奥華子「KASUMISOU」 / 藤田麻衣子「wish」 PR

奥華子×藤田麻衣子|真逆な性格2人の共鳴

奥華子のニューアルバム「KASUMISOU」と藤田麻衣子のニューアルバム「wish」が3月20日にそれぞれリリースされた。

かねてより親交の深い奥華子と藤田麻衣子。そんな2人が昨秋、立て続けにライブイベントで共演したことをきっかけに生まれたのが初めてのデュエット曲「トライアングル」だ。藤田が作詞作曲を手がけ、奥がピアノを演奏するこの曲は、1人の男性を“奪う女性”と“奪われたくない女性”による三角関係が描かれている。今回リリースされた2人のアルバムの初回盤には、歌唱パートを入れ替えたバージョン違いがそれぞれ収録されることとなった。

公私ともに仲のいい2人の初コラボを記念し、音楽ナタリーでは奥と藤田の対談をセッティング。その出会いから、「トライアングル」制作にまつわるエピソード、そして最新アルバムについての話まで、たっぷりと語り合ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 星野耕作

駆け込み寺の奥華子

──お二人はどんなきっかけで仲良くなったんですか?

左から奥華子、藤田麻衣子。

藤田麻衣子 最初は私が一方的に大好きだったんですよ。2006年に華ちゃんのコンサートを初めて観たんですけど、1曲目から大号泣で。楽曲自体にも共感できたし、何より弾き語りでもホールコンサートができるんだと教えてくれたことに感動したんです。当時の私は上京して2年頃で、100人も入らないくらいのライブハウスで歌っていた時期だったから、同じシンガーソングライターとして尊敬の念しかなかったというか。そこから何年かしたときにライブイベントでご一緒する機会があったので、初めてご挨拶させていただいたんです。「以前コンサートを拝見しました。大好きです!」って。

奥華子 そこからイベントで何回か会う機会もあったし、私のライブにはよく来てくれていたので、何かのタイミングで「じゃ今度一緒にごはん食べようよ」って話になったんだよね。

藤田 そうそう。いろんなことに悩みすぎてどうしていいかわからなくなっちゃったときに「話を聞いてほしいんです」とお願いして、ファミレスで5時間くらい私の悩み相談に乗ってもらいました(笑)。それが2010年か2011年頃で。

 ちゃんと話したのはそれが初めてだったんですけど、いきなり圧倒されちゃって(笑)。自分の思い描くように前へ進めないことに対して、怒りにも似た感情がとにかくすごかったんですよ。でも私は彼女の悩みに対して「大丈夫じゃない?」みたいなノリで返すっていう。その関係性は今も変わっていないです。年末になると必ず連絡が来るしね。

藤田 私にとっての駆け込み寺みたいな感じです(笑)。華ちゃんにいろいろ話して浄化してもらわないと年が越せないみたいな。

 麻衣子ちゃんはかなり心配性で、私はすごく大雑把。性格的に真逆だから、話をしていてもとにかく楽しいんですよ。だからいつの間にか仲良くなって、お互いのライブを観に行ったり、ごはんを食べに行ったり、私の家に遊びに来てもらったりとかする関係になったんです。笑わせようとしているわけじゃなく、普通に生きているだけなのに、それがめちゃくちゃ面白い。恋愛観も共感し合えるところはまったくないですね(笑)。

藤田麻衣子

藤田 私が華ちゃんの考えを聞いても、すべてが「へえー」っていう感じだしね。でもそれが新鮮なんです。例えば私の悩みごとは華ちゃんからしたら1mmも心配に感じないことみたいで、軽く笑い飛ばしてくれるんです。結果としてそれが私が心配の渦から抜け出すきっかけになる。華ちゃんは本当に強く、たくましく、大きく生きてるんです。あと丈夫だしね。私にとって希望を与えてくれるアンパンマンみたいな存在。

 言いたい放題!(笑) だから笑えるんですけどね。前に私の家でごはんを食べようってなったとき、事前に「苦手な食べ物ある?」って聞いたんです。普通なら2つか3つ苦手なものを言ってくる感じじゃないですか。でも麻衣子ちゃんはぶわーっと大量に苦手な食べ物を書いたメールを送ってきて。「え、こんなにあるの!?」って(笑)。

藤田 だって正直に伝えずに、出てきたものに対して「これは食べれません、これもダメです」って言うのは失礼じゃないですか。

 全然正しいんですよ。でもめっちゃ細かいなって(笑)。そのときは鍋をしたんですけど、結局しゃべるのに夢中で私がよそってあげても全然食べなかった(笑)。

藤田 やっぱりしゃべってると食べられないですよね。お椀とお箸は持ってるけど、気付いたら食べるのを忘れて30分くらいしゃべり続けてました(笑)。

 麻衣子ちゃんはとにかく素直で、何に対しても嘘がないんですよ。カッコつけたり、見栄を張ったりもしない。純粋にうれしいことはうれしいし、イヤなことはイヤだって言う。そういうわかりやすいところが私は好きだし、付き合いやすいところだなって思いますね。

ライバルみたいな感覚はまったくない

──そんな藤田さんの音楽に関して、奥さんはどんな印象を抱いていますか?

 初めてCDを聴いたときは、めちゃくちゃ歌がうまいなって思いました。声がすごく繊細でキレイだし。しかも、ライブではそれを超えるクオリティの歌を聴かせてくれるから本当にビックリしたんですよね。一昨年のオーケストラコンサートも感動的でした。麻衣子ちゃんが願っていたオーケストラコンサートという夢が実現した場でもあったので、保護者のようにずっと泣いてましたよ。「よかったねえ」って(笑)。自ら掲げた夢を着実に実現させていくその姿勢は私もすごく尊敬していますね。

奥華子

──お互いに刺激を受け合う関係なんですね。

 ピアノを弾いて歌うスタイルとか、恋愛ソングが多いとか、似ている部分も多いですしね。ただ、やっている音楽に関してはけっこう違うなと私は思っているんですよ。もちろん刺激を受けるところはあるけど、ライバルみたいな感覚はまったくないというか。それぞれに違うよさがあって、違う部分で勝負していると思うから。

藤田 確かに華ちゃんをライバル視したことはないですね。私の場合、尊敬する大先輩みたいな感覚が強いですから。手の届かないところにいてくれるからこそ、私もがんばれる。そういう意味でも、いい関係のような気がするんですよね。変な心のモヤモヤを抱くことなく、純粋に慕っていられるから(笑)。