これが私立恵比寿中学だ!“Reboot”したエビ中が真っ白な明るい未来に色を付けるセルフタイトルアルバム (3/3)

成長した!

──「ナガレボシ」は心温まる、ストレートなミディアムバラードですね。

小林 「ナガレボシ」は私と同じくらいの世代……就職をどうしようか、夢を追い続けたいけど現実も見なくちゃいけない、と悩んでいる年齢のイメージがあって。切なくもあるんだけど、前向きに未来へ進んでいこうとしている感じ。そっと背中を押してくれるような感じがあって心地よいです。受験生とかにも聴いてほしい。

──「さよなら秘密基地」からの後半はグッとくる流れが続きますね。次の「宇宙は砂時計」はキタニタツヤさんの作詞作曲で、9人の歌声がじっくりと楽しめる、ほんのり寂しく優しいムードの楽曲です。

風見 好き……。

安本 和香好きだよね。

風見 最初にデモを聴いたときはどんな世界観なのか全然わからなくて、自分なりに歌詞の意味を考えてレコーディングに行ったんです。スタジオでもボイトレの先生に相談して、一生懸命考えながら歌ったので思い入れが強いです。

──新メンバーの3人は、昨年8月発売のアルバム「FAMIEN'21 L.P.」(参照:私立恵比寿中学「FAMIEN'21 L.P.」インタビュー)からさらにレコーディングの経験を重ねて、意識として変わってきた部分はありますか?

風見 最初はとにかく音程を覚えるのに必死だったんですけど、今回のアルバムでは曲に対しての思いとか歌詞の意味をすごく考えるようになりました。

──桜木さんは最初の頃うまく歌えずに泣いていましたが、今回はどうでしたか?

桜木 泣きませんでした(笑)。最初は高い声が出ないから何テイクも録り直して、すごく悔しい思いをしました。でも、このアルバムのレコーディングまでに自分の声質に合ったボイトレ方法でたくさん練習したので、自分なりの歌い方ができるようになってきて。たくさんやり直しをさせられることは少なくなりました(笑)。

──3人それぞれ自分の歌い方をつかみつつあるんだろうなというのは、ライブを観ていても感じますよね。小久保さんはどうですか?

小久保 私は歌詞のカードにメモをするようになりました。

真山 成長した!

小久保 前までは息を吸うタイミングとかしか書いてなかったんですけど、「ここは感情爆発ポイント」とか大事だと思うことをピンクのペンでメモしています。

左から桜木心菜、風見和香、小久保柚乃。

左から桜木心菜、風見和香、小久保柚乃。

──そういう方法は先輩たちが教えるんですか?

安本 まやさんがけっこう教えてるよね。

星名 「書きなね」ってよく言ってる。

小久保 私は今愛知から通っているので、新幹線の中で復習するんですけど、1人でぶつぶつ言えないから、「ここはこういう雰囲気で」とか横に絵を描いたりとかして覚えてます。

これからのエビ中は……

──そしてアルバムは9人体制初のオリジナル曲「イヤフォン・ライオット」で締めくくられます。この明るくさわやかな曲で新体制のスタートが切られたことが、今のエビ中にとってすごくよかったのではないかと、アルバムを通して聴いたときにしみじみと感じました。

星名 うんうん。そうですね。

──このアルバムを引っさげての春ツアーも決まっているし、おそらく夏は「ファミえん」があるでしょう。メジャーデビュー10周年ということもありますし、おそらく例年以上ににぎやかな活動が予想されますが、エビ中はここからどうなっていくのでしょうか。

真山 どうなんだろう。「やってみないとわからないことはたくさんあるな」というのは、この3人が入ってきてくれたおかげで、去年すごく感じることができました。今年はそれを1つずつ積み重ねて、これから先に生かせるようにしたいなと思っていて。かほりこが入ってきたときも、2年くらいはグループの形を模索していたと思うんですよ。10年以上の歴史を重ねてきてエビ中というグループの軸はできているんだけど、大学芸会の“Reboot”だけでは完成できなかったそれぞれの個性があると思うので、グループをもう1つググッとまとめたいなと。今年1年は成長の年にしたいですね。再起動して、いろんなところを立て直さないと。最近知ってくれた方もたくさんいると思うので、はじめましての気持ちで、皆さんとより密度の高い1年を過ごしていけたらと思います。

──再起動したエビ中をさらにもう一段高めていくためには、何が課題となるでしょう? BOSS。

柏木 えー(笑)。課題……なんだろう。ファンの方的にも、大学芸会は「よかった」という意見が多いと思うんですよ。今後どうなっていくかはファンの方も気になっているところだと思うので、春のツアーはすごく大事だと思う。大学芸会がよかった分、期待もされていると思うので、その期待を裏切るようなことはしたくないなって。

──確かに。中山さんはどうしていくべきだと思いますか?

中山 なんだろう? どうしていくべきか……なんだろうなあ。ライブの数をこなして、成長していく。

──シンプルですね。でもやっぱり実践で蓄えていくのが一番大事だと。

中山 はい。もっと1人ひとりが成長しなくちゃいけないかなって。

──先輩の言葉を踏まえて、「これからのエビ中はこうなっていく」というのを新メンバーの誰かにズバッと決めてもらいたいのですが。誰が言うのがよいですかね?

風見 えー。

安本 柚乃かなあ。

真山 心菜いっとく?

桜木 いや、ここは柚乃で!

小久保 えっ?

真山 大丈夫、失敗してもヤスがなんとかしてくれるから。

安本 任せて。

小久保 えー、これからのエビ中は……元気に楽しくハッピーに。

一同 あははははは!!

小林 大事大事!

安本 それは大事。いい後輩を持った!(笑)

公演情報

私立恵比寿中学10th Anniversary Tour 2022~drawer~

  • 2022年4月16日(土)東京都 J:COMホール八王子
  • 2022年4月17日(日)東京都 TOKYO DOME CITY HALL
  • 2022年4月29日(金・祝)新潟県 新潟テルサ
  • 2022年5月5日(木・祝)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
  • 2022年5月8日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2022年5月14日(土)北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
  • 2022年5月21日(土)茨城県 ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)大ホール
  • 2022年5月28日(土)愛知県 刈谷市総合文化センター 大ホール
  • 2022年6月10日(金)埼玉県 川口総合文化センターリリア メインホール
  • 2022年6月11日(土)栃木県 栃木県総合文化センター メインホール
  • 2022年6月18日(土)千葉県 市川市文化会館 大ホール
  • 2022年6月26日(日)福岡県 福岡市民会館 大ホール
  • 2022年7月3日(日)神奈川県 カルッツかわさき
  • 2022年7月9日(土)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

プロフィール

私立恵比寿中学(シリツエビスチュウガク)

2009年夏に結成された、スターダストプロモーションのアイドルセクション・スターダストプラネットに所属するアイドルグループ。2012年5月にシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビュー。“転校”(脱退)と“転入”(加入)を繰り返し、2018年1月に真山りか、安本彩花、星名美怜、柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子の6人体制となる。“開校”10周年を迎えた2019年は、3月に5枚目のアルバム「MUSiC」、6月にメジャー通算13枚目のシングル「トレンディガール」、12月には6枚目のアルバム「playlist」をリリースした。2020年10月より安本が悪性リンパ腫の治療のため休養するが、翌2021年4月に寛解を発表し活動を再開。また同年1月からは7年ぶりの新メンバーを募集するオーディションが行われ、5月に桜木心菜、小久保柚乃、風見和香が新メンバーとして転入。9人体制での活動をスタートさせた。同年8月、9人体制初のオリジナル楽曲「イヤフォン・ライオット」を含むニューアルバム「FAMIEN'21 L.P.」を発表。2022年3月には通算7枚目となるオリジナルアルバム「私立恵比寿中学」をリリースし、4月より全国ツアー「私立恵比寿中学10th Anniversary Tour 2022~drawer~」を行う。