1stアルバムは一番私らしいもので勝負したかった

──いよいよリリースになるメジャー1stアルバム「one way」ですが、これはいつ頃の曲が収録されているんですか？

フルアルバムを出すのが前回のインディーズ時代から2年3カ月ぶりなんです。なので、その間に出したインディーズとメジャーのシングル、そして新曲が入っています。

──表題曲でもある1曲目「one way」は、一方通行の恋を描いた切ないナンバーですね。

これはちょっと前に書き上げた曲なんですが、今回のアルバムを作ることになって、具体的な話が出始める前から「アルバムタイトルと1曲目は絶対『one way』でいきたい」って言ってて。「これだけは絶対譲れない！」って。

──それはどうして？

一番私らしいもので勝負してみたかったというか。「one way」は心の嘆きや叫びを書いてて、私の曲作りの原点じゃないですけど、気持ちの捌け口になってる曲なんです。あとコーラスもけっこう重ねていて、自分のやりたいことが詰まっている。特に最後のコーラスはカオスな感じにしたくて、つい歌の世界にもっていかれるというか、現実逃避しちゃうくらい浸れる世界を目指して作っていきました。

──「one way」は曲調や音の冬っぽさも印象的だったのですが、アルバムは全体的に季節の流れを意識させる曲順になっているのかなと。冬の曲に始まり、春、夏……と続きますよね。

曲順は10パターンくらい作って悩んだんですけど、おっしゃるとおり、1曲1曲に季節がすごくあるので。完全に春夏秋冬で並べたわけでもないんですが、前半はわりと意識しましたね。秋の終わりに出すアルバムなので、冬から順に季節が見えるようにしました。

PVは「せっかくならドキドキしたいです」

──小野賢章さんが出演する「one way」のPVも公開されるや否や大きな話題に（参照：藤田麻衣子PVで小野賢章が女心を惑わす男に）。女性を惑わす小野さんの演技がリアルでドキドキします。

そうなんですよー。監督には私の願望もお伝えしたんですが、この曲は男性が気を持たせてるというか、期待させておいて……という状況を描いている。だからいろんな一方通行の表現がある中で、私はそういうシチュエーションが見たいですってお話をしたんです。せっかくならすごくドキドキしたいですって（笑）。

──ただプレイボーイが出てくるだけじゃなく、ドキドキの要素もほしいと。

はい。こんなことされたらドキドキしちゃう……っていうシーンを入れてくださいって。だから監督さんたちはいろんなドラマや少女マンガを見て研究してくださったみたいなんです。女子はどういうシーンにときめくのか。

──素晴らしい努力！

感謝ですよね。おかげで「恥ずかしくてもう見れない！」って思うんだけど、もう1回再生しちゃう……みたいな（笑）。すごくドキドキするものに仕上げていただきました。私のTwitterにも「小野さんの演技にすごくドキドキした」とか、曲自体について「私、1年前こういう状況でした」というリアルな感想もいただいています。