私立恵比寿中学|令和アイドルが指し示す、これがトレンディ

真逆のキャラに挑戦「神ちゅーんず」

──そして今回のシングルの話にも関わってきますが、4月には6人が主演を務めるドラマ「神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~」の放送がスタートしました。

安本  自分が出てなくても観たいと思うほど面白くて……観るとつい自分の演技に反省しちゃうけど、そういうの関係なく楽しんで観たい(笑)。放送されたら3回は観てますね。自分用、楽しむ用、さらにもう1回、みたいな。

星名 配役も普段のキャラとは違う感じでやらせてもらっているから、すごく新鮮です。

──柏木さんが演じるDTM少女・十倉凜を軸に話が進んでいきますが、実際に機材に触ったことは?

柏木 役ではDTMに慣れてる感出してるけど、私はまったくやったことがなくて。やえちゃん(安本が演じる凜の親友・大宮やえ子)に教える立場だけど、本来は逆なんですよ。彩ちゃんはDTMやってるから。やえちゃんに教えるシーンではめっちゃ緊張してました(笑)。

──凜はプライドを抱え込んでいっぱいいっぱいになっているキャラですけど、共感できるところはありますか?

柏木 全然ないんですよ(笑)。

真山 私は凜ちゃんにめっちゃ共感できる。「真逆のキャラをやってみたい」とお願いして私は橘梓になったんですけど、彼女のことはまったく理解できない。

──クラスの中でもヒエラルキーが上の、いわゆるリア充的なキャラですね。

星名 台本読みながら「意味わかんない」って言ってたもんね(笑)。

真山 最後まで嫌いなままでした(笑)。「梓の一番の理解者になろう」と思って挑んだんですけど、役柄を考えると「私が一番嫌いな女を演じるのがいいんだな」って。凜ちゃんにはすごく共感するところが多いんですよ。凜ちゃんとケンカするシーンでは、彼女をイラつかせるには、自分がイラつくことをすればいい。

柏木 でもケンカするシーンはマジでイラついた(笑)。言われてイラついて言い返す、という演技だったので、役に入り込んでたのか普通にカチンときて「ハア?」って。

真山 ひなたの顔怖かったもん(笑)。

柏木 リアルな感じで撮れたと思う。一緒に音楽をやるメンバーを1人ずつ誘っていくんですけど、その中では必ず衝突があって。その場面は共感できるところもありました。

安本  普通の女子高生としての悩みが入っているから共感できるんだろうね。

川谷絵音が持ち込んだエビ中の新機軸

──ニューシングル「トレンディガール」はそのドラマの主題歌で、川谷絵音さんの書き下ろしです。エビ中はこれまでも変わった曲、難解な曲をいくつも歌ってきましたけど、また新しいタイプの変わった曲ですね。

星名 初めて聴いたときは何を歌っているのか全然わかりませんでした(笑)。川谷さんはこういう曲を普通に歌ってらっしゃるけど、どうやってこんな難しい曲を歌ってるんだろうって。

真山りか

真山 私はindigo la Endが大好きなので、曲をいただいたときはうれしかったです。ヒャッホーイ!って。ヒャッホイだけど、川谷さんの曲は本当に難しいんですよ。自分で歌うとなると別で、聴き慣れてる音楽なんだけど、どうにも歌えない。でも確かに今までのエビ中にはなかった曲で、これをきちんとマスターしてライブで歌えるようになったら、エビ中の新しい一面が見せられるだろうなって。

小林 「トレンディガール」は1曲の中に、人によって違う刺さるポイントがいっぱいあると思うんですよ。気持ちが行ったり来たりして旅行してるみたいな(笑)。

──感情を押し殺したようなトーンで歌ってますよね。ライブで歌うのは難しそうだなと思いました。

安本  淡々と無機質に歌うことでこの歌詞の世界観が伝わると思うので、そこは意識して歌いました。確かにライブで歌うのは難しそう。

中山 アルバム「MUSiC」でも新しい挑戦がいっぱいあったけど、またまた新しいのができました。難しいので練習練習で……またこの曲で1つ成長できるかなと思います。

柏木 私はあのイントロが好きすぎて。DTM感がありますよね。

小林 でんでで、でんででん。

柏木 1回聴いたら耳から離れないんですよ。不思議だけど覚えやすい。

左から柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子。

──そしてカップリング曲の1つ「あなたのダンスで騒がしい」も川谷さんによるドラマのための書き下ろしで、こちらは皆さんが演じるユニット・神ちゅーんずの初のオリジナル曲という設定ですね。

星名 ドラマの中では、凜から渡されたこの曲の歌詞を読んで2人の関係を思い出すというシーンがあって。パッと読んだだけではわからない歌詞だけど、何度も繰り返し聴いているうちに……感情がワーッ!となりました。

真山 ワーッとなった(笑)。

星名 でもそれは監督も言ってた。

安本  私が作詞をする役なので、すごいプレッシャーですよ。レコーディングのときも「私が書いたの!」って思いながら歌いました(笑)。ドラマの中ではこの歌詞が凜ちゃんの心を動かすきっかけにもなっていて、大事な曲ですね。

柏木 2曲とも川谷さんだからこそ書ける曲だと思うんですよ。タイトルからしてそれを感じて……音としてのこだわりがすごいなって。

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16歳とのコラボ、高橋久美子の女子ワード

──今作にはさらにあと2曲、新曲がカップリングとして収録されています。「結ばれた想い」を書いたさなりさんは16歳で、「MUSiC」も18歳の現役高校生Mega Shinnosukeさんの参加が話題になりましたが、さなりさんはもっと若い。

中山 Megaくんでも「同い年?」って驚いてたのに「16歳!?」って。

安本彩花

安本  若い子に聴いてもらうきっかけになりやすい曲だと思います。若い子がケータイで聴いてる音楽はまさにこういうの、みたいな。

星名 そうそう、若い子はラップ好きだもん。

──自分が若い子じゃないみたいな言い方ですね(笑)。エビ中は最近、公式でTikTokをやってみたり、同世代からさらに下へのアプローチも積極的な印象がありますが、さなりさんやMegaさんの起用もそのあたりを見据えているんですかね。

真山 そうなんですよ。これまでエビは現代に乗らない風潮があったんですけど、乗ったら違った。私たちは乗りたいと思ってたんですよ。

安本  でも校長(マネージャー・藤井ユーイチ氏)がサブカルだから(笑)。

真山 流れに乗らずにい続けるよさもあると思うんですけど、いろんなことをやってみることでグループ自体も成長できるところは大いにあるので。

──そして「青い青い星の名前」は、エビ中にたびたびある「なんでこれをA面にしなかったんだろう」案件ですね。ストレートにグッとくるポップソングで。

星名 そう!「絶対みんな好きなやつじゃん!」って。

真山 アイドルフェスとかで歌いたいですね。

柏木 「ファミえん」(エビ中の夏恒例のライブイベント)曲っぽいよね。景色が見えやすい。レコーディングで歌っててもすごく気持ちよかった。

真山 高橋久美子さんが作詞してくださるのは去年の「ファミえん」のテーマソング「朝顔」(参照:エビ中「ファミえん」ダブルテーマソング配信リリース決定、高橋久美子が作詞参加)に続いて2度目なんですけど、こういうグッとくる歌詞は高橋さんならではですね。

中山 なんだろう、カタカナのワード……「ウルトラ猛暑」とか、「朝顔」だと「マニキュア」とか、心が躍るようなカタカナワードが必ず入ってるんですよ。

真山 ワードチョイスが女性らしいというか。

小林 潤ったもんね。砂漠が潤ってる絵が浮かんだ。

柏木 どういうこと?

星名 発想が豊かだから(笑)。

──今年はエビ中“開校”(結成)10周年ということもあり、秋にはもう1枚アルバムのリリースを予定していたりと、かなり活発ですよね。今回のシングルも次のアルバムへの狼煙的な意味合いがあるのかなと。

星名 そうだった! アルバムどうなるんだろう……大丈夫かな。

真山 大丈夫でしょう。どんどん曲が増えていくからこそ、自分たちの芯にあるものをなくさないようにしないと。

──新しい一面がこれからのエビ中の核になっていくかもしれないし、「梅」がさらにブレイクする可能性もある。10年経ったけど、ここから変化していくことも十分にあり得ますよね。

真山 そうですね。何が起こるかわからないので、今はいっぱい種植えしている感じ。