GARNiDELiA|ダンスミュージックに振り切り 自信を持って打ち出すセルフタイトル作
GARNiDELiAが3rdフルアルバム「G.R.N.D.」をリリースした。
2ndフルアルバム「Violet Cry」以降、「SPEED STAR」「Désir」「アイコトバ」「Error」という4作のシングルを発表するなど、約1年の間で怒涛の勢いでリリースを重ねてきたGARNiDELiA。さらにリリースの合間には海外公演を含むライブ活動も行い、ユニットとして成長を続けてきた。
そんな中で完成したセルフタイトル作とも言える「G.R.N.D.」は、GARNiDELiAのルーツでもあるダンスミュージックを軸に据えた作品。過去のアルバムに比べ、躍動感あふれるサウンドや大胆な歌詞世界が作品全体に広がっている。toku(Key, Compose)とメイリア(Vo)はどのような思いをもって本作の制作に臨んだのか。じっくり話を聞いた。
取材・文 / 須藤輝
「Error」をリリースしたことで作れた「G.R.N.D.」
──前回のインタビューで、直近のシングル「Error」はGARNiDELiAの原点にして集大成というお話をされていましたが(参照:GARNiDELiA「Error」インタビュー | ガルニデ色を突き詰めた 集大成的ダンスチューン)、その反響っていかがです?
メイリア(Vo) 正直、デビュー当時からガルニデを応援してくれているみんながどういう受け取り方をするんだろうってドキドキしてたんですけど、意外と「めっちゃガルニデっぽい」って言ってくれてて。
toku(Key, Compose) ホッとしたよね。
メイリア うん。私たちのやりたいことと、みんなのガルニデのイメージが一致していたことがうれしくて。なので、以後、迷いなく楽曲を作ることができてるなって思います。
──それは今回のアルバムにも言える?
メイリア はい。「Error」をリリースしたことでできたアルバムだと思います。
──そのアルバムタイトルは、ずばり「G.R.N.D.」で、言わばセルフタイトルですね。
メイリア そうです。アーティストにとってけっこう勇気がいるじゃないですか、セルフタイトルを付けるのって。でも、2017年にリリースしたシングルがどれも毛色の違う曲ばかりだったし、その果てに「Error」もできたので、今回のアルバムは改めて自分たちの音楽を問い直しつつ、今後のガルニデにとっての名刺代わりの1枚になるなと思って。なおかつ、その中に私たちのルーツになっている音楽も詰め込めんだものにしたいねってことで、思い切って「G.R.N.D.」というタイトルにしました。
──アルバムの構成としては1st「Linkage Ring」と2nd「Violet Cry」を踏襲していますね。つまり、まず派手なダンスナンバーでブチアゲて、速い曲で畳みかけ、ダンスゾーンを経由してバラードで締める。ただ、その中でダンスナンバーの位置付けが以前とまったく変わっていますね。
メイリア ホントにそう。今までは「こんなの、どう?」みたいな感じだったのが……。
toku アクセント的に配置していたダンスナンバーが、「G.R.N.D.」では完全に軸になってますね。
メイリア それもやっぱり「Error」が自分たちの中でしっくりくる、納得できる作品だったから覚悟が決まったんだよね。
表題曲「G.R.N.D.」に込めた思い
──アルバムのタイトルトラックであるEDMナンバー「G.R.N.D.」は、歌詞にも集大成感がありますね。「BLAZING」「PRIDE」「MIRAI」「Désir」という過去の楽曲の名前が歌詞に散りばめられていて。
メイリア もうね、「気付いてください」と言わんばかりに、わざとらしく大文字で書いて(笑)。でも、ホントに自分たちのテーマソングにしたかったし、今まで書いてきた曲たちに込めた思いも、ここに詰められたらいいなって。
──「G.R.N.D.」は歌詞の中で、「G」なら「GARNiDELiA」と、それぞれのアルファベットを頭文字にしたワードも配されています。「G」はともかくとして、「R」「N」「D」を何の頭文字にするか、迷いませんでした?
メイリア すごい迷いましたね。ただ、「R」の「Revolution」だけはわりとすんなり決まったんですよ。私たちは、デビューシングルの「ambiguous」のときから「金髪でやたら派手な見た目のやつが出てきた」みたいな目で見られ続けてきて。でも信念を曲げたくないし、それこそ「革命を起こしてやる!」ぐらいの気持ちでやってきたので。で、「N」の「Naked」はもう「みんなさらけ出そう!裸になってよ!」っていう(笑)。
──とりあえず脱げと(笑)。
メイリア 私たちもみんなに自分をさらけ出せたらいいと思ってるし。
toku メイリアは、例えばこのアルバムの収録曲だったら「SPEED STAR」とかで、「もっと私自分らしくあれ」みたいなことを一貫して言っているので。
メイリア そう、みんなに「らしさ」を自信を持ってさらけ出してほしいなって。最後の「D」の「Destruction」は、本来は「破壊」っていう意味ですけど、ここでは「再生」を意味していて。
──破壊のあとの話。
メイリア 1回ぶち壊さないと生まれないものもあるなって。私たち自身「それはダメ」って言われることをしてきちゃったんですよね。でも、それでもみんなに届けたいものがあったし、慣習とか固定観念みたいなものと戦って、壊してきたからこそここまで来られた。だから、みんなも恐れずにいろんなものをぶち壊してほしい。やっぱり「G.R.N.D.」は強い曲にしたかったので、より強さを表現できるような言葉を選んでます。
──曲そのものも、非常に強いですよね。
toku シンプルに「ライブで映える、みんなを踊らせる曲を」っていう意識で作りました。端的に言ってアゲアゲソングですね(笑)。
メイリア サビでも「さぁさぁその手を挙げろ!」って言ってるからね(笑)。
toku ミックスをD.O.I.さんという、安室奈美恵さんや三浦大知さんを手がけてらっしゃるエンジニアさんに初めてお願いしたんですけど、低音から音の鳴りのバランスまですごく上手に仕上げてくださって。
──「Error」のときは作曲後の苦しみがあった、つまりサウンドメイキングに苦労されたというお話をなさっていましたが、今回は?
toku それこそ「Error」を作ったことによって、ある程度の方程式が立ったと言うか。今回のアルバムのマスタリングは「Error」と同じキムケン(木村健太郎 / KIMKEN STUDIO)さんなので、意思疎通もスムーズでしたね。
メイリア シングル曲も、このアルバムの色に合わせてマスタリングし直したんだよね。
toku そう。「Error」より前に出したシングルのマスタリングはparasight masteringのタッキー(滝口博達)さんでしたし、それぞれ毛色が違ったので。それを統一感が出るように整える作業が、すごい重要だっていうのを改めて感じたんですよね。例えば「Poppin'Trip」と「Love Swing」の音圧感って全然違うし、正直、1枚のアルバムに入れづらいんですよ。
メイリア 大変だったよね。
toku それを乗り越えて、僕らとしては非常に満足のいく形でパッケージすることができたなと思っています。
進化したレコーディングスタイル
──「G.R.N.D.」はGARNiDELiAの“テーマソング”だけに、レコーディングも気合いが入ったのでは?
メイリア ホントに好きなジャンルなので気合いうんぬんというよりは単純に楽しくなっちゃって。この曲に限らず今回新たに収録した曲は私も大好きなので、レコーディングはとにかく楽しかったですね。
toku 仮歌録りが進化したんだよね。
メイリア 今回のアルバムで初めて、私が自分のパソコンで仮歌を録ってtokuに送ってるんです。
toku Macの内蔵マイクの感度がすごくよくて。
メイリア 「このまま使えるんじゃない?」みたいな(笑)。
toku 実際、そのまま使ったのもあって。もちろんメインの歌はちゃんと録ってるんですけど、仮歌のテンションが最後まで生きているんですよ。
メイリア あと今までは、詞を書き上げたら仮歌を録らずにそのまま本チャンのレコーディングに臨んでいて。だからわりと現場で悩むことも多くて、譜割りとかもその場で変えたりしてたんです。でも今回は、事前に全曲仮歌を録ってあったので、レコーディングまでにきちんと準備ができたんですよ。
toku メイリアがパソコンを使えるようになったおかげでね。
メイリア そこが一番大きな進歩かもしれない(笑)。
──自宅ないしはネット上でプリプロができるようになった。
メイリア その通りですね。ホントに便利な時代になったもんです。
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tokuとメイリアの強固な合体感
- GARNiDELiA「G.R.N.D.」
- 2018年3月28日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤A [CD+Blu-ray Disc]
3980円 / VVCL-1197~8 -
初回限定盤B [CD+DVD]
3580円 / VVCL-1199~200 -
通常盤 [CD]
3100円 / VVCL-1201
- CD収録曲
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- G.R.N.D.
- SPEED STAR -Album Ver.-
- Jesus
- Hysteric Bullet
- Poppin'Trip -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-
- アイコトバ
- 桃源恋歌
- 紅葉愛唄
- Love Swing
- After glow
- Error
- Désir
- 最後の恋
- 初回限定盤A Blu-ray収録内容
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- SPEED STAR
- Désir
- アイコトバ
- Error
- G.R.N.D.
- 「G.R.N.D.」bonus footage
- 初回限定盤B DVD収録内容
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- Désir(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
- Diamond(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
- 桃源恋歌(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
- Hysteric Bullet(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
- ambiguous(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
- 極楽浄土(stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
- GARNiDELiAワンマンライブツアー「stellacage Tour 2018 ~G.R.N.D.~」
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- 2018年4月7日(土)大阪府 BananaHall
- 2018年4月14日(土)愛知県 ElectricLadyLand
- 2018年4月29日(日・祝)東京都 中野サンプラザホール
- 2018年5月5日(土・祝)香港 九龍湾国際展貿中心G/F Music Zone@E-Max
- GARNiDELiA(ガルニデリア)
- モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、さまざまなアーティストへ楽曲提供を行うtoku(Key, Compose)からなるユニット。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月、アニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマのシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には初の海外単独公演を中国・上海で行った。秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題しアジアツアーを行った。11月にアニメ「アニメガタリズ」のオープニングテーマ「アイコトバ」をシングルリリース。2018年1月にアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマとして書き下ろした「Error」をシングルとして、3月に3rdアルバム「G.R.N.D.」を発表した。