はワンナイトで終わるのか、はたまた……ってとこですよね。そこは、皆さんで想像してみてください。

──続く「After glow」もラブソングなのですが、こちら「Love Swing」とは対照的な、「僕」目線の失恋を引きずる歌になっていて。

メイリア はい。ただ、おっしゃる通り男の子目線で書いてはいるんですけど、それは中性的な歌詞にしたいという意図からなんですね。男性のほうが失恋を引きずりがちなイメージがあると思うんですが、でも、意外と女の子も引きずる子は引きずるんですよ。

toku 僕は男目線でこの歌詞を読んで「エグいこと書いてる」って思いましたけどね(笑)。

──例えば「無意識に 唇がキミの名前のカタチに動きだす」って、けっこう重症ですもんね。

メイリア そこはですね、女友達と話してたときに「こないださ、彼氏を呼ぶときに間違えて元彼の名前で呼んじゃって」って言ってる子がいたんですよ。

──ああー。

メイリア それを聞いて、別れてしまっても唇に名前だけ残ることってあるんだなと思って。まあ、この歌の主人公は一人でいるときに唇が勝手に動き出しちゃってるんで、重症っちゃ重症なんですけど(笑)。

──サウンドの話をすると、レトロフューチャー感のあるシンセの音やメロウなR&Bテイストの旋律というのはガルニデの1つのパターンとしてあったと思うのですが、この曲でその路線を極めた感がありますよね。

toku ありがとうございます。自分でも手応えを感じています。アナログシンセの和音を前面に出しつつ、隙間をいっぱい作ってメイリアの声で埋めていくっていう方向性は当初から決めていて。メイリアからもR&Bを歌いたいという要望をもらっていたので、いわゆるニュージャックスイング的なものではなく、今っぽいものにしようと。うん、「After glow」は「Error」以降のシンセ使いの中で生まれた曲だなっていう気がしてます。

私たちはみんなと添い遂げる覚悟で音楽をやるから

──そして「Error」からメロディアスなミディアムチューン「Désir」と続き、アルバムの最後を飾る「最後の恋」へ。こういう素直なバラードはひさしぶりですよね。

メイリア 「MIRAI」以来ですね。確かに素直かも。

toku そうだね(笑)。

──「最後の恋」というタイトルと、歌詞の1行目の「雨にうたれて 震えてた」で、またつらい恋の歌なのかなと思いきや「あ、そういう意味の“最後”なんですね」っていう。

メイリア そうなんです。自分が最後に恋をする人、つまり結婚相手に出会えたっていう幸せな歌なんです。そんな人に出会えたらいいですね、皆さんも私も(笑)。

──ははは(笑)。ただ、この歌の主人公は「最後の恋」にふさわしい相手が見つかったからといって、決して楽観しておらず、むしろ苦難を想定している。とても現実的ですね。

メイリア 「最後の恋」は恋愛の歌なんですけど、みんなに向けた歌でもあるんです。つまり、ファンと私たちの関係性って、恋人や家族とちょっと似てる部分もあると思ってて。私たちはみんながいるから音楽ができるし、これからもすてきな作品を世に出していきたい。それはひょっとしたら険しい道のりかもしれないけど、私たちはみんなと添い遂げる覚悟で音楽をやるから、っていう。

toku この「最後の恋」はシンガーソングライター的な楽曲と言うか、例えばメイリアがピアノで弾き語りするなら……みたいなイメージで作ったんです。もともとアレンジャーとしていろんなシンガーソングライターさんの楽曲に関わらせてもらっていたので、その感覚も使いつつ。ただ、僕は失恋系の曲のつもりで書いてたんですけど、歌詞を見せてもらって「おお、幸せな方向に持っていったな」って(笑)。

メイリア そうそう(笑)。

toku あと、派手なダンスサウンド以外にも、バリエーションとして、例えばアコースティックライブとかも視野に入れていると言うか。そういう流れも見出せたら面白いかなと、アルバムの制作当初からストレートな歌モノを入れようとは考えていましたね。

ツアーに向けてtokuも体力付けなきゃ

──そんなアルバムを引っさげて、4月からツアーが始まりますね。

メイリア アルバムでダンス曲が増えたということは、ライブでそれを歌って踊る自分の首が自動的に絞まっていくっていうことなんですけど、最初に言ったように最近はガルニデ=ダンスっていうイメージも浸透してきてるんです。つまり私も踊りたいし、お客さんもそれを求めてくれてるっていう実感があって。そんなありがたい環境にいさせてもらえているからには、自分にとってよりハードなツアーになることは間違いないんですけど、鍛え上げて最高のパフォーマンスをお見せします。

toku 「ガルニデのライブは歌だけじゃない」っていうのは僕らの持ち味の1つだし、だから曲もダンスに寄せてる部分もあるんですよね。今度のツアーはそんなGARNiDELiAの今を伝えられるものにしたいし、それを表現するための土台となるアルバムが完成したとも思っています。だからこの調子で突き進みたいし、そのためには、(小声で)僕も鍛えていかなきゃな……。

メイリア tokuも体力付けなきゃね!

GARNiDELiA「G.R.N.D.」
2018年3月28日発売 / SACRA MUSIC
GARNiDELiA「G.R.N.D.」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+Blu-ray Disc]
3980円 / VVCL-1197~8

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GARNiDELiA「G.R.N.D.」初回限定盤B

初回限定盤B [CD+DVD]
3580円 / VVCL-1199~200

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GARNiDELiA「G.R.N.D.」通常盤

通常盤 [CD]
3100円 / VVCL-1201

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CD収録曲
  1. G.R.N.D.
  2. SPEED STAR -Album Ver.-
  3. Jesus
  4. Hysteric Bullet
  5. Poppin'Trip -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-
  6. アイコトバ
  7. 桃源恋歌
  8. 紅葉愛唄
  9. Love Swing
  10. After glow
  11. Error
  12. Désir
  13. 最後の恋
初回限定盤A Blu-ray収録内容
  1. SPEED STAR
  2. Désir
  3. アイコトバ
  4. Error
  5. G.R.N.D.
  6. 「G.R.N.D.」bonus footage
初回限定盤B DVD収録内容
  1. Désir(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
  2. Diamond(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
  3. 桃源恋歌(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
  4. Hysteric Bullet(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
  5. ambiguous(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
  6. 極楽浄土(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
GARNiDELiAワンマンライブツアー「stellacage Tour 2018 ~G.R.N.D.~」
  • 2018年4月7日(土)大阪府 BananaHall
  • 2018年4月14日(土)愛知県 ElectricLadyLand
  • 2018年4月29日(日・祝)東京都 中野サンプラザホール
  • 2018年5月5日(土・祝)香港 九龍湾国際展貿中心G/F Music Zone@E-Max
GARNiDELiA(ガルニデリア)
モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、さまざまなアーティストへ楽曲提供を行うtoku(Key, Compose)からなるユニット。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月、アニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマのシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には初の海外単独公演を中国・上海で行った。秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題しアジアツアーを行った。11月にアニメ「アニメガタリズ」のオープニングテーマ「アイコトバ」をシングルリリース。2018年1月にアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマとして書き下ろした「Error」をシングルとして、3月に3rdアルバム「G.R.N.D.」を発表した。