GANG PARADEが1月8日にニューアルバム「LAST GANG PARADE」をリリースした。
本作は9人体制になってから初のアルバム。WACKイズムが詰まったエモーショナルなナンバー「LAST」に始まり、メンバーが作詞を手がけた楽曲の数々が収録されている。音楽ナタリーでは意味深なタイトルを冠した新作のリリースを記念して、メンバー全員へのインタビューを実施。歌詞や楽曲にまつわる思いを中心に話を聞いた。
取材・文 / 田中和宏 撮影 / 後藤倫人
意味深なタイトル「LAST GANG PARADE」
──今回は9人体制で初のフルアルバム「LAST GANG PARADE」について、いろいろお伺いできればと思います。まず9月の東京・Zepp Tokyo公演で今作のリリースが告知されました。意味深なタイトルにお客さんがざわついたシーンが印象に残っています(参照:GANG PARADE、ストイックに魅せた9人の「REBUILD TOUR」千秋楽)。
ユメノユア 「LAST GANG PARADE」というタイトルは、渡辺(淳之介 / WACK代表)さんが決めてくださったんです。このタイトルに衝撃を受けたのはお客さんだけではなくて私たちも同じでした。「何も聞かされていないけど、ギャンパレ終わるの?」って夜中に不安になって、マネージャーに「どういう意味なんですか!」って聞いたくらいで。でも「LAST」には“最後”って意味だけではなくて、“続いていく”という意味もあることをヒントとして教えてもらったので、私はそういう意味だと信じています。
ココ・パーティン・ココ どうする? この体制の最後とかだったら……。
カミヤサキ WACKは言霊があるから、あんまりネガティブなことを言うと本当にそうなっちゃうかもよ?
ユイ・ガ・ドクソン それは困る!
──渡辺さんが“ラスト”を付ける采配は過去にもありました。NIGOさんと共同プロデュースしていたBILLIE IDLEは2017年11月に「LAST ALBUM」を発表し、そこからグループの状況が大きく変わりましたよね。
ココ 確かにGANG PARADEだと「Barely Last」(2016年発表のアルバム)を出したとき、流れが変わりました。
テラシマユウカ ホンマや。うちら(元SiSのテラシマ、ココ、ドクソン)が加入したタイミングだったし。
ドクソン でもいい方向に変わっていったよね。
ユア 過去の経験から考察しても、ギャンパレ(GANG PARADEの愛称)にとっていい意味での転機にはなるはずです。
左からカミヤサキ、キャン・GP・マイカ、ユイ・ガ・ドクソン。
身が引き締まるような強さを持った楽曲「LAST」
──ここからはアルバムの収録曲について聞かせてください。1曲目が「LAST」という曲です。
カミヤ この曲は衝撃、感動、重みといろいろ感じます。今までも「Plastic 2 Mercy」をはじめ、いろいろな代表曲が生まれた歴史がある中で、「LAST」も間違いなくGANG PARADEの新たな代表曲になると思いました。
月ノウサギ いい曲だからこそ、「曲に負けたくない」と思いました。歌っていると身が引き締まります。
──この曲には歌詞やサウンドに力強い“WACKイズム”みたいなものを感じました。
カミヤ その通りで、メンバーみんなそう思っています。個人的にはもはやWACKができる以前の歴史すらも感じます。
──これまで渡辺さんと松隈さんはギャンパレ以外にも多数のグループの楽曲を手がけてきていますけど、この曲ではこれまでに名曲と言われた楽曲のエッセンスが凝縮されてるような。
ココ 受け取る人によっては「今まであった曲を詰め込んだ感じ」という感想になるかもしれないですが、この曲をギャンパレのものにできるかは私たち次第なのかなって。「ほかのWACKアーティスト曲のオマージュ」とくくられることがあったとしても、その意見を超えられるのはうちらしかいません。ライブを通じてしっかりこの曲を今のギャンパレ色にしたいです。
──2曲目の「GANG 2」はシングル曲ですが、「LAST」に続けて聴くことで深みが増したような印象です。
ハルナ・バッ・チーン 私と月(月ノの愛称)のデビュー曲です。「GANG 2」は滝からドーンって水が流れてる大きな川みたいな、壮大な感じがします。
──2018年4月に初披露してからツアーを中心にパフォーマンスしてきましたが、反応はいかがでしたか?
ユア お客さんがサビ終わりのシンガロングパートを歌ってくれます。みんながギャンパレに寄り添ってくれている感じとか、一体感をその瞬間に感じます。
キャン・GP・マイカ この曲はいつも一番強い心でパフォーマンスできます。対バンライブでたくさんのアイドルさんと競演したときでも、「今のGANG PARADEはこうだ!」と自信を持ってお届けできる、負けない気持ちになれる曲です。
──軽快なポップチューンの「Message」はヤママチさん作詞です。歌詞はどういった思いを込めて書かれたんですか?
ヤママチミキ ギャンパレのライブに初めて行こうか悩んでる人のことを歌っていて、そういう人たちに向けて「GANG PARADEはこういうグループです」「ライブはこんなふうに楽しめるよ」と説明したような歌詞になっています。遊び人(ギャンパレファンの呼称)はフレンドリーな人が多くて、いつの間にかファン同士の輪が広がっているんです。でもすでにできあがってたコミュニティに1人で飛び込むのって勇気が要ることだと思うから、そういう人に向けて、「遊び人は新規のファンを受け入れてくれるから大丈夫だよ」ということを歌ってます。
カミヤ もし自分がお客さんで初めてライブを観に行ったときに、こんな曲を歌ってくれたら、すごく安心できる。フロアの雰囲気がまろやかになりそうな気がします。
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WACKの社内事情をイメージした「HERETIC」