ナタリー PowerPush - 私立恵比寿中学

鈴木さんはまだまだ成長中

「すっっっごいうれしかったです!!」

──エビ中初期は全員がマイクを持たず、パートごとにバトンを渡すようにマイクとペンライトを交換しながらパフォーマンスをしていましたよね。鈴木さんが以前、当時のことを振り返って「マイクを持つ出番が少ないのが悔しかった」というようなことをおっしゃっていて、ちょっと意外に感じたんですね。そんなにガツガツした感じに見えなかったから。

悔しいという気持ちもあったんですけど、いざマイクを持つ出番が来ると「音痴な歌を聞かせるのもちょっとな」って気持ちのほうが強かったです。音程ズレズレで場がシラケちゃって、これどうしようとか思ったり(笑)。ホントにホントに! 場がシラケるんですよ! すっごいシーンとなって。

鈴木裕乃

──でも自分の出番が増える喜びはある。

はい、あ……り、ま、す……。

──なんでしどろもどろなんでしょうか(笑)。先日のブログで映画「ジョーカーゲーム ~脱出(エスケープ)~」の主演報告をされている中で、主演が決まったときのことを「すっっっごいうれしかったです!!」っておっしゃってましたよね。これもすごく意外で。「主演、はい。わかりました」みたいな素っ気ない感じではないかと勝手にイメージしていたので。

絶対オーディションに落ちたと思ってたんですよ。面接でまったく手応えが感じられなくて。りなは一緒に受けててすごくよさそうだったし、その日は「じゃあみんな、がんばってね」って言って帰ったんですけど、そしたらなんか「残りました!」って言われて。もともと女優になりたかったので、主演だって報告を受けたときはやっぱりうれしかったです。

台本がそこにあるから

──先ほど「エビ中の中で一番普通の人間」とおっしゃってましたけど、鈴木さんの中で、エビ中内での自分の役割は「普通の人」だと考えているのでしょうか。

鈴木裕乃

だってみんなすごいじゃないですか。あいか(廣田あいか)なんて多趣味だし、あやか(安本彩花)は面白いし。みんな個性豊かでねー。いいなあって思いますよ。

──でも今エビ中のステージでは、そんな「自称・普通の人」の鈴木さんがちょっと変わった舵取り役を任されていると。

はい。なんでそうなったのかわかんないんですけど。

──すごく象徴的だなと思ったのが、昨年12月の中野サンプラザワンマン「エビ中のジャングル大冒険」で(参照:エビ中「アイドル原始時代」でKing of 学芸会の本領発揮)。ステージに謎の穴が出現して、みんなが不思議そうに穴を覗き込んでいる中、鈴木さんが突然「鈴木行きまーす」って飛び込んでいきましたよね(笑)。そこからみんなあとを追うように飛び込んでいく。あの場面で、ほかでもない鈴木さんが真っ先に動くというのが、エビ中の個性だと思うんですよ。これはもしかしたら本人は何も考えてないかもしれないので、スタッフさんに真相を聞いたほうがいいのかもしれませんが。

そうですね。何も考えずに一番に落ちてましたね。楽しいですよ、落ちるの(笑)。

──そのへんは言われるがまま、台本にあるがまま。

はい。台本がそこにあるから(笑)。

寝ちゃったんですねー

──ではここからは最新アルバム「中人」の話を。鈴木さんがアルバムの中で一番気に入っている曲はどれですか?

「あたしきっと無限ルーパー」ですね。カッコいい曲なんだけど、内容は方向音痴の歌で、かわいいなあって。曲調も好きです。

──けっこう激しめなダンストラックですけど、こういう曲調が好きなんですね。誕生日イベント恒例のソロコーナーでは荒井由実「やさしさに包まれたなら」、ZARD「負けないで」を歌ってましたけど、これは自分で選曲したんですか?

いえ、お母さんに選んでもらいました。「声質合うんじゃなーい?」みたいな(笑)。

──ご自身ではエビ中の曲だとどういう曲が合うと思いますか?

鈴木裕乃

考えたことなかったです。うーん……。どれ歌っても音痴になるから怖い(笑)。「Another Day」(最新シングル「手をつなごう / 禁断のカルマ」カップリング曲)は「私っぽい曲」だからソロパートが多かったみたいなんですけど、自分ではよくわかんないです。激しくてクールな曲では絶対ないと思うんですけど、かといってバラード……バラードねー。えへへへ(笑)。

──ではアルバム曲の中で一番レコーディングに苦労した曲は?

「R-O-B-O-C-K」は英語で何を言ってるのかわかんないし、滑舌が悪すぎて大変でした。あと「中人DANCE MUSIC」は練習する時間があんまりなくて、たぶん私レコーディングのとき不機嫌だったと思います(笑)。練習のときに疲れて寝ちゃったんですよね。練習するのを聞かれたくないので、私いつも自分の部屋でドアを閉めて練習するんです。家族に「2階に来ないで!」って言って。「中人DANCE MUSIC」のときは、なんか疲れててベッドでそのまま……寝ちゃったんですねー。うふふふふ(笑)。朝起きてびっくりですよ。「練習してない! え? え?」みたいな。

──それで不機嫌なままレコーディングに(笑)。

がんばろうとは思うんですけど、言われすぎると「あー」って(笑)。

1st full Album「中人」/ 2013年7月24日発売 / DefSTAR Records
初回生産限定エー盤 [CD+DVD] / 3500円 / DFCL-2023~4
初回生産限定ビー盤 [CD2枚組] / 3500円 / DFCL-2025~6
サブカル盤(通常盤) [CD] / 3000円 / DFCL-2027
CD収録曲(全仕様共通)
  1. Chuning!!(Interlude)
  2. 仮契約のシンデレラ(long ver.)
  3. あたしきっと無限ルーパー
  4. R-O-B-O-C-K
  5. 高校廃止法案(Interlude)
  6. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
  7. 大人はわかってくれない
  8. 体操
  9. 禁断のカルマ
  10. 誘惑したいや
  11. チューニング真っ最中(Interlude)
  12. いい湯かな?
  13. 手をつなごう
  14. 中人DANCE MUSIC
  15. 頑張ってる途中
  16. あるあるフラダンス
初回生産限定エー盤 DVD「居残りダンス練習V~振りカラ映像~」収録内容
  • 瑞季「パクチー」
  • 真山りか「揚げろ!エビフライ」
  • 杏野なつ「どしゃぶりリグレット」
  • 安本彩花「フレ!フレ!サイリウム」
  • 廣田あいか「歌え!踊れ!エビーダダ!」
  • 星名美怜「ほぼブラジル」
  • 鈴木裕乃「結果オーライ」
  • 松野莉奈「新・青春そのもの」
  • 柏木ひなた「エビ中一週間」
初回生産限定ビー盤 特典CD収録内容
  • 「恵比寿組曲」(再構築 by Fragment)
ライブDVD / Blu-ray「狂い咲きエビィーロード ~終わりなき進級~」 / 2013年7月24日発売 / DefSTAR Records
[DVD2枚組] / 5500円 / DFBL-7170~1
[Blu-ray Disc] / 6500円 / DFXL-28
私立恵比寿中学(しりつえびすちゅうがく)

私立恵比寿中学

スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年8月4日の結成以降、数人の転校(脱退)と転入(加入)を繰り返し、現在は瑞季、真山りか、杏野なつ、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、鈴木裕乃、松野莉奈、柏木ひなたの9名が所属している。2010年2月14日に初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザ公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「チャイム!」「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」を披露した。2011年10月5日には6枚目のシングル「もっと走れっ!!」をリリース。同月8日には東京・Shibuya O-EASTにて初のワンマンライブを行い、大成功に収めた。「king of 学芸会」の異名を持つ個性あふれるパフォーマンスで人気を集め、2012年5月5日にはDefSTAR Recordsよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューを果たした。11月21日にはインディーズ時代の楽曲をまとめたアルバム「エビ中の絶盤ベスト~おわらない青春~」と、ライブDVD / Blu-ray「私立恵比寿中学 ファーストコンサート『じゃあ・ベストテン』」を同時リリース。2013年7月には初のオリジナルフルアルバム「中人(ちゅうにん)」を発表した。