Dizzy Sunfist|カッコよくありたい、10年間で得た自信を手に第2章へ

とにかく走り抜けてきた10年

──Dizzy Sunfistはライブが再開できない間に、「EPISODE II」という新作をリリースしましたね。タイトル通りバンドの“第2章”を告げる作品です。去年、バンド結成10周年を迎えましたが、改めて“第1章”を振り返るとどんな10年でしたか?

いやま ひと言で言うとガムシャラ。気付いたら10年経ってたという感じです。

あやぺた うんうん。

いやま(B, Cho)

moAi ずっとお客さんとか応援してくれている人に背中を押してもらっていた感じがします。なので、これからは僕らが逆にお客さんのことを押してあげられたらいけたらいいなと思っています。今年3人とも30歳の歳だし。

──Dizzy Sunfistの姿勢の変化は、第1章の後半から感じていました。その意識の変化は、自分たちに自信が付いたからでもあるのかなと思うのですが、いかがですか?

あやぺた そうですね。そう言われると、たくさんの自信を付けてきた第1章だったかなと思います。第2章ではそれを力に変えて発揮していきたい。とにかく第1章はひたすら走り抜けてきたんです。バンドを組んで、ノルマを払ってライブして、ノルマ払わずにライブができるようになって、それがうれしくてライブしまくって。その次はCDを出してツアーを回れるってことがうれしくてまたライブしまくって……ほんまにライブをしまくった10年やった。第2章もライブをしまくりたいですし、1本1本のライブをもっと大切にしていきたいなと思います。

──Dizzy Sunfistは大型フェスにも、先輩バンドの主催イベントにも常連となって、2019年には大阪・なんばHatchと東京・新木場STUDIO COASTでワンマンライブを開催しました。バンドを始めた頃には想像もつかなかったような立ち位置にいると思うのですが、目指すところがわからなくなったり、モチベーションがなくなったりということはないんですか?

あやぺた うちだけかもしれないですけど、それはないですね。

いやま うん。わかんなくはなってないかな。

──やることや目標はずっと変わらず?

あやぺた(Vo, G)

あやぺた うん、そうですね。

──その目標というのは?

あやぺた ソールドアウトです。

──えっ!? 今、すでにツアーをやればだいたいどの会場もソールドアウトになりますよね?

あやぺた はい。でもやっぱりこの1年間ライブをやってなくて離れちゃったお客さんもたくさんいると思うので、まずはそういう人たちを取り戻しつつ、さらに増やしたいですね。「やっぱディジーってカッコいいな」と改めて思ってもらいたい。

いやま たまたま復活とコロナが重なって、ぎゅうぎゅうのライブができなくなったからわからなくなっているけど、本当に前と同じ会場でライブをやって同じだけの人が来てくれるのか、フェスで同じ大きさのステージに立てるのか、そのときにどれだけの人が観に来てくれるのかというのは心配で。コロナが収束したときにまたたくさんの人の前でライブができるようになっていたいですね。

moAi まずは自分たちがまた動き始めたということを、もっとたくさんの人に知ってもらいたいです。もちろんこれまで知らなかった人や、休止している間にDizzy Sunfistを知った人にもライブに来てもらいたいし。あとは……友達が欲しいです(笑)。というのも、今やってるツアーがワンマンツアーだというのもあって、仲間とライブをしたりツアーを回ったりしたいなと思って。友達と回るツアーとかいろんなバンドが集まるイベントとか、楽しいことをこれからもたくさんしていきたい。

第1章は後輩気質で、第2章は先輩気質

──バンド活動をされている方の多くは、「ワンマンツアーは寂しい」とよく言いますよね。

moAi はい。対バンって楽しいし、意味もあるんですよね。自分たちのライブが止まってる間、周りのバンドのことを俯瞰的に見ることができていたんですけど、いろんなバンドのライブを観るたびに「お客さんはこのバンドのことを、こういうふうに思ってるんだ。だからこのバンドとこのバンドのツーマンは魅力的なんだ」というのをすごく考えていたんです。もちろんワンマンだから来てくれるという人もいると思うんですけど、「この組み合わせだとこんなグルーヴが生まれそう」みたいなことを期待してライブに来てくれる人もいると思うので、そういうのをDizzy Sunfistでももっと試していけたらと思っています。

──今、どんな組み合わせに期待していますか?

moAi(Dr, Cho)

moAi 同世代で盛り上げていきたいという気持ちももちろんあるんですが、年下のバンドともやっていきたいですね。10年前は自分たちより年下のバンドってほとんどいなかったし、いても1、2歳差なので同世代。でも自分たちが30歳になった今は、それこそ僕らが始めた頃と同じくらいの、20歳や10代のバンドがいて。でもまだその世代のバンドとうまく絡めていないのも事実。だから次のツアーでは年下のバンドを誘えたらいいなというのは考えています。

あやぺた 30歳にもなったら、こんなにも年下のバンドが出てくるんやなって思いました(笑)。うちらはずっと先輩によくしてもらってきたんで、今度はうちらが若い子に返していく番かなって。そう思ったら、第1章は後輩気質で、第2章は先輩気質になれたらいいな。そのためにもカッコよくありたい。

moAi ツアーの対バンで後輩を誘ったら、カッコ悪いところは見せられないですからね。「ツアーに出てくれよ」と誘った僕たちがカッコいいライブで引っ張っていくっていうのが理想。今のワンマンツアーでも「どうやったらカッコよく見せられるか」ということを考えながらライブをしてます。

あやぺた 先輩風ビュンビュン吹かせたいです。「おごったるわ」とか(笑)。

──背中で見せるんじゃなく?(笑)

moAi お金で見せます!(笑)

──(笑)。あやぺたさんが妊娠の発表をしたときに、Hump Backの林萌々子さんが自分のことのように喜んでいたのが印象的でした。これからDizzy Sunfistは女性のアーティストとしても影響や勇気を与える存在になっていくんじゃないかなと。

あやぺた 与えられたらいいですよね。そのためにも、このままバンドと生活を両立していきたいです。

──それこそ今回「EX-ARMエクスアーム」をきっかけにDizzy Sunfistを知った人が、親子でライブに足を運んでくれるかもしれないですしね。

あやぺた そうや! ウェルカムです!

ツアー情報

Dizzy Sunfist「『EPISODE II』 ONEMAN TOUR – Go To New World-」
  • 2021年1月17日(日)東京都 LIQUIDROOM
  • 2021年1月22日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2021年2月6日(土)宮城県 Rensa
  • 2021年2月14日(日)大阪府 BIGCAT
Dizzy Sunfist