BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ / シリウス / Spica」 PR

BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ / シリウス / Spica」特集|話題作を彩るシングルで示す、止まらない進化

BUMP OF CHICKENのニューシングル「話がしたいよ / シリウス / Spica」が、11月14日にリリースされた。

収録曲3曲共が話題の映画やアニメのタイアップ曲である本作は、結成22年を経てもますます進化し続けるBUMP OF CHICKENの最新形を存分に楽しめる1枚。映画「億男」主題歌の「話がしたいよ」、テレビアニメ「重神機パンドーラ」のオープニング主題歌「シリウス」、同作エンディング主題歌の「Spica」と、それぞれ異なるサウンドアプローチで各作品の世界を彩っている。今回の特集では彼らの最近の精力的な活動を振り返りつつ、ニューシングルの魅力を紹介する。

文 / 森朋之

BUMP OF CHICKENから待望のニューシングルが届けられた。「話がしたいよ」「シリウス」 「Spica」が収録されている本作は、結成20周年イヤーを終えた彼らの音楽が、さらなる深みを獲得しつつあることを明確に示している。

まずは昨年以降の活動を振り返っておきたい。昨年9月から今年3月にかけて、約30万人を動員した全国アリーナツアー「PATHFINDER」を開催。“何も引っ提げないツアー”というテーマで行われたこのツアーでは、20年を超すキャリアの中で生み出されたさまざまな楽曲を演奏。BUMP OF CHICKENの奥深い魅力を改めて提示した意義深い内容となった。

さらに話題のテレビアニメ「からくりサーカス」のオープニングテーマとして新曲「月虹」を提供。アコースティックギター、アコーディオンを取り入れたアレンジ、疾走感のあるバンドサウンドが1つになったこの曲は、彼らの新しい表情が感じられる仕上がりだ。また10月19日に放送されたテレビ朝日系「ミュージックステーション 2時間SP」に出演。「Mステ」出演は約4年ぶりとあって、オンエアの翌々日までTwitterのトレンド入りするなど大きな注目を集めた。ツアー、映画やアニメの主題歌、テレビ出演とさまざまなフィールドで存在感を示し続けている彼ら。「Hello,world! / コロニー」以来、約3年半ぶりのフィジカルシングルとなる今回のニューシングルも当然、音楽ファンの熱い視線を集めることになるはずだ。

では、シングルの収録曲を紹介したい。まず「Mステ」でも披露された「話がしたいよ」は、佐藤健、高橋一生のダブル主演による映画「億男」の主題歌として書き下ろされたナンバー。「持て余した手を 自分ごとポケットに隠した」という藤原基央(Vo, G)の声が聴こえてきた瞬間に伝わってくるのは、言いようのない切なさだ。アコギ、ピアノ、ストリングを中心としたアレンジメントと共に、バスを待つちょっとした時間の中で、じんわりと孤独を感じている主人公の心情が描かれていく。今はそばにいない“君”に思いを寄せた瞬間、ダイナミックなバンドサウンドが加わり、「ボイジャーは太陽系外に飛び出した今も 秒速10何キロだっけ ずっと旅を続けている」というフレーズにつながる。さらに曲が進行するにつれてバンドのグルーヴは生々しさを増し、壮大なストリングスと共に聴く者を心地よいカタルシスへと導く。その根底にあるのは“話がしたいよ”というあまりにも切実な思い。誰もが抱える孤独、他者を求める気持ちを神話的なスケールを持った楽曲に昇華させた、BUMP OF CHICKENの真骨頂と呼ぶべき楽曲だと思う。“お金と幸せ”をテーマにした映画「億男」との親和性の高さもこの曲の聴きどころだろう。

「シリウス」「Spica」はどちらもテレビアニメ「重神機パンドーラ」の主題歌として制作された楽曲だ。オープニング主題歌の「シリウス」は、鋭利なきらびやかさを備えたギターフレーズを軸にしたロックナンバー。80年代のネオアコ、90年代のギターポップ、00年代以降のインディーロックの要素をナチュラルに反映させたアレンジメントからは、このバンドが持つ独創的なハイブリッド感覚が伝わってくる。美しい疾走感にフィットしたメロディによって映し出されるのは、理由や意味を見失うような世界の中で、それでも一番好きなもの(=希望)を見つけようとする意志。アニメの世界観に寄り添いながら、人間の最も根源的な存在理由を照らし出す歌は、ジャンル、世代を超え、すべての聴き手の心を揺さぶることになりそうだ。

エンディング主題歌としてオンエアされた「Spica」は、可憐な雰囲気の打ち込みのトラックと有機的なバンドサウンドを融合させたミディアムナンバー。まるですぐ目の前で歌っているかのような親近感を備えたボーカル、“どんな状況になっても、君がいてくれれば進んでいける”という思いをまっすぐにつづったリリックを含め、リスナーの心に寄り添い、日々の生活に向き合う力を与えてくれる楽曲だと思う。ゴスペルのテイストを含んだコーラスワークも圧巻。楽曲のコンセプトや物語性を増幅させるようなアレンジメントもこの曲の魅力だ。

「話がしたいよ」「シリウス」「Spica」の3曲から伝わってくるのは、BUMP OF CHICKENの音楽がさらに豊かさを増しているという事実だ。誰もが共感できる身近な風景、そこで生じる切実な思いを、普遍的なメッセージを含んだ楽曲に結びつけるソングライティング。シンプルなバンドサウンドを軸にしながら、クラシカルなストリングス、先鋭的なトラックなどを加えることで、楽曲の世界観をしっかりと強調するアレンジメント。そして、エッジーな手触り、素朴なブルース感、壮大なスケールを共存させた藤原のボーカル。そう、ほかのどこにもない圧倒的なオリジナリティと幅広い年代のリスナーを魅了するポップネスが1つになった彼らの音楽は、今もしっかりと前進を続けているのだ。

初回限定盤には、各楽曲のタイアップ作品とのコラボレーションMVを収録。「話がしたいよ」で使用されている映画「億男」の映像は、予告編のハイテンションな作りとは異なり、主人公の2人が抱える葛藤、切ない思いがじんわりと伝わってくるような編集。“話がしたい”という切実な願いを響かせる楽曲と「億男」のストーリーが重なり、観る者に豊かな余韻を残すMVに仕上がっている。

宇宙での戦闘シーン、生命の起源を想起させる神秘的な場面を中心にした構成の「シリウス」、女性キャラクターの表情とシリアスなアニメの世界観がリンクする「Spica」のMVはいずれも、テレビアニメ「重神機パンドーラ」総監督・河森正治の監修。本編では使用していない新規カットも数多く含まれていて、アニメのファンにとっても必見のMVと言えるだろう。

結成から22年を超えて、さらなる進化を続けるBUMP OF CHICKEN。映画、アニメとの有意義なコラボレーションとともに、彼らの新たな名曲をじっくりと味わってほしいと思う。