本当の兄弟みたい
──これまでさまざまな楽曲に挑戦してきた学芸大青春ですが、今度はお芝居にも初チャレンジされるということで。ドラマ「漂流兄弟」に出演が決まったときはどんな気持ちでしたか?(参照:学芸大青春がアニメでも実写でもないドラマ「漂流兄弟」で俳優デビュー、主題歌も配信)
内田 不思議というか、どういうことか認識するのに時間がかかりました。「ド、ドラマ!?」みたいな(笑)。
南 演技もやってみたいという気持ちはあったからすっごくうれしかったけど、いざ始めてみると苦労したよね。
仲川 しかも2次元での演技だしね。
星野 いかに体で気持ちを表現するかっていうのがね。引き出しをいっぱい作らないと、どんどん話数が進むにつれて、出せるものがなくなってきちゃうんです。それをキャラごとに考えるのが難しかった。
南 表情に出ない分、より一層声に感情を乗せなくちゃいけないのが難しかった。そういうときに一番よかったと思うのが、やっぱり共同生活していたことだよね。
全員 うんうん!
南 基本、この5人で進んでいくストーリーだからこそ、レッスンだけじゃなく寮でも「さっきのところ……」って話ができたから。それがよかったよね。
内田 この「漂流兄弟」は、4兄弟のもとに謎の男がやって来て翻弄されていく話なんですけど。兄弟を描くうえで、俺らが実際に一緒に住んでいるっていうのがすごくやりやすかった。勝手に生まれる波長みたいなものがあったよね。
仲川 僕、実際は一人っ子なので、兄弟のことはあまり想像できなかったんですけど、みんなと共同生活する中で、本当の兄弟みたいな感じになっていたのでやりやすかったです。
南 おおっ!(仲川の肩を叩く)
星野 うれしいこと言ってくれちゃって!
相沢 俺は姉が1人いるんですけど、男兄弟がいなかったので、みんなが男兄弟みたいな感じだな。
内田 サンキュー!(ガッツポーズ)
隅っこで体育座り
──逆に南さんは1人だけ“謎の男”役で寂しかったりしませんでした?
南 最初はすっごく寂しかったんですよ。
星野 そうだよね。
内田 めっちゃ寂しそうにしてた(笑)。
南 みんな初めての演技だったので、収録前に2カ月くらいレッスンしてから本番に挑ませてもらったんです。でも自分は1話の最後にちょびっと映るだけだったので、ひたすらみんなの演技を見て、先生の言っていることをメモしたりして。「さっきこんな感じで言ってたよ」とか「ここよかったよ」とか、みんなに言うくらいしかできなくて。
星野 優輝が最初に外から見てこうしたほうがいいっていうのを細かく指示してくれたおかげで1話がうまくいったのかなって俺は思う。
南 そう言ってくれたら報われたよ。
星野 優輝、稽古中は隅っこで体育座りしてたもんね(笑)。
南 でも自分自身も1話でみんなの兄弟感を観ていたおかげで1話から入っていきやすかったなって。
内田 だろうな。
南 あはは(笑)。なので俺が演じる謎の男がどう兄弟に関わっていくのかも、ぜひ楽しみにしてもらえたらなと思います。
関係性も楽しんで
──今少しお話ししていただきましたが、それぞれ演じられる役どころについて教えてください。
内田 俺が演じる「マサ」は4兄弟の長男で、死んだ両親の代わりにリフォーム会社を経営する一家の大黒柱です。マサは日々「それダメ、あれダメ」「ケンカやめろ!」みたいな感じで弟たちに怒ってばかりいるんですけど、それは愛情の裏返しで、すっごいブラコン。俺も実際に姉と弟と妹がいるんですけど、長男であるというところにすごく共感することができて。不器用なところも似ていますし、やりやすかったですね。
南 じゃあ次は、陽介いく?
星野 はいっ! 次男のヨウスケ……じゃなかった「ヨウ」です! ひと言で言うと“アルティメットバカ”です!
全員 (笑)。
相沢 いつも通りでよかったね。
星野 そうそう、いつも通り……じゃないっ!(笑) エンゲル係数を1人でブチ上げちゃうくらいの食いしん坊役をやらせていただいてます。
内田 ドラマの中でもめちゃくちゃ食うときあるよね。
星野 そうなの! そういうシーンもあるのでお楽しみにしてください。
相沢 三男、大学生のユウ役をやらせていただいています。「養いたい」と申し出る女性があとを絶たない“熟練のヒモ”です。
内田 天才だな!
相沢 だよね。ユウは兄弟に対しては冷たいというかSっ気があるんだけど、女性に対しては優しいところが見どころなのかなと。けっこうカッコ付けてるけど、言ってることはクズみたいな(笑)。そういうところも楽しんで観てほしいです。
星野 あと、ヨウとユウはかなりケンカするんだよね。
相沢 そうそう、いつもしょうもないことでケンカしてる。そのくせ妙に息が合ったりして、そこが面白いというか。
南 この2人の関係性も楽しんでいただいて。じゃあ、四男いきますか?
仲川 はい。僕は末っ子のレンを演じています。通信制の大学に通いながら家業を手伝っていて。天使と悪魔のパペットを使って1日中腹話術で会話してるんです。
南 不思議ちゃんだよね。
仲川 うん。天使と悪魔の声の使い分けがすごく難しくて。しかも悪魔のセリフって汚い言葉も言ったりするから。
相沢 普段、蓮が言わないような言葉とかもね。
仲川 そうそう。こんなこと人様の前で言っていいのかなって。
全員 (笑)。
内田 1人3役やっているようなもんだよな。
星野 パペットで、よくミニ劇場とかもやってるよね。
仲川 うん。ほかの人がしゃべってるときも、パペットでずっと遊んでますね。
南 それも見てもらえるといいね。
仲川 (うなずく)
南 じゃあ、最後は謎の男!
星野 来ました!
内田 よっ、謎の男!
南 政府から派遣されたエリートなんですけど、実はすごいポンコツっていうのが見どころです(笑)。話が進むにつれてギャップも見えてきて、面白いところもあると思います。
仲川 うん、面白い。
内田 話数が進んでいくほど愛着が湧いてくるよね。だんだんかわいくなってくる!
星野 がんばりすぎて空回りしちゃうところは優輝とリンクしてるよね。
相沢 あと、ユウと謎の男の関係にも注目してほしい。
南 謎の男が兄弟の中に入ることによって、4人の意外な一面も出てきたりするので。その関係性も観ていただけたらなと思います。
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ドラマを観たら沁みる曲