ナタリー PowerPush - BUMP OF CHICKEN

映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」主題歌「グッドラック」

16小節でひとつの塊として成立するようなメロディが繰り返される曲

──そして、ツアーでも披露している「グッドラック」が2012年最初のシングルとしてリリースされます。これは3D映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」の主題歌で、「花の名」に続く「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズとのコラボレーションになりますが、他方でやはりBUMP OF CHICKENの楽曲として独立した存在感をたたえていて。

藤原 ありがとうございます。「グッドラック」は、2回に分けて作ったんですね。「COSMONAUT」のときから曲作りをするためにスタジオに入る習慣が生まれて。以前ほど頻繁ではなくなったんですけど、それは今も続いていて。「グッドラック」も最初はスタジオから始まったんですよね。そのとき僕の中でひとつテーマがあって。16小節で完結するメロディを作ろうという。明確にAメロ、Bメロ、サビという構成があるのではなくて、16小節でひとつの塊として成立するようなメロディが何度か繰り返されていく曲を作りたいと思っていたんです。ゴスペルや賛美歌に近い感じというか。「Smile」もそういうニュアンスがあった曲でしたね。あの曲は8小節のメロディですけど。

──確かに。「グッドラック」も「Smile」もひとつのメロディを丁寧に編みながら、曲の全体像を力強く浮かび上がらせるような構成になっている。でも、「グッドラック」は、もう1種類のメロディが存在していますよね。

藤原 そう。「グッドラック」は今言ったテーマのもとに半分できていたんですけど、そのとき既に16小節にあたる部分のほかに「♪くれぐれも気を付けて」のところのメロディはついていて。やっぱり自分はこういうメロディも好きなんだなって思いましたね(笑)。16小節は16小節で完結しているから、それが何度か繰り返されればそれだけでも成立する曲ではあるんですけど。で、残りの半分を作る前に山崎貴監督から「『ALWAYS三丁目の夕日』の続編を作るのでまた主題歌をお願いできませんか?」というオファーをいただきまして。それから制作途中の映画を見せてもらったんですね。

──映画の内容はどのように受け止めましたか?

藤原 前作も前々作もそうだったんですけど、今作もエラい泣かされてしまいまして。毎度のことながら、先方から「こういう曲にしてほしい」という要望はなくて、完全にこちらに任せてもらったんですけど。そのとき「今書いてる途中の曲が完成したら、映画の世界観にも合うんじゃないか」と思ったんです。それからまたスタジオに入って曲の続きを書いて完成させたという流れですね。

僕の曲は結局全部リンクしちゃう

──藤原さんの中で、まだ半分の状態だった「グッドラック」と映画がリンクすると感じたポイントはどんなところにあったんですか?

藤原 僕がずっと曲にしているテーマの種類って、そんなに多くないじゃないですか。

──うん、そうですね。ただ、種類は多くはないけれど、曲によっていろんな角度からそれらを照らしていると思います。

藤原 そうですね。出会いや別れ、まだ生きているということ、いつかは死んでしまうということ。さよならした人と現在の位置関係。あるいは、いつかは離れてしまうかもしれないけれど、それでも今は側にいられるということ……。

──そこで得られる気付きであり。

藤原 そう。そういうことを今回も歌っているわけですけど。自分の根底に血液みたいに流れている、ミュージシャンとして表現したいベーシックなことと映画の内容に近いものを感じたということですよね。「グッドラック」というテーマも早い段階からあって。なんか、そういう気分だったんですよね。めちゃくちゃ切なくそう思っていて。

──この曲を書いていた頃に?

藤原 書いていた頃というか、ここ数年の僕というか(笑)。例えば「beautiful glider」で歌っているような、「手を振ったあなたの無事が 今でも気に掛かる」みたいな、そういう感覚のままずっときている感じがあるんですよね。だから、「グッドラック」はそういう感覚を違う方向から書いたってことなのかなあ。歌っていることは違う描写でもあるんですけどね……。でも、やっぱり僕は昔からそうだったよなあと思いますね。「ロストマン」のときもそうだったし、その前からもずっとそうだったなって。

──うん。だから、藤原さんが書く曲は、全て互いを呼び合うように存在しているんだなって、改めてそう思う。

藤原 うん。ホントにね、僕の曲は結局全部リンクしちゃうんですよね。「花の名」のときは、そのうち歌詞にしようと思っていた言葉を携帯電話のメモに残していて。それが組み合わさって「花の名」の歌詞になったんですよ。僕が書きたいこと、BUMP OF CHICKENが表現したいことをいつもの純度で曲にすれば、自ずと対象の作品にもハマるというか。今回、山崎監督もそれを求めてくれていたから。

──「グッドラック」の歌詞にある「魂の望む方へ」というフレーズ。これは最近の藤原さんが書く曲の根幹を象徴するものだと思っていて。

藤原 ああ、うん、そうかもしれないですね。なんかこう……うまく答えられないですけど、おっしゃっていることは非常によくわかります。

──最終的に向かっている場所というか。

藤原 うん。そう言われて違和感はないですね。曲には、本当に伝えたいことしか書いてないし、例えばそれが普段の自分なら恥ずかしいと思うようなフレーズでも、そう思っているならそう書くしかない、という感じなんですよね。この曲の歌詞もそういうものですね。

ニューシングル「グッドラック」 / 2012年1月18日発売 / TOY'S FACTORY / LONGFELLOW

  • BUMP OF CHICKEN「グッドラック」
  • 期間限定盤 [CD+DVD] 1500円(税込) / TFCC-89358 / Amazon.co.jp
  • 通常盤 [CD] 1050円(税込) / TFCC-89359 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. グッドラック
  2. ディアマン
  3. グッドラック~ストリングス Ver.(※期間限定盤のみ)
DVD収録内容
  • 「Good Luck」(ショートムービー)
  • 「グッドラック」MV

BUMP OF CHICKEN

BUMP OF CHICKEN(ばんぷおぶちきん)

藤原基央(Vo, G)、増川弘明(G)、直井由文(B)、升秀夫(Dr)の幼なじみ4人によって、1994年に結成。高校入学後に本格的な活動をスタートする。地元・千葉や下北沢を中心にライブを続け、1999年にインディーズからアルバム「FLAME VEIN」を発表。これが大きな話題を呼び、2000年9月にはシングル「ダイヤモンド」で待望のメジャーデビューを果たす。

その後も「jupiter」「ユグドラシル」といったアルバムがロックファンを中心に熱狂的な支持を集め、2007年には映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」主題歌に起用されたシングル「花の名」を含むメジャー3rdフルアルバム「orbital period」をリリース。2008年には全国33カ所41公演、22万人動員の大規模なツアーを成功させた。

2009年11月に両A面シングル「R.I.P. / Merry Christmas」を発表したあとは、精力的なペースで楽曲をリリース。2010年4月にシングル「HAPPY」「魔法の料理 ~君から君へ~」を、10月にシングル「宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル」を発売。12月には宇宙飛行士を意味する単語をタイトルに冠したアルバム「COSMONAUT」をリリースした。

さらに2011年2月には「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ天使たち~」の主題歌として書き下ろした「友達の唄」をシングルとして、5月には東日本大震災被災者を支援する「復興支援ポータルサイト」のテレビCMソング「Smile」をチャリティシングルとして発表。10月に、PSPゲームソフト「FINAL FANTASY 零式」テーマソングとして書き下ろした「ゼロ」をシングルリリースし、12月からは約3年半ぶりの全国ツアー「BUMP OF CHICKEN 2011-12 TOUR『GOOD GLIDER TOUR』」をスタートさせた。

2012年1月には、最新シングル「グッドラック」を発表。この曲は、3D映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」の主題歌であり、2007年の「花の名」に続く同シリーズとのコラボレーションとなる。また4月からは全国13都市20公演のアリーナツアー「BUMP OF CHICKEN 2012 TOUR『GOLD GLIDER TOUR』」を開催する。