音楽ナタリー Power Push - BRAHMAN

映像、音、言葉で感じる20周年の本質

結成20周年を迎えるBRAHMANの映画「ブラフマン」が7月4日に公開される。メンバーと親交の深いクリエイティブディレクターの箭内道彦が“最初で最後”の監督を務め、ピュアな視点からBRAHMANの本質を浮き彫りにした、衝撃的で感動的な作品だ。主題歌であるBRAHMANの新曲「其限 ~sorekiri~」も、かつてないほどシンプルな歌詞で聴き手の人生に寄り添う、珠玉の出来。TOSHI-LOW(Vo)からも、裸の言葉を聞くことができた。

取材・文 / 高橋美穂 撮影 / 西槇太一

 
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この映画は自分たちではなく箭内道彦の作品

──ずいぶん赤裸々な映画になりましたね。

知らないのよ。観てないもん。

──そうなんですか!?

時間がねえんだもん。ツアー中で、フランスから帰って来たばっかりで、この映画には何ひとつ関わっていない。

──どうしてですか?

TOSHI-LOW

この映画は自分たちの作品ではなくて、箭内道彦の作品なので。映画って監督の作品だから。例えばスペースシャワーTVで放送されるドキュメンタリーみたいに、自分がここを使う使わないっていうディレクションをする必要はないし、それをしてしまったら映画じゃなくなってしまうだろうって。だから、自分たちは一切触れていない。

──観たくないわけじゃないんですね。

観るよ。避けてもしょうがないでしょ。

──でも、こんなところを撮られていたとか、こんなことを聞かれたとか、そういう覚えはあるわけですよね?

それはあるね。まあ、箭内道彦監督で映画を作るってなって、俺らはいつでも好きなときに、すべてを撮ってもらっていいよって言ったので。何ひとつ隠す必要もないし。これ、箭内道彦がどう撮ろうとしたと思ってる?

──「BRAHMANのこういうことを知りたい」っていうように、ピュアな気持ちで撮っているように見えました。

それに対して、箭内道彦がいろんなプランを練っているように見えている?

──うーん……どちらかというとひらめきだったんじゃないんですかね?

だから、箭内道彦はまったくノープランだったと思うし、どうしようかなってぶつぶつ言いながらやっていて、俺らも当然プランなんか何もないし。何もない中で唯一できることは、なんでも撮ってくださいっていうことだったの。

──何を撮られても大丈夫ってバンドが思えるようになったというか。

大丈夫って思ってないけど、もともとステージに上がることが自分たちの究極の目的で、それ以外はいらないじゃんって思ってる。極論を言ってしまえば、そこ以外は見せる必要はない。

──じゃあ、なぜこういう映画をOKしたんですか?

見せないんではなくて、見たきゃ見てもいいよって。こんな映画を撮ってもらっても、見せる必要はないって今でも思ってるよ。人の家のトイレまでのぞきたい?ってさ、そんなことなの。俺たちが言いたいのは。トイレのぞいて満足するなら見れば? 気持ち悪いって思うかもしれないけど、のぞきたかったんでしょ?って。

──でも、隠したい時期もあったんじゃないんですか?

隠さないとバンドとしてのスタンスが成り立たなかったっていうのはあるよね。ステージだけが目的だから、それ以外がごちゃごちゃしてもしょうがないし、ごちゃごちゃしてブレたところもあるから。バンド以外のことに手を付けて、いろんなことでいい機会をもらったけど、裏側ってどうでもいいっちゃどうでもいい。例えば100メートル走るときに「9秒切ればいい」みたいなことでしょ。陰でどんな努力してるか、何を食べてるか、出す必要ないじゃんって、若いときは思ってたよ。

映画「ブラフマン」2015年7月4日全国一斉公開
映画「ブラフマン」
タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、リクルート「ゼクシィ」、東京メトロ「TOKYO HEART」など、彼の作品を見たことがない人はいない、と言っても過言ではないだろう。あらゆるモノの核を切り取り、そのモノの魅力を最大限に表現する。稀代のクリエイティブディレクター箭内道彦。これまで、映画監督としてのオファーを固辞し続けて来た箭内が、「僕が知っている、ブラフマンの、愛すべきあの4人を、ただスクリーンに映すことであればできる。」と、イレギュラーなものとして受託した、最初で最後の監督作。4人との交友の深い箭内が見るBRAHMANの「人間」としての素顔。バンドの今、過去、未来。初代メンバーへの思い、家族や、古い友人の言葉も織り交ぜ、「人と人が、生きていくこと」を問いかける。箭内がたった1台のカメラに収めたブラフマンとは? ──ノン・フィクションの「ブラフマン」が解禁される。
  • 監督・撮影:箭内道彦
  • 主題歌:「其限 ~sorekiri~」BRAHMAN(TOY'S FACTORY)
  • 出演:BRAHMAN(TOSHI-LOW、KOHKI、MAKOTO、RONZI)
  • 語り:Ken Yokoyama、りょう、井浦新 ほか
  • 配給・宣伝:プレシディオ (c)2015 映画「ブラフマン」製作委員会
ニューシングル「其限 ~sorekiri~」 / 2014年7月1日発売 / TOY'S FACTORY
「其限 ~sorekiri~」
初回限定盤[CD+DVD]1800円 / TFCC-89549
通常盤[CD]1200円 / TFCC-89550
BRAHMAN(ブラフマン)
BRAHMAN

1995年に東京で結成された4人組ロック / パンクバンド。ハードコアと民族音楽をベースにしたサウンドを特徴とする。1996年に初めての作品として「grope our way」をリリース。1998年に発表した1stアルバム「A MAN OF THE WORLD」はトータル60万枚以上のセールスを誇り、90年代後半にひとつの社会現象になったパンクムーブメントにて絶大なる人気を集める。ライブを中心とした活動を行っており、日本以外にもヨーロッパやアジアでもツアーを行うなどワールドワイドな活躍を見せている。2011年3月11日の東日本大震災以降よりライブ中にMCを行うようになり、震災の復興支援を目的とした活動を積極的に展開。2013年2月にはフルアルバム「超克」をリリースした。2015年7月1日に2年10カ月ぶりのシングル「尽未来際」を発表。7月4日からは彼らの姿を追った箭内道彦監督のドキュメンタリー映画「ブラフマン」が公開される。