“ザ・アニメ”を表現したサウンド
──そのキラキラなサウンド面ですが、どこか懐かしさを感じると言うか、王道的なアニソンのパロディのようにも聞こえたんですよね。
toku うんうん。「アニメガタリズ」には、絵柄や設定も含めて“ザ・アニメ”と言うか、ここ何年かの深夜アニメのあるべき姿みたいな王道感があると思ったんですよ。過去に放送されたアニメのパロディもふんだんに盛り込まれていますし。なので、曲としてもアニメの匂いがしまくる感じになったら面白いし、それをガルニデがやるっていうのがまた面白いんじゃないかって。ポップでキラキラなんだけど、実はがっつり踊れますよっていうのを提示できたらいいなと思って作りました。
──例えばブリブリした太いシンセベースなど、音自体は今までのGARNiDELiAのそれですし、リズムパターンや曲展開も“ガルニデ節”と言えるものですね。
toku キーがメジャーになってるだけでこんなにも印象が変わるのかっていう(笑)。
──言ってみれば、マイナーキーのコード進行の曲を反転させたような曲でもあるんですかね。あるいはネガとポジみたいな。
メイリア うん。反転ですよね、ホントに。今までやってたことの逆をやってみようって。
toku 「そのくらい振り切らないといけないかも」とは最初から思ってたし。その結果、ある意味でカオスな曲になったとも言えるんですけど、メイリアの歌と歌詞がつなぎとめてくれたので。
メイリア 接着剤的なね。
──過去のインタビューでは、何度か「ガルニデらしさとはなんぞや?」という問答をしてきましたが、その“らしさ”の軸となるのがメイリアさんの歌である、というお話もされていましたね。
toku まさに。
──でも、これまでのカップリング曲やアルバム曲で徐々に“らしさ”を拡張していった結果、「アイコトバ」も「ガルニデの曲なんだ」と聴き手を納得させる説得力を持つに至った部分も大いにあると思います。
メイリア そう願いたい(笑)。
toku うん。そういう評価をいただけるとうれしいですね。
──そんなキラキラポップな「アイコトバ」のレコーディングはいかがでした?
メイリア とにかく自分のテンションを上げることが第一でした。でないと、このキラキラのサウンドに歌が負けてしまうので。半ば無理やりだった気もしますけど(笑)。スケジュールもカツカツだったんだよね。
toku そう。今回のシングル制作は、時期的に「Desir」のMV撮影とかと被ってるんですよ。だからまったくノリの違うものを同時並行的に作っていて。
メイリア もうね、感情が忙しいこと忙しいこと(笑)。
──今スケジュールの話が出ましたけど、今日の取材用にニューシングルのマスタリング済み音源を送っていただいたのが、昨日の夜っていう(取材は9月下旬に実施)。
メイリア すみません、昨日がマスタリングだったので……。
──いやいや、またすごいスケジュールで作ってらっしゃるなあと。
メイリア 「いよいよ間に合わなくなるんじゃないか」っていう危機感に駆られてましたよね、今回ばかりは。
toku でも、このスケジュールの兼ね合いで、来年の4月に始まるツアーのリハを、マスタリングよりも先にすることになって。普通は完成した音源を携えてリハに臨むわけじゃないですか。それが逆になったことで、「ライブではこうなる」っていう具体的なイメージを持ち帰ったうえで、改めてTDする時間が取れまして。
──それ面白いですね。リハをやったあとにトラックダウンするって。
toku 今回初めて、シングル収録の3曲すべてを自分でTDしたんですけど、リハで得たものも含めて音源にフィードバックできたかなと。例えば「大きい会場で鳴らすんだったら低音はこのくらい出したほうがいいよな」とか、昨日、マスタリングをやってて思いました。
また大変な曲を作ってくれたな
──カップリングの1曲目「Hysteric Bullet」は表題曲と同じくダンスナンバーですが、こちらはユーロビートを思わせるような、性急かつアッパーなナンバーですね。
toku こんなに速いBPMの曲って、いつもだとバンドでやるんですけど、それをあえて打ち込みでやってみたっていう。
メイリア 「ヒスバレ」は、中国のオリジナルWebアニメ「銃娘」の主題歌としてオファーをいただいたんです。具体的には「『極楽浄土』みたいなダンスナンバーを」と。私たちは「極楽浄土」で中国での知名度が上がったところがあるので。
──アニメの主題歌でダンスナンバーという点で、オファーの内容としては「アイコトバ」と同じですね。
メイリア そうなんですよ。「アイコトバ」のところでもちょっと話に出ましたけど、今までガルニデが作ってきたダンスナンバーはアニソンという感じではないと言うか、むしろアニソンとは逆の方向に振っていたんです。なので、そこをどう折り合いを付けるかみたいな話をしたときに「じゃあマイナーアップをダンスミュージックに落とし込む作戦で」って。だからこんなにBPMが速いダンス曲になっちゃったんですけど、めっちゃ大変なんですよ。この速さで踊ることはなかなかないので。
──すでにアップされている「踊っちゃってみた」動画は相変わらずキレッキレでしたが……。
メイリア すごく、すごく疲れました(笑)。今回もみうめに振りを付けてもらったんですけど、いつもの3人で踊るシリーズとは違ったテイストにしたかったのでATYの2人に参加してもらって。5人で踊ることによってダンスの幅はかなり広がったんですけど、とにかく速くて激しくて。また大変な曲を作ってくれたなって。
toku この曲に関してもやっぱり“ザ・アニソン”感がキーになっていると言うか、中国には日本のアニメが好きっていうファン層があることを踏まえつつ、アニメの映像とマッチする曲にしたいなと。ただ、今まで作ってきた曲と似通ってしまっても面白くないし……ってことを考えていくと、ガルニデのアニソンの進化系として、この形は正解だったんじゃないかと思います。
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始まったら止まれない「Hysteric Bullet」
- GARNiDELiA「アイコトバ」
- 2017年11月1日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1113~4 -
通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1115 -
期間生産限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1116~7
- 初回限定盤 / 通常盤 CD収録曲
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- アイコトバ
- Hysteric Bullet
- Lonely Girl
- アイコトバ- instrumental-
- 期間生産限定盤 CD収録曲
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- アイコトバ
- Hysteric Bullet
- Lonely Girl
- アイコトバ- instrumental-
- アイコトバ TV Size ver.
- 初回限定盤DVD収録内容
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- アイコトバ Music Video
- REAL(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~ @DIFFER ARIAKE)
- 桃源恋歌(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~ @DIFFER ARIAKE)
- MIRAI(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~ @DIFFER ARIAKE)
- 期間生産限定盤 DVD収録内容
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- TVアニメ「アニメガタリズ」オープニングノンクレジットムービー
ライブ情報
- GARNiDELiAワンマンライブツアー
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- 2018年4月7日(土)大阪府 BananaHall
- 2018年4月14日(土)愛知県 ElectricLadyLand
- 2018年4月29日(日・祝)東京都 中野サンプラザホール
- GARNiDELiA(ガルニデリア)
- モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)からなるユニット。2010年に別名でオリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿し、同年アニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月に表題曲がアニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマに採用されたシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には中国・上海で単独公演を行った。秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題し、10月1日の東京・Zepp Tokyo公演を皮切りにアジアツアーを行った。11月にアニメ「アニメガタリズ」のオープニングテーマ「アイコトバ」をシングルリリース。