9mm Parabellum Bulletが想像した「みんなの遊び場」
──「みんなの遊び場」というコンセプトから着想を得たという「ラビバアソビバ!!」は、9mm Parabellum Bulletによる提供曲です。音楽ナタリーではギャンパレと9mmの対バンを前にユアさん、アイナスターさんと9mmメンバーとの対談を行いましたが、この楽曲に対してどういう印象を持ちましたか?(参照:ライブナタリー presents GANG PARADE SAY HELLO!2MAN'25特集|ギャンパレ×9mmはじめまして対談)
アイナスター (菅原)卓郎さんもおっしゃってましたけど、「アソビバ」という言葉を使用している曲が、意外にもこれまでのギャンパレになかったんです。10周年のタイミングで「アソビバ」を全面に出した曲を出せたのがすごくうれしい。9mmさんとツーマンをさせていただいたとき、ライブで音が鳴った瞬間に、もう9mmさんの空間とか世界観がバッと広がって。この曲を最初に聴いたときも、バンドの音に飲み込まれていくような、ライブを観たときと同じ感覚になりました。
──ツーマンライブの時点で、すでに楽曲提供は決まっていたんですか?
月ノ ほぼほぼ決まっていたんですけど、最終的に滝さんが「ライブを観て決めたい」とおっしゃってくれて。ライブ中に滝さんがステージ袖から観ていて、私はすごく緊張したんですけど、数日後には曲を書いてくださった。GANG PARADEのことをよく考えながら作っていただけて、本当にうれしかったです。
──滝さんがアイドルグループのために作曲をするというのはこれまでなかったことなので、9mmファンからしてもきっと驚きだと思います。
ユア 菅原さん、中村和彦(B)さんと対談させてもらったときに「曲、書きます」と言ってくれてたけど、本当に書いてもらえる世界線にいられるなんて。信じられないくらいうれしかったです。
月ノ 歌録りのときにディレクションもしてくださって、「3拍子を意識して歌ったほうがいい」って、ドクの歌入れのときに言ってた気がする。
ノン 私は「大物歌手になった気持ちでゆっくり焦らずに歌ってね」とも言ってもらいました。
──歌詞は菅原さんが書いていますね。
キャン・GP・マイカ 振付について考えるにあたって、アドバイスをいただきたくて卓郎さんに伺ったら、「違う宇宙、違う惑星に“遊び場”があって、そこから中継しているイメージだよ」とおっしゃっていました。私たちが宇宙で遊び場を生み出していて、「こちらはこういう感じで楽しくやってるよ」って、宇宙から地球に届けるイメージ。歌詞にある「星空の 彼方にゆらめく青い月」が、遠い星から見た地球っていう。
ココ・パーティン・ココ 面白いのが、セリフのパートではみんなが拡声器を使っているんですよ。エフェクトをかけているわけではなくて、マイクの前に拡声器を通した声が入っているので、宇宙と交信しているみたいで新しい試みでした。
──拡声器をマイクで拾って使うと、あとから加工ができなくなってしまうので、なかなかチャレンジングな試みでもありますよね。
ココ それも卓郎さんたちがおっしゃっていました。私の歌録りが1発目で。まずは1回やってみないと本当に使えるものになるかどうかがわからないので、チャレンジャーとしていろいろ試しながら録っていただきました。
ナス スタジオ入りしたときに卓郎さんが「これ街頭のデモ演説とかで使うやつじゃん」と拡声器を手に取って、いろんなフレーズを叫んで遊んでいて(笑)。あと、最初に私とココがスタジオに入って、そのあと滝さんがいらっしゃったんですけど、「今日はよろしくお願いします!」と挨拶したとき、卓郎さんが「こちらはアイナスターさんと、ココ・パーティン・ココさんです」って、滝さんにフルネームでご紹介をしてくださったんですよ。11人もいるのにみんなの名前を覚えてくれてたんです。
ドクソン みんなの個人のインスタを見て調べたって言ってました。
ココ え、恥ずかしい(笑)。
月ノ みんなでディズニーに行ったのも知ってたもんね。
──しっかりとメンバーのプロフィールを調べて、歌詞を考えてくれたんですね。
ナス 過去のギャンパレの楽曲の歌詞を全部確認して、ほかの歌詞と被っていないかも考えてくださったみたいで。
ココ デモ音源の仮歌は卓郎さんなんですけど、最初はキーを私たちに合わせてがんばってくれたみたいで。でも「ちょっと無理だったわ」って、オクターブ下のキーのデモを送ってくださいました。でも、卓郎さんの1オクターブ上のデモ音源も一応存在はしていまして、それもめっちゃカッコいいんですよ。
ナス デモのためにスタジオに入ったそうで。練習をしてからデモを録ってくれたのもすごくうれしかったですし、ありがたかったです。
湧き上がる気持ちがあふれそう「KIMI☆NO☆OKAGE」
──リード曲「KIMI☆NO☆OKAGE」は、作詞を渡辺淳之介さん、作曲を草野華余子さんが手がけています。
ココ 最初にデモと歌詞が届いたとき、あまりにグッときたので、レコーディングが近付くまではあえてちゃんと歌詞を見ませんでした。自分の中で落とし込むのに時間がかかりそうなので、ギリギリに確認しようと。音色に関しては、草野さんが今までギャンパレに作ってくださった曲のイメージとは若干テイストが違いますよね。草野さんがWACKを好きでいてくださる思いも感じて、めちゃめちゃ愛がある楽曲だなって思ったし、シンプルにすごくいい曲をいただけてうれしかったです。ライブでも気持ちを込めて歌いたいです。
──「落とし込むのに時間かかりそう」と思ったのは、感情があふれてしまいそうだったからですか?
ココ そうですね。「ずっとそばに」という言葉をどう捉えようか考えると、気持ちがあふれそうになったので、一旦放置しました(笑)。「大事な曲になりそうだな」と最初に聴いたときに直感しました。
ベビ 私もまず楽曲の意味を大きく捉えて、ボイトレの先生と一緒に練習して、レコーディング当日に「こうやって歌おう」と詰めていきました。ただ、私の前に歌入れしていたメイが飾らず、ありのままに歌っていたのがすごくいいなと感じて、自分が録るときに「想像してた楽曲との向き合い方は違ったかも」と考え直したんです。この曲こそ、ありのままというか、等身大で歌詞とかを考えながらやるのがいいなって。そんな気持ちでレコーディングしたら、遊び人の顔が浮かんだりしました。
──メイさんは自然体を意識して臨んだんですか?
メイ カッコつける曲ではないなとは思ったので。「グッドラック・マイフューチャー」「Doubters」は、曲の雰囲気に合わせて、強くてカッコいいイメージのディレクションをしていただくことも多かったし、「今回もそういう感じなのかな」と思っていたんですけど、「KIMI☆NO☆OKAGE」からは、等身大の気持ちがこもった感じ、言うならGANG PARADEっぽい、WACKっぽい要素をすごく感じたので、自分のできることを精一杯やろうという気持ちでレコーディングに臨みました。
ナルハ 私は歌うにあたって、すごくいろんなことを考えました。遊び人のことを思い浮かべながら、「これを聴いてどう思うかな」という気持ちで歌いました。まっすぐに「ずっと好きなんだ」と伝える歌詞だと感じたので、素直な気持ちで。
──それだけ皆さんの感情があふれる楽曲なんですね。作曲をした草野さんは過去にもGANG PARADE楽曲を手がけていますが、どれもギャンパレ愛が伝わってくるような楽曲ばかりで。
月ノ 今回のレコーディングのとき、草野さんは解散をすごく悔しがってくれて。そう思っていただけるのがすごくありがたいし、それだけ愛を込めてこの曲も作ってくれたんだなと思うと胸が熱くなりました。草野さん作曲の「グッドラック・マイフューチャー」「Doubters」のときはかなり細かいディレクションがあったんですけど、「KIMI☆NO☆OKAGE」に関してはベビもさっき言ってた通り、「ありのままでいいよ」と言ってくださって。肩の力を抜いて自然体でやっていいんだなと思いながら歌いました。
これが今のギャンパレだ!
──最近のライブについてもお伺いしたいのですが、セットリストを近年の曲でまとめることが増えたと思います。これは過去に頼る必要がないという、今現在のギャンパレに自信がないとできないことですよね。
ユア 今年6月に出したアルバム「GANG RISE」を作れたことが大きくて。スタッフもメンバーも自信を持って「これがギャンパレだ!」っていう1枚を作れたからこそ、そうなっているんだと思っています。それまでは紆余曲折あって、新譜を出してもどこかで昔の曲にどうしても頼ってしまう自分たちもいたので。やっぱ「GANG RISE」のおかげだよね。
マイカ それまで、「ライブではさすがに新譜を入れなきゃ」という気持ちもあったけど、昔の曲だったり、アンセムもあるし、塩梅がすごく難しかったんです。渡辺さんに「新しい楽曲だけでセットリスト組んでみて」と言われていた時期もあったんですけど、今は迷いもなく、自然と新譜祭りになっています(笑)。
ヤママチ 逆に、入れたい曲がありすぎて悩むもんね。
月ノ 新譜が魅力的だからこそ、古い曲のよさも際立っていると思うんです。8月にやった生バンドのワンマンも、全部「GANG RISE」の曲でセトリを組んで、アンコールに定番曲の「Plastic 2 mercy」を持ってきたんです。そのときの爆発力がすごくて。相乗効果で、これまで以上に楽曲そのものがギャンパレの武器になったなって今年一番感じましたね。
ココ ライブをやっていても、「GANG RISE」は本当にすごいアルバムなんだと思うんです。メンバーの自己紹介ソング「So many members」は2月に先行配信していて、そのあとリリースが近付くにつれて徐々に収録曲を解禁していったんです。少しずつ発表していった曲たちがアルバムになり、すぐライブで必要な曲に育った感覚があって、びっくりしています。
──昔来ていた遊び人にも、これからギャンパレを知る遊び人にも、ライブが楽しいということを改めて感じてほしいですね。
ユア これまで出会った遊び人全員にライブに来てほしい。今のGANG PARADEを聴いてほしい!って強く思います。
ココ 2025年は、「GANG RISE」のリリースと私たちの10周年で、いろんな大きなイベントをやって、本当に自信につながった1年でした。今年の1年があったからこそ、2026年も明るくみんなでハッピーに進めると思っています。終わりは寂しいけど、みんなで最後まで走り抜けられるのはすごく幸せなことなんです。新曲も楽しい曲ばかりだし、まだこれから出る曲もあると思います。全部がGANG PARADEの大事な一部だから、ゴールに向かっていい流れができるように、みんなで楽しく進んでいきます。
プロフィール
GANG PARADE(ギャングパレード)
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、ナルハワールド、アイナスターの11人からなるアイドルグループ。2014年に結成された前身ユニットから2度の改名とメンバーの増減を経て、2019年4月にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビュー。その後グループの分裂やメンバーの加入・脱退を経て、2022年5月に13人体制での活動がスタートした。2023年5月に、メジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリースし、オリコン/ビルボードで週間1位を獲得。9月からはGANG PARADE史上最大規模の全国ツアーを開催し、全国12都市13公演を完遂した。2024年1月には4年8カ月ぶり、再始動後初となる東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)での単独ライブのチケットを完売させた。同年11月に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われたワンマンライブをもってテラシマユウカが脱退。12月に11人体制でシングル「Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー」をリリースした。2025年4月から全国ツアー「GANG RISE TOUR」を行い、6月にメジャー3rdアルバム「GANG RISE」をリリース。7月に同アルバムの完全再現ライブ、8月にバンド編成ライブと、神奈川・横浜赤レンガ倉庫での自身最大規模の野外ワンマンライブ「狂遊」を行った。12月にメジャー8thシングル「KIMI☆NO☆OKAGE」を発表。2026年内で解散することが決まっている。
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