あんな曲作れるんだからあと7年くらいは余力でいい

尾崎　峯田さん、最近曲作ってますか？

峯田　作ってるんですよ。

尾崎　出してない曲がいっぱいあるだろうから聴きたいです。「VIVA LA ROCK 2015」では新曲をやったんですよね？

峯田　ああ、そう。ずっと……6年くらいですかね、「こういうものを作ろう」って思ってた曲が、やっとできてその気持ちに決着が付いたと思ってたんですけど。ライブで3回披露したくらいから、新しい問題が出てきて、全然決着が付かなくなっちゃって。どうしたらいいもんかなと。その曲のタイトルが「生きたい」っていうんですけど、最近、もう1曲「死にたい」っていう曲を作ったんですよ。まだ完成はしてないんですけど。その「生きたい」と「死にたい」を作って初めて、間に浮かぶものが、もしかしたら決着を付けてくれるんじゃないかなと。それは曲じゃなくて、その2つを聴いた人が感じてくれるものなのかもしれないですけど。それは自分が形に出せそうで出せないものなのかなっていう気がするんですよね。だから新曲を今がんばって作ろうかなと思って。「Bowline」までにはできないと思うけど。

尾崎　「生きたい」を初めてやったのがビバラですよね。鹿野（淳）さんがすごい曲だって言ってました。

峯田　本当ですか？ 俺はクリープハイプの「寝癖」のほうが好きですけどね。普段なかなか曲の感想とか言えないんで、この場を借りて言っていいですか？

──どうぞどうぞ。

峯田　「二十九、三十」を聴いて「あんな曲作れるんだからあと7年くらいは適当でいいよ」と思いました。本当に余力でいいと思います。

尾崎　いやいやいや。もっとがんばります。

峯田　僕、尾崎くんの歌詞が好きで。この曲で言ったら、サビで「サビなら言える」っていう歌詞があるんですけど、それをサビで書けるのはやっぱりすごいですよ。尊敬します。

尾崎　うれしいです。

峯田　「愛の点滅」も、聴いてすぐメールしました。

尾崎　ちょうど「Bowline」のオファーをして、返事をもらってすぐくらいに「愛の点滅」が出たんですよね。

──ちなみにメールにはなんて？

尾崎　「よかったよ」って。それだけでいいんです。どこがどうとかいうのは評論家の人が勝手に書けばいいと思ってるんで。「よかったよ」って言われるのが一番うれしいですよね。峯田さんが「よかった」って言うならそれがすべて。

峯田さんにとって居心地のいいバックヤードに

尾崎　峯田さんが「Bowline」当日、バックヤードでどうやって過ごすのかが気になります。

峯田　バックヤード？ この日？ 将棋してますよ。ずっと。

尾崎　どうにか楽しく過ごしてもらわないとな、と。なんとか引き止めておきたいなと思って。

峯田　いやいや！ だってクリープハイプ最後でしょ？ それまでいますよ、ちゃんと。

尾崎　本当ですか？ 引き止めるために峯田さん専用の個室ビデオ作ろうかなとか考えてます（笑）。サッカーの試合を中継しておくのと、個室ビデオと……ヘルスかなんかも作りましょうか、もう。

峯田　だとしたら、熟女4人くらいそこらへんに用意しておいてくれればそれで（笑）。

尾崎　ははは（笑）。ほかの出演者とは面識ありますか？ 峯田さん、エビ中（私立恵比寿中学）とか知ってますか？

峯田　はい！ CD持ってますよ。

尾崎　えー。そうなんですか。

峯田　東京スカパラダイスオーケストラも好きだし。だからいいメンツだなあと思って。この出演者はクリープハイプの4人が選んだんですか？

尾崎　基本的にはそうですね。あとはタワーレコードの方に意見をもらったりしながら選ばせていただきました。

──この出演者の中で気になるアーティストはいますか？

峯田　うーん……わかんないですね。みんな気になります。

尾崎　たぶん僕と一緒で、そうやって聞かれるのが一番嫌なんですよ。「この中で気になる出演者」とか「最近聴いてるバンド」とかって絶対答えたくなくて。

峯田　インタビュアーの方が知りたい気持ちも分かるんですけどね。あのさ、自分の部屋の本棚とか絶対見せたくないでしょ？

尾崎　見せたくないです。

峯田　ね、ルーツが見えちゃうから。俺、彼女とかにも見せたことないですもん。

──なぜですか？

峯田　恥ずかしいんですよね。自分がどういうのが好きで、どういう本を読んでるとか知られるのが。

尾崎　自分から教えたいなって思うときはいいんですけど、「どうなんですか？」って聞かれると言いたくなくなるんですよね。

峯田　めんどくさくてすみません。

──いやいや。そんな峯田さんが2014年のプロフィールでは「峯田和伸を突き動かし、奮い立たせたヒト、モノ、コト」として「く」の欄でクリープハイプを挙げてたんですよね。

峯田　いろんな売れてるバンドの中で俺はクリープハイプが好きだっていうことを言いたかったんです。

尾崎　基本的に固有名詞を挙げたくない気持ちがわかるから、あれは本当にうれしかったですね。