Devil ANTHEM.が初のミニアルバム「Hang Out With Sound」を配信リリースした。
2014年に結成されたデビアンはこれまでメンバーの卒業を何度も経験してきたが、2018年10月の水野瞳の加入以降は現5人体制での活動を継続。昨年秋からは東京・渋谷CLUB QUATTROやWWW Xでのワンマンライブを成功させ、12月に結成5周年を迎えた。音楽ナタリーではこの5年間でもっとも好調と言っても過言ではない時期を迎えているデビアンにその要因を分析してもらいつつ、ライブで披露済みの新曲をまとめたミニアルバムについて話を聞いた。また特集後半では、関係者が5人の魅力を語るコメントを紹介する。
取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 竹中圭樹(ARTIST PHOTO STUDIO)
ただただ楽しくて沸けるライブを
──以前、デビアンはワンマンライブがなかなか埋まらないことが悩みだと言っていましたが、最近の公演はどれも満員になっています。5年間の活動の中で一番好調な時期を迎えていると思いますが、その要因はなんなんでしょう?
竹越くるみ えー、難しい!(笑) なんだろう。わからないよね。
安藤楓 でも、5人そろえばどんなときでもいいライブができるんだなと最近感じていて。最高のライブができていると自分たちでも思います。
竹本あいり 佐藤(海人。デビアンのマネージャー兼プロデューサー)さんが方向性を教えてくれるんですよ。ファンコミュニティアプリとかでいろいろ発信していて、私たちもそこで知ることが多いんですけど(笑)。
くるみ 直接言われないんだよね(笑)。
あいり そのおかげで向かう方向が見えやすくなって、みんなが同じ気持ちになれている気がします。
くるみ 以前はどこに向かっているのか、何を目標にしているのかがふんわりしていたんですけど、最近は長く活動できるアイドルでいたいとか、そういう目標をみんなで共有できるようになって。ファンの方とメンバーの気持ちが合致していると思います。プラスの方向だけを向いて、ただただ楽しくて沸けるライブをしていることがファン以外の人にも伝わって、「ワンマンに行こう」と思ってもらえたんじゃないかな。
──2月には「特区2020」という、リフトやモッシュなどがOKの“規制解除イベント”がスタートしましたが、デビアンのライブには普段からお客さんが自由に楽しめる雰囲気がありますよね(参照:自分たちの遊び場は自分たちで作る!デビアン、ネオジャポ、raymay「特区」で熱狂の渦)。
楓 リフトや推しジャン、MIXとかめちゃめちゃ好きなので、そういうのはどんどんやってほしいと思ってます。
くるみ 私たちも佐藤さんもアイドル特有の文化が大好きで。じっと観てもらうのもいいですけど、一緒に盛り上がったり、お客さんと戦ったりするような雰囲気のライブが好きなので、遠慮なくやってほしいですね。デビアンのファンの方たちは体がぶつかっちゃったら謝るし、すごくフレンドリーだし、フロアの雰囲気について悪い話は聞かないんですよ。人への配慮を考えながら思い切り楽しんでもらいたいです。
橋本侑芽 最近は女性の方もリフトしていて、なんかいいよね。
くるみ 女の子のほうが熱狂的なときもあります(笑)。
あいり 女性限定エリアから普通のフロアに混ざってきたり。
この1年半は濃かった
──侑芽さん、瞳さんはデビアンの好調の要因はなんだと思いますか?
侑芽 うーん、素敵な曲が増えたのもあるのかなと。
水野瞳 メンバー全員が自分のダメなところを探しているのも大きいと思います。ライブ映像を観て反省点を見つけたり。
──歌やダンスなどパフォーマンス面でレベルアップしているという実感はありますか?
くるみ ホントにみんな成長しているなと感じますね。目に見える成長があることは、応援してくれるファンの方にとっても見応えがあると思います。
あいり ライブの数も多くなったし、肺活量が増えたのか長時間踊っていてもあまり苦しくなくなって、パフォーマンスの細かいところに意識を回せるようになりました。
くるみ 佐藤さんから「リハーサルで自分たちのやりやすい環境を見つけなさい」という教えをもらって。ライブ会場にはそれぞれ違う特徴がありますが、それにどう対応するのかを具体的に教えてもらって、そういうことにも慣れてきたと思います。あと、音で疲れなくなってきた気もします。
あいり だんだんと会場も広くなってきたからね。スピーカーが近いとそこからの音の圧がすごくて、バンドサウンドの曲とかだと疲れちゃうんですよ。
──瞳さんは一番新しいメンバーですが、自身の成長を日々実感していますか?
瞳 正直自分はまだまだ未熟だと感じていて……成長できているかは自分ではわからないですね。
あいり みんな自分ではそう思うんですよ。
くるみ それぞれ成長の仕方はバラバラだと思うし、私も前に進んでいる実感はないですが、ファンの人から言われて気付くんです。周りの人に成長を気付いてもらえるのが一番うれしいですね。
──デビアンはメンバーの入れ替わりが少なくないグループでしたが、現在の5人体制になってから約1年半が経ちます。同じメンバーで活動を続けられていることも好調につながっているんでしょうか?
くるみ そうですね。みんなが大人になってきたのもあるんですけど、メンバーは友達じゃなくて仲間なので、気を使いすぎることもないし、大事なことをちゃんと意思疎通できているんです。それぞれのやり方やルーティンがあるので、お互いに干渉しない感じで。遠征のときのホテルの部屋もバラバラなんですよ。ベタベタしすぎないのが大事なのかなって。
侑芽 でも、仲はいいですよ(笑)。昔と違ってそれぞれが自立している感じです。
楓 前は1人で寝るのが怖かったんですよ。ホテルでいつも誰かの部屋に行ってたんですけど、この5人になってからは「お姉さんにならなきゃ!」と1人で寝るようになりました(笑)。それ以外にも1人でできることが増えたと思います。
くるみ 最初の頃はお母さんと現場に来てたもんね(笑)。
──今、活動していて純粋に楽しいですか?
楓 めちゃめちゃ楽しいです。今が一番楽しいかもしれない。
くるみ 過ごしやすい環境だからね。以前よりメンバーと一緒にいる時間が長いんです。前は土日だけの活動でしたが、今は平日にもレッスンやライブがあって。この1年半の活動は濃かったですね。
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新たに手に入れた鉄板曲
2020年3月18日更新