音楽ナタリー Power Push - 超特急

7人が立った新境地 メンバーインタビュー&「大録音会」レポート

悔しさを糧にして

──今回のツアーではダンスと歌をしっかり見せるようなシンプルな構成でライブをやられていますが、手応えはいかがでしょう?

タクヤ 今回のツアーは今までのツアーでやっていたような凝った演出が一切なくて、7人と8号車が一緒に駆け抜けていくような、すごく熱い、夏らしいものになっていると思います。踊っているときはもちろんなんですけど、MCも今回はみんなが考えていろいろな話を広げていっているので、楽しいですね。もっともっと成長して、8号車にしっかりファンファーレを届けられるようにしたいなって思います。

ユースケ 僕は初日に足をつってしまって、本編の最後の「Burn!」で一旦ハケてしまったんですけど……そのときに「こんなんじゃダメだ、こんなんじゃ代々木に全力で行けねえよ」って、情けなくて思わず笑っちゃったんです。夏のツアーでどれだけ鍛えて代々木に持っていけるかっていうのは自分との勝負だと思うし、1曲1曲を全力かけてやりたいなって。

──そうだったんですね。初日の出来事は8号車さんも心配になったとは思うけれど、一方でユースケさんの穴を埋める6人の姿に7人の強い団結力を感じられるライブだったとも思いました(参照:超特急「ユースケ」コール響いたツアー初日に新曲初披露、追加公演発表も)。あのときはユーキさんがユースケさんに声をかけていましたけど、ほかのメンバーの異変って、すぐにわかるものですか?

ユーキ

ユーキ うん、すごくわかる。踊っている途中で気付くときもあります。「体が動かなくなってきてるな」って思うのがまず最初ですね。で、一番異変がわかりやすいのは歩き方かな。「あ、今つりかけてるな」とか「あ、つってるけどこらえてるな」って感じる。

カイ わかるよね。MCでわかるときもあるんだよな。

──それがわかるのがすごいなって。

ユーキ いつもの感じじゃなくなりますからね。それに気持ちは自分たちもその人と同じなんですよ。同じステージで、それまでずっと一緒に踊っているから。

カイ そうだね。

ユーキ 自分も「危ういな」って感じているときにほかの誰かの様子がいつもと違うのを見たら、やっぱり何かあったのかなって思いますね。

──MC中、休んでいるユースケさんのところにユーキさんが行ったときは、どんな会話をしていたんですか?

ユースケ もう、(目を見開いて)「ヤバいヤバいヤバい!」って!

一同 あはははは!(笑)

ユースケ 「ヤバいヤバいヤバい、ちょっとヤバいどうしよう、ねえユーキ! おんぶおんぶおんぶ! ハケさせて、一旦戻るよ!」って。

ユーキ あはは(笑)、(自分の耳を指して)ここらへんでね。「これは無理、これは無理」って(笑)。でもちゃんと自分で判断したんだよね。無理は絶対よくない。

リョウガ ちなみにアンコールに出てくるまで、僕らかなりの時間みんなを待たせてしまったじゃないですか。あのときは、実は僕が苦しんでて……。

──リョウガさんは遅れてアンコールに出てきたので、何かあったのかな?って思っていました。

リョウガ そうなんです。もう、なんというか、僕が苦しんでるのに鳴りやまない8号車の「ユースケ!」コール……。

ユースケ そう、僕そのときね、もう復活してたんですよ!(笑)

カイ ユースケは足を冷やしたりストレッチをしたりして、もう波を乗り越えてたんだよね。

ユースケ 気合いも十分で「よし全然大丈夫、いける!」って思った矢先にリョウガが「カアーッ!」って顔をしかめてて……。

リョウガ もう、足曲がんないし立てないし……テディベアになったような感じ。

一同 あはははは!(笑)

リョウガ 「お、おしまいだあー!」って思ってステージ裏で苦しんでたんですけど(笑)、そのときにメンバーは「がんばれ!」とか「みんなを待たせてるぞ!」とか、あんな緊急事態にも関わらずすごく温かい言葉や励ましの言葉を僕にいっぱいかけてくれて、僕のことを思ってくれて。「仲間だなあ」っていうことを本当に感じたし、8号車のみんなもすごく心配してくれていたから……超特急の深い深い絆を改めて知ったような思いでした。初日は決して「こうなるべき」だったわけじゃないけど、また新しい勉強を……予想外の勉強をさせてもらったなって。

カイ 初日での出来事があったからこそ、その先の公演で気を引き締めて、7人団結してできたかなっていう思いもありますね。あまり美しい話にするのは好きじゃないけど……今思えば、より団結できた要因の1つかなって。

──7人みんながそれぞれのやり方で、一生懸命ステージに向き合っているのが伝わってきました。タクヤさんはあのとき、踊りながらどんなことを思っていたんですか?

タクヤ

タクヤ いろいろなことを思っていましたね。一番強く思っていたのは……メンバーに対してではなく、神様に対して意地悪だなって。だって、ステージの上に演者がそろっていないっていうのは前代未聞のことだし、あり得ないから。「ユースケがいない分までがんばらなきゃ」とも思ったし……。しかもユースケが踊れなかった「Burn!」って、ユースケがセンターの曲じゃないですか。だから余計に込み上げてくるものがあって。……とにかく、あんなに物足りなさを感じる「Burn!」は初めてでした。だから、翌日の2日目、その次の3日目と、7人で踊れたことがすごくうれしかったですね。

ユーキ (うつむいたユースケの顔をのぞきこむ)……うそでしょ?(笑)

ユースケ (涙ぐんで)やばい。これきた。やばいね、「Burn!」ね……。

リョウガ 俺もいろんな思いを込めて歌ったんだぞ!

(※『Burn!』では曲中にメンバーがじゃんけんをして、勝ち上がった人がソロを歌う。この日ソロを歌ったのはリョウガで、彼の最初のじゃんけんの対戦相手はユースケ)

ユースケ あはは!(笑) ほんとだよね。

カイ リョウガ不戦勝だもんな(笑)。

リョウガ 「いねえ! じゃんけんする相手、いねえ!」って思った(笑)。

ユースケ そう、あのときステージ裏でモニターを観てたんですけど、リョウガが足をつっちゃったのがわかったんですよ。だけどリョウガはすごい一生懸命やっていて、なんかこう……(涙が止まらない)。

一同 ユースケ!(笑)

ユースケ ああもうっ! すごかったんです、あのとき。ほんとにすごかったんです……。

カイ 拭けよ、涙。

ユースケ

ユースケ 画面から伝わってくるものがすごくて……悔しかった。めっちゃ悔しかったです。だけど、みんなががんばってる姿を見て、次にアンコールで踊る「Beautiful Chaser」をがんばろうって思ったんです。うん、すごい悔しかったけど、みんなのがんばりを見て、「自分もがんばろう」って思えました。

タカシ ユースケは今、その悔しさが糧になってるやん。だからええんやないかな。

ユースケ そうだね。そのあとのライブはちゃんとできたしね。

タカシ ユースケは悔しい気持ちがみんなの倍あって、その逆境を乗り越えたんやからええんやないかなーって思ったり思わなかったり……って、何言ってんねやろ、俺(笑)。

ユースケ えへへ。ありがとね。

超特急 feat. マーティ・フリードマン ニューシングル「Beautiful Chaser」 / 2015年9月9日発売 / SDR
初回限定盤A [CD+Blu-ray] / 2592円 / ZXRC-1025
初回限定盤B [CD+Blu-ray] / 2592円 / ZXRC-1026
通常盤A [CD] / 1296円 / ZXRC-1027
通常盤B [CD] / 1296円 / ZXRC-1028
初回限定盤A、通常盤A CD収録曲
  1. Beautiful Chaser
  2. HOPE STEP JUMP
  3. fanfare
初回限定盤B、通常盤B CD収録曲
  1. Beautiful Chaser
  2. HOPE STEP JUMP
  3. One/O Signal
初回限定盤A、B Blu-ray収録内容
  • Beautiful Chaser[MUSIC VIDEO]
「超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」
2015年12月23日(水・祝)
東京都 国立代々木競技場第一体育館
2015年12月24日(木)
東京都 国立代々木競技場第一体育館
「Beautiful Chaser」発売記念ミニライブ&握手会
2015年9月5日(土)愛知県 アスナル金山
2015年9月6日(日)大阪府 くずはモール
2015年9月8日(火)埼玉県 ステラタウン メローペ広場
2015年9月10日(木)千葉県 イオンモール幕張新都心 グランドモール1F グランドスクエア
超特急(チョウトッキュウ)

超特急

ボーカル2人の美しいハーモニー、奇抜で独特なダンスパフォーマンスで人気を集めている“史上初!! メインダンサー&バックボーカルグループ”。メンバーは1号車コーイチ(お父さん担当)、2号車カイ(神秘担当)、3号車リョウガ(ガリガリ担当)、4号車タクヤ(筋肉担当)、5号車ユーキ(ドジっ子担当)、6号車ユースケ(元気担当)、7号車タカシ(末っ子担当)の7人。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビューし、「Shake body」「POLICEMEN」とシングルリリースを重ねる。2014年3月には6thシングル「ikki!!!!!i!!」をリリースし、ホールツアーを実施。6月にアニメ「遊☆戯☆王 ARC-V」のオープニング曲「Believe×Believe」、12月に1stフルアルバム「RING」を発表した。2015年6月にはデビュー3周年記念の9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」を発表。さらにインドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演し、海外“初開通”を果たす。9月にフジテレビ系「探偵の探偵」の主題歌を表題曲とする10thシングル「Beautiful Chaser」をリリース。12月23、24日には東京・国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブが控えている。