今年は出演者の皆さんとコラボがしたい

──今年の対バンツアーのラインナップが出そろいましたね。そうそうたる出演者とのライブが決定しましたが、最上さんはラインナップについてかなり意見を出したと伺いました。

昨年に続いて今年も対バンツアーを開催したいという話が挙がったときに、マネージャーさんからぼくにラインナップについて相談があって。ぼくとしても対バンのラインナップはすごく重要だと思ったので、いろいろと意見を出しました。

──昨年はSiM、神聖かまってちゃん、ストレイテナー、中川翔子、9mm Parabellum Bullet、サンボマスターの6組でしたが今年は11組とボリュームもアップしていて。メンツもバラエティに富んでますね。

本当に幅広い方々に出演していただけることになって。もともと知り合いだったり接点があったりするところで言うと、BRAHMANさんはRONZI（Dr）さんが（古川）未鈴ちゃんのソロ曲を作ってくれた経緯もあって、未鈴ちゃんが直接お願いしました。あと（夢眠）ねむちゃんがBase Ball Bearの小出祐介（Vo, G）さんと仲がよくて、番組も一緒にやらせていただいていたというつながりから出演が決定しました。

──メンバーと接点がありそうな出演者はファンの皆さんも頷けるところだとは思いますが、それ以外の方々はどういった経緯で決まったのでしょう？

例えばゴスペラーズさんとは今回青森でご一緒させてもらいますが、メンバーの北山陽一さんが青森県出身ということからお誘いしました。その土地に縁のある人を探したパターンなので以前からの知り合いとかではなかったですけど、ご理解いただけて。ただ、そのパターンがすべての場所で叶えば理想だったんですけど、やっぱり実現はなかなか難しかったです。それでも去年と比べておよそ倍の11カ所で豪華な皆さんと競演することができて本当にうれしいです。

──昨年の対バンツアーを振り返ってみて思うことは？

とにかくぼくはすごく楽しかったです。でもちょっともったいなかったなとも思って。

──と言いますと？

去年の対バンツアーはけっこうスケジュールもギリギリなところで決めていたので、いわゆるコラボのような特別企画があまりできなくて。そんな中、かまってちゃんさんとは「23才の夏休み」という曲にでんぱ組.incがフィーチャリングで参加していたこともあって一緒に歌うことはできました。あとはしょこたんさんとも期間限定ユニットをやっていたので「PUNCH LINE!」をコラボできたんですけど、それ以外の方々とは何もできなかったことが心残りでした。だから今年はもう少し皆さんと一緒に何かできたらいいなと思ってます。

対バンを経て新しい何かを生み出したい

──対バンツアーはバンドの方々も多数出演しますがライブハウスだけではなく座席のあるホールもあるのが面白いなと思いました。

そうなんですよ。ロックバンドさんのライブってだいたいオールスタンディングだと思うので、ホールでやりますっていうとオファーを断られてしまうことも多くて。それでも昨年の対バンツアーでは各会場のオーディエンスの皆さんにホールでも十分楽しんでもらえたようでよかったなと。だから今年はもっと出演者の皆さんや、それぞれのファンの皆さんとも、もっと交流したいんですよ。

──前回はあまり出演者の皆さんとお話する機会もなかった？

ライブをするだけでお話することもあまりなく終わってしまったのが心残りなんです。でんぱ組.incのメンバーは、あまり率先して話しかけるという感じでもないので、逆に出演者の皆さんにすごく気を遣わせてしまったのかなって。もしかすると「アイドルだから気軽に話しかけたら申し訳ないかな？」って思ったのかもしれないですけど、むしろウェルカムですので！ 今回はぼくたちからもどんどん話していきたいです。

──今回のラインナップの中だとサンボマスターさんは唯一2回目の出演ですね。

そうなんですよ。5月の「カオスフェス 2016」でもご一緒させていただいて。サンボさんはとてもフレンドリーな皆さんでして、ご挨拶したときに「またよろしくな！」って言ってくださったので、昨年出てもらった方々の中からサンボさんはまたご一緒したいなということになりました。ライブでも「オマエら、生きろ！」とか叫ぶから前向きになるし、元気をもらえるなって。

──とてもストレートな歌が心に響きますよね。

それに山口隆（Vo, G）さんがライブの途中で挟むMCがめっちゃ面白くて。ぼくたちとは世代は違いますけど何歳になってもアツくて元気で、みんなにパワーを与えたいって人はなかなかいないと思うので、でんぱ組.incの若いファンの皆さんにも刺激になるかなと思ってます。

──底力というか、皆さんにも通ずるところがあるように思います。

であるとすれば、それはきっと負けん気ですかね。でんぱ組.incの場合は「生きろ！」っていう感じじゃなくて「生きる！」でしょうか（笑）。

──中川翔子さんとのコラボは記憶に新しいところですが、この出会いもでんぱ組.incにとって大きな出来事だったんじゃないかと。

昨年はしょこたんさんとすごく仲良くなった年ですね。今はミュージカルの稽古もあってすごく忙しいみたいです。だから最近は一緒にごはんに行くこともできないんですけど、ちょいちょい連絡は取り合ってますね。

──そうやって新しい知人、友人が増えるのもこの対バンツアーのだいご味ですか？

やっぱりライブで新しい人たちと一緒になるとぼくらもうれしいですし、これまでとは違った力をもらえます。それに、でんぱ組.incのメンバーってコミュ障というか話しかけるのが苦手なところがあるから、そうやって対バンすることでコミュニケーション能力が養えるというか。ぼくとしてもせっかくご一緒できるので仲良くなりたいと思ってます。

──そこがこの対バンツアーの裏の課題なんですね。

ぼくは個人的にそうでありたいなと。もとから仲がいい人たちとはすごくいいライブができると思うし、今回初めましてな方々とはライブを観てお互いを高め合いたいなと。じゃないと対バンをやってる意味がないと思うんです。なんのためにやってるって言ったら、2組が合わさることによって新しい何かが生まれたら面白いよねっていうことだと思うので、どちらのファンにも受け入れられるようなライブをやっていきたいです。

──なかなか観ることのできない組み合わせですし、その日、そのときにしか感じられないものを体験してもらいたいですね。

でんぱ組.incが主催のライブなのでどうしてもこちら側のファンの皆さんが多くなってしまうとは思いますけど、ぼくは両方のファンの皆さんにもたくさん観に来てほしくて。もちろんワンマンライブで1つのアーティストをじっくりと楽しむというのもいいとは思うんですけど、対バンライブこそ、そのときにしか観られないレアな組み合わせを楽しめるので、新しい化学反応を感じに来てほしいです。